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2025.9.22

賃金制度

安定志向の若年労働者に人事評価制度・賃金制度をどう活用するのか?

安定志向の若年労働者に人事評価制度・賃金制度をどう活用するのか?

転職をあおる傾向の強い社会に対して、ここ数年の若年労働者の変化

最近の人材は、
・転職が当たり前
・定年まで勤める人材は少数派
というのが、ある意味「実態」だと感じているのではないでしょうか。

その「実態」を否定する調査結果が公表されました。

一般社団法人日本能率協会が実施した
「2025年度 新入社員意識調査(2025-8-25)」によると
二つの点で興味深い結果となっています。
笑顔
一つ目:
一つの仕事を長く続けて専門性を磨きたい
(その考えに近い、どちらかというとその考えに近い の合計)
2022年:60.9%
2024年:63.9%
2025年:67.9%
年々向上している。

二つ目:
定年まで一つの会社に勤めたい
(その考えに近い、どちらかというとその考えに近い の合計)
2022年:64.5%
2024年:65.8%
2025年:68.6%
年々向上している。

注:2023年は、調査結果未掲載(調査未実施?)

以上の結果から、
「転職が当たり前」という傾向が薄れてきていると判断できます。
ポイント
要するに
「一つ仕事を長く続けて専門性を磨きたい」ということは、
「自らの価値を向上させたい」ということでしょう。

そして、その自らの価値を向上させるための一つの手段として
定年まで一つの会社に勤めたいと考えられます。

この傾向は、
就職した会社が自らの価値を向上させられない組織や、
人材育成が実現されない組織の場合、
やむを得ず転職という選択肢を選ぶということでしょうか。

この新入社員への意識調査結果は、
安定志向の若年労働者が増えていると予測しているとはいえ、
意外な調査結果だと思います。

では、若年労働者が
一つの会社に長く勤め、
自らの専門性を磨くために
組織として揃えておくべき仕組みとは何か、
列挙してみます。

①人材の価値を向上させる制度
②人材の向上した価値を認める制度
③人材の出した成果を認める制度
④人材の向上した価値と人材の出した成果を待遇に反映させる制度
提案
これらの「制度」が必要であり、
これらのうち一つでも欠けてしまうと
人材の期待に応えられなくなるのです。

そして、「制度」とは、「仕組み」のことですから
単なる規定やルールではないのです。

「仕組み」とは、PDCAを適切に廻し
常に改善されていく必要があります。

では、一つひとつみてみましょう。
示す
①人材の価値を向上させる制度について
これは、「人材育成制度」です。
人材育成のための仕組みでしょう。
この「人材育成制度」は、単独の仕組みとして
存在・機能させることも多いのですが、
中小企業の場合、他の仕組みと連動させ機能させることも多いのです。

②人材の向上した価値を認める制度について
これは、「職能資格等級制度」が該当します。
人材が身に付けた(身に付けている)力量・スキルを評価したうえで
等級別に格付けしていくのです。
この等級格付けにより、
人材は、身に付けるべき力量・スキルが明確になり
努力の手法・方向性を理解できます。

例えば、土木工事業に勤務しており、
全6等級のうち、上から五番目の2等級に格付けされているA氏の場合、
一つ上位等級である3等級に昇級するために身に付けるべき力量・スキルとして
・5000万円以上の「施工計画書」を作成できる
・積算ソフトが扱える
・2級土木施工管理技士の資格保有
などが必要であることが理解できるのです。
作業員
③人材の出した成果を認める制度について
これは、「人事評価制度」です。
前述の「職能資格等級制度」は、
人材が身に付けている力量・スキルを評価しますが、
(保有しているポテンシャルを評価)
「人事評価制度」は、人材が出した成果を評価します。

いくら保有している力量・スキルが高くても
その力量・スキルを発揮し、活用しなければ意味がありません。

この「人事評価制度」は、
人材が、長期間勤務し、価値を向上させるための一連の仕組みの
中枢の仕組みといえるでしょう。

④人材の向上した価値と人材の出した成果を待遇に反映させる制度について
これは、「賃金制度」です。
「賃金制度」とは、
・人材の価値
・人材の力量・スキル発揮度
・人材の出した成果
・勤務態度
などを賃金に反映させるための仕組みです。

「制度=仕組み」ですから、
「就業規則」や「賃金規程」に規定してある
賃金の決定・計算のルールのことではありません。
賃金
「賃金制度」が策定され、機能していると、
中途採用者の賃金が即決定でき、
既存人材の将来の賃金額の予測も簡単にできるのです。
「就業規則」や「賃金規程」の規定内容では、
中途採用者の賃金も、
既存人材の将来の賃金額の予測も不可能でしょう。
だから、「就業規則」や「賃金規程」は、
「制度=仕組み」ではないのです。
バツ
これら四つの仕組みは、
単発でも機能するのですが、
すべて構築・運用することにより
1+1+1+1=4 ではなく、
1+1+1+1=10 になり得ます。

また、確実な「人材育成制度」が機能し難い中小企業においては、
「職能資格等級制度」「人事評価制度」を
「人材育成制度」と位置づけ機能させることも可能なのです。

言い方を変えると
優良な「職能資格等級制度」「人事評価制度」を
構築・運用することにより「人材育成制度」として機能するのです。
丸
当社では、
「職能資格等級制度」「人事評価制度」「賃金制度」それぞれについて
2時間から3時間のセミナーとして毎月開催していますので
参加されると良いでしょう。

最後に、この調査結果は、
調査対象の新入社員が勤務している会社規模が不明ですので、
中小企業に新卒で入社した人材だけに特化した調査の場合は、
調査結果が異なることがありうることを
私見として伝えておきます。

最後までお読みいただきありがとうございます。

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執筆者 山本昌幸プロフィール:
人事制度(人事評価制度、賃金制度)指導歴28年超の専門家、特定社会保険労務士。「人事制度(人事評価制度・賃金制度)セミナー・勉強会」の講師を190回以上務め、社長・経営層の延べ受講生1900名以上。
自らの約10名の従業員を雇用する組織の経営者。
商業出版書籍
「建設業の人手不足に効く!人事評価制度・賃金制度・公共工事受注マニュアル」(同友館)
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