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自らの給与は「上がるもの」ではなく、「上げるもの」?
国の施策により、最低賃金の上昇が止まりません。
ただ、この施策に疑問を感じているのは私だけでしょうか?
私は、最低賃金が上昇することに異を唱えているのではありません。
何も努力していないにもかかわらず、
賃金が上昇していることに少々疑問があるのです。
もちろん、物価上昇を根拠に
労働者の生活を維持するための賃金上昇は必要であることには同意します。
そこで、次のことを。
当社のコンサル陣は、
商工会等の他組織開催・自社開催を含めて
人事評価制度、賃金制度、事故削減、残業削減、生産性向上等をテーマに
年間50回以上のセミナー・勉強会へ講師登壇しています。
その中で、私が講師を担当する場合の
鉄板ネタがあります。
それは、
「できた」と「できる」の違いの説明です。
「できた」とは、
本人の努力なしで、結果的にできたことです。
偶然であり、たまたまなのです。
「できる」とは、
本人が立案した計画を基に努力した結果なのです。
そして、「できる」には、
再現性があり、
他者へ水平展開することにより
成功(できる)の共有となり、
ノウハウとなるのです。
たった、一文字ですが、
「できた」と「できる」の価値は大きく異なるのです。
営業担当者にとっての
「売れた」と「売れる」も同じですね。
「売れた」は、
営業担当者の努力なしで、
たまたま、偶然売れたのです。
まさに「運が良かった」ですね。
次回や来年は売れるのかはわかりません。
「売れる」は、
営業担当者が立案した計画を基に
努力した結果、売れるのです。
「運」は関係ありません。
再現性があります。
次回や来年も「売れる」確率が非常に高いのです。
仮にあなたが、
営業部長という営業の責任者の場合、
・売れた営業担当者
・売れる営業担当者 の
どちらの営業担当者を信頼できますか?
もちろん
・売れる営業担当者 一択ですね。
営業の責任者である営業部長は、
・売れる営業担当者 を育成しなくてはならないのです。
実は、賃金(給与)も同じなのです。
あなたは、次のどちらの人材を雇用したいですか?
・自らの給与を上がるのを待つ人材
・自らの給与を上げられる人材
魅力ある人材は、
「自らの給与を上げられる人材」ではないですか?
あなたが社長である場合、
人材から次のような質問をされた場合、
どう思いますか?
人材:「私の給与はどうすれば上がるのですか?」
もし、そんなこと質問してくる人材は、うっとうしいなぁと、
思うのであれば、
その人材は転職すべきでしょう。
そのような人材が、当社の従業員であれば、
私は、うれしいです。
そして、その質問に対して、
どうすれば、昇給していくのかを説明します。
ここで、大きな注意点!
中小企業の社長は、
人材から、
「私の給与はどうすれば上がるのですか?」
「○○しますから昇給してください」
などと、具申されると、
「やっと、当社の社員もやる気を出してくれたか!」と
嬉しくなってしまい、
成果・結果を出す前の
計画段階で昇給させてしまうのです。
これは、絶対にダメです。
やってはいけないことです。
昇給は、計画に対して行うのではなく、
成果・結果を出した後に行ってください。
ただ、その人材が当初の計画通りの
成果・結果を出せなくても
プロセスが適切であれば昇給させても良いでしょう。
例えば、営業担当社員から
「見込客獲得のマーケティングの仕組みを策定し、
○○万円の契約増を実現しますので、〇万円昇給してください」
に対して、社長が承認した場合、
結果的に契約増は、当初の計画の○○万円に達しなかったとしても
本人の努力が適切であり、
マーケティングの仕組みを策定し、
いくらかの契約増につながったのであれば、
その「プロセス」に対して、昇給させても良いのです。
(これも計画段階ではなく、行動の結果の昇給です)
その昇給額は、当初の予定通りでなくても仕方ありませんが。
「自らの給与を上げられる人材」を
組織として重宝するのであれば、
「賃金制度」が必要なのです。
ちなみに「賃金制度」とは、「仕組み」のことであり、
「就業規則」や「賃金規程」の規定内容ではありません。
そして、「賃金制度」につなげられる
明確な「人事評価制度」も必要になります。
私は、人材にとっては、
自分の給与は、自分で決めるものだと思います。
だからこそ「賃金制度」「人事評価制度」が必要です。
そのためには、
どのような場合に自らの昇給があり、
どのような場合に自らの給与に変更がないのかを
根拠を基に人材に理解させなくてはなりません。
この、人材に理解させる「根拠」こそが
「賃金制度」「人事評価制度」なのです。
例えば、建設業の技術者が自らの給与を上げるためにはどうするのか?
・1級土木施工管理技士の資格を取得する
・受け持った現場の実行予算管理を実施し、計画通りの粗利を出す
・発注者から評定点数について、目標以上の点数を獲得する
・職能資格等級の等級を上げていく
・役職に就く などなど。
要するにどのような場合に自らの給与額がいくらになるのかを
明確に試算できる「賃金制度」が必要となります。
この「賃金制度」及び「人事評価制度」こそが、
使用者(組織側、社長)と労働者(人材、従業員)との
信頼関係を取り持つ「仕組み」といえるのです。
優良人材・優秀人材とは、
自らの給与が上がるのを待つ人材ではなく、
自らの給与を上げるための行動を起こせる人材なのです。
そのためには、昇給の根拠を明確にした
「賃金制度」「人事評価制度」が必要なのです。
最後までお読みいただきありがとうございます。
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執筆者 山本昌幸プロフィール:
人事制度(人事評価制度、賃金制度)指導歴28年超の専門家、特定社会保険労務士。「人事制度(人事評価制度・賃金制度)セミナー・勉強会」の講師を190回以上務め、社長・経営層の延べ受講生1900名以上。
自らの約10名の従業員を雇用する組織の経営者。
商業出版書籍
「建設業の人手不足に効く!人事評価制度・賃金制度・公共工事受注マニュアル」(同友館)
「人事評価制度が50分で理解でき、1日で完成する本 (忙しい社長のためのビジネス絵本) 」(同友館)
「今日作って明日から使う中小企業のためのカンタンすぎる人事評価制度」(中央経済社)
「従業員のための人事評価・社長のための人材育成」(同友館)
「人手不足脱却のための組織改革」(経営書院)
「『プロセスリストラ』を活用した真の残業削減・生産性向上・人材育成実践の手法」(日本法令)等