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全国加重平均が63円(6.0%)引き上げで中小企業経営に影響必至?
2025年度の最低賃金の目安が示されました。
或る程度の予想はしていたのですが、
その予想を超える全国加重平均63円引き上げて
1,118円とされました。
これは、金額及び引き上げ率ともに過去最大です。
物価の上昇で困窮しているのは
国民・一般家庭だけではなく
中小企業も同様です。
いや、一番困窮しているのは、中小企業でしょう。
原材料費や水光熱費の上昇により
利益が圧迫され、
価格転嫁もままならない中小企業も多い状況です。
それに加えて、人件費の今までにない上昇率。
私も中小企業の経営者ですから
中小企業の社長の気持ちは痛いほどわかります。
そもそも賃金とは、
利益が増えなくては上げられないのです。
利益を増やしたり減らしたりする責任が
経営責任であるならば、
売上が増えなくては上げられないと表現しましょうか。
利益や売り上げが増えない中小企業で
賃上げ額が過去最高というのは、
中小企業にとってあまりにも“酷”と言えるでしょう。
国は、どこまで中小企業を苦しめるのでしょうか?
物価上昇により国民の生活が苦しくなっている。
その対策を中小企業に負わせるのはいかがなものか。
物価上昇対策だけではなく、
様々な働き方改革、少子化対策及び介護への対策について、
企業に様々な制度策定を義務化し実施させる。
このような状況では、
人材の雇用をしたくない中小企業経営者が増えることは当然でしょう。
以前は、
「他人に使われたくないから起業する」という起業家が多かったのですが、
現在では、
「人を雇用したくない」という起業家・経営者が増えているのです。
本当に人材を雇用することは大変なのです。
指揮命令に従わない。
ルールを守らない。
服務規律を守らない。
仕事を選ぶ。
このような人材に対しても賃金の引き上げが必要なのか と、
愚痴の一つも言いたくなる中小企業の社長も多いでしょう。
国や行政機関としても補助金等で
中小企業への支援策を実施していることは、
皆さんもご存じだと思いますが、
申請が複雑であったり、満足いく支給額ではなかったりすることから
積極的な活用には至らないのです。
ただ、この最低賃金の引き上げは
当面の間、鈍化しないでしょう。
なにしろ、2020年代中に時給1,500円を目指しているのですから。
このような状況下で中小企業は何をすべきなのか。
いろいろ考えられますね。
・生産性の向上
・利益率の高い製品・サービスへの転嫁
・人事評価制度の導入・改定
・賃金制度の導入・改定
・生産性の低い人材/社内での行動に課題のある人材への改善策
他にも多々考えられますね。
これらをまとめて表現しますと
「組織として解決すべき課題」ということです。
では、これらの課題は解決が可能なのでしょうか。
多くの課題は、解決が可能と言えます。
もちろん、解決不可能な課題もありますが、
多くの課題は解決できるのです。
課題を解決するためには、
まず、課題であることを認識し、
その課題解決に向けて着手するすること・第一歩を踏み出すことなのです。
組織も人も日常の業務に忙殺され
課題は理解しているのですが、後回しにしてしまうのです。
しかし、これほどの賃上げが必要な状況下では、
中小企業としては対策を打つことは必須と言えましょう。
では、何から手を付けるべきなのか。
根本的な対策としては、
・利益率の高い製品・サービスへの転嫁
なのですが、これは非常に実施のハードルが高い。
であれば、もう一つの根本的な対策である
・生産性の向上
に着手すべきです。
ただ、一口に“生産性の向上”と言っても
何をどのようにしていけばよいのかわからない
中小企業の社長が殆んどでしょう。
私の13冊の商業出版の中で
「プロセスリストラを活用した真の残業削減・生産性向上・人材育成実践の手法」
という書籍がありますが、
正直、一般の読者の方には難しかったようで
一般の読者に対しては、著者として反省点の多い著作となっています。
巷では、「生産性向上が必要!」と
様々な方が唱えていますが、
生産性向上についてどれほど理解されているのでしょうか。
もちろん、“生産性向上”という
文言の意味は理解していても
では、どのように“生産性向上”を実現するのか?
という問いに答えられない方が殆んどではないでしょうか。
このように「生産性向上が必要!」と発する方でさえも
生産性向上が実現できない場合が多いのですから
中小企業の社長として生産性向上は、
一朝一夕に取り組めないですね。
以上のように中小企業における
賃上げに対する根本的な対策は、
難しいので、まずは、
基本的な対策を実施されてはいかがでしょうか。
その基本的な対策として、
・人事評価制度の導入・改定
・賃金制度の導入・改定
を挙げておきましょう。
この二つの中でも
「賃金制度」の導入が必要でしょう。
「賃金制度」とは、
「就業規則」や「賃金規程」に規定してある
賃金の決定・計算のことではありません。
「就業規則」や「賃金規程」に規定してある内容は、
単なるルールであり、仕組みではありません。
その証拠に、
「就業規則」や「賃金規程」の規定内容では、
中途入社人材の賃金支給額の決定は出来ないでしょう。
「賃金制度」が運用されていると
中途入社人材の賃金支給額の決定が15秒ほどで決定でき、
3年後、5年後、10年後、20年後、30年後の賃金支給額の
シミュレーションができるのです。
このシミュレーションは、
推察の条件下での予測となりますが、
非常にわかりやすいのです。
そして、このシミュレーションを活用し、
既存人材に対しても次のように面接できるのです。
面接想定人材=30歳
「あなたは、入社以来8年の状況が今後20年続くと
50歳時の月額賃金は、34万円ですが、
役職が次長まで昇格し、職能等級を5等級まで昇級し、
●●資格を取得し、評価を5段階の上から2番目を取り続けた場合、
月額賃金が45万円を超えますよ」
以上のように、賃金のシミュレーション表を実際に提示する
人材への面接は非常に効果があるのです。
では、中小企業にとって大きな負担である
最低賃金の上昇に対して、
なぜ、「賃金制度」が必要なのか?
「賃金制度」を導入すると
・どのような場合に昇給するのか?
という、昇給の根拠が明確になるのです。
逆からみると
・どのような場合に昇給しないのか?
が、明確になります。
この場合、最低賃金ギリギリの支給額の人材モデルが出来上がることになります。
会社としては、このような
“最低賃金ギリギリの支給額の人材”が輩出しないように
管理や育成をしなくてはなりません。
そのためには、
・人事評価制度の導入・改定
が非常に有益であることをお伝えしておきます。
最低賃金の上昇対策として、
あなたの組織でも
賃金制度と人事評価制度を導入しませんか?
最後までお読みいただきありがとうございます。
今日作って明日から使用する人事評価制度の勉強会はコチラhttps://rodojikan.com/category/seminar/
執筆者 山本昌幸プロフィール:
人事制度(人事評価制度、賃金制度)指導歴28年超の専門家、特定社会保険労務士。「人事制度(人事評価制度・賃金制度)セミナー・勉強会」の講師を190回以上務め、社長・経営層の延べ受講生1900名以上。
自らの約10名の従業員を雇用する組織の経営者。
商業出版書籍
「建設業の人手不足に効く!人事評価制度・賃金制度・公共工事受注マニュアル」(同友館)
「人事評価制度が50分で理解でき、1日で完成する本 (忙しい社長のためのビジネス絵本) 」(同友館)
「今日作って明日から使う中小企業のためのカンタンすぎる人事評価制度」(中央経済社)
「従業員のための人事評価・社長のための人材育成」(同友館)
「人手不足脱却のための組織改革」(経営書院)
「『プロセスリストラ』を活用した真の残業削減・生産性向上・人材育成実践の手法」(日本法令)