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2025.7.31

人事評価制度

中小企業が人事評価制度で失敗しないための8つのポイント

すぐにでも取り組めて活用できる人事評価制度を徹底解説します

人事制度コンサル/社会保険労務士として、
人事制度(人事評価制度/賃金制度/人材育成制度)の
指導を30年近く実施して、
人事制度関連書籍の商業出版歴が5冊以上ありますと
様々な相談や成功事例及び失敗事例が寄せられます。

成功事例についても学ぶところはたくさんあるのですが、
私は。失敗事例こそ、学ぶところがたくさんあると感じ
ここでは、中小企業における
人事評価制度の失敗事例を通して、
「中小企業が人事評価制度で失敗しないための8つのポイント」を
説明していきましょう。
提案する
中小企業は、なぜ、人事評価制度を導入するのでしょうか?

中小企業が人事評価制度を導入する目的として
・社員のやる気を向上させる
・賃金や処遇決定の根拠を明確にする
・経営幹部や社長の右腕育成/人材育成
・人材定着/離職防止
・人手不足解消/人材不足解消
そして、
・活気ある組織の実現 → 利益の増加
ではないでしょうか。

しかし、非常に残念なことですが、
導入した人事評価制度が原因で、
「社員がやる気を失くしている」
「社員から評価が不公平だとクレームが出ている」
「評価や順位付けが目的となっており、育成されていない」
「制度が複雑すぎて使いこなすことが非常に負担」
などの事象や不満が発生しています。

これらの事象や不満は、
人事評価制度自体に問題があり、
そもそも、問題のある制度を導入してしまったのですから
そのような人事評価制度導入済み企業であれば、
その問題点を解消していかなくてはなりませんし、
未だ、人事評価制度が導入されていない企業であれば、
以下、説明するポイントを十分に理解のうえ、
自社に人事評価制度導入を図ってください。

では、始めましょう。

中小企業が人事評価制度で失敗しないための8つのポイント
1:導入に時間をかけすぎない
2:社長が中心となり策定する
3:極力シンプルな仕組みにする
4:評価項目に根拠を持たせる
5:小学生でも評価できる評価基準を設定する
6:成果だけではなく、成果に至るプロセスを評価する
7:予め「評価項目」「評価基準」をフルオープンにしておく
8:評価結果を根拠と共に本人にフィードバックする

では、一つ一つ説明しましょう。

「1:導入に時間をかけすぎない」 について

一般的に人事評価制度を策定する場合、
外部の専門家に支援を依頼することが多いのですが、
その、外部の専門家の策定方法は、概ね次の三つではないでしょうか。
① 各担当からの聞き取りによる策定
② 社内でプロジェクトチームを編成して策定
③ クラウドソフト使用を前提として策定

①の外部の専門家による企業への
インタビューにより
人事評価制度を策定する方法は、
絶対にやめるべきです。

作成される
分厚い「人事評価制度ファイル」は、
見た目も非常に立派で
内容も格調高そうですが、
実は、自社にとって全く活用できない内容であることが
非常に多いのです。

しかも、その策定費用(コンサル費用)は、
非常に高額。
策定期間は三カ月くらいでしょうか。

②の社内でプロジェクトチームを編成して策定は、
一般的に用いられる手法であり、
悪くはないです。

しかし、そもそも、なぜ、
プロジェクトチームを編成するのか?

その理由は、
人事評価制度は、策定したものの
なかなか運用されないという実態があり、
その「運用されない」を解消するために
「皆が策定したもの」という
シチュエーションづくりのためなのです。

そのためにプロジェクトチームには
敢えて、若手社員を入れるのです。

しかし、人事評価制度が運用されない
一番大きな理由は、
「人事評価制度の仕組みが複雑すぎる」からです。

それは、皆で策定しても
少しは効果がありますが、
全社的には効果が薄れるのです。

そして、このプロジェクトチーム策定方式の
一番の欠点は、
プロジェクトチームメンバーがお互いに
気を使いあい、
取り組みやすい評価項目や
甘い評価基準(どのようにでも判断できる基準)を
設定してしまうのです。

私も10年以上前までは、
このプロジェクトチーム策定方式を行っていたので
わかるのです。
この場合の策定期間は、6か月から12カ月くらいです。

③のクラウドソフト使用を前提として策定についても
説明します。

クラウドソフトの多くは、
人事評価制度ソフトではなく
人事管理ソフトなのです。

ですから、人事管理ソフトにおける
人事評価制度機能は、
付帯機能であり、メインの機能ではありません。

その結果、
一般的な人事評価制度が導入されます。

一般的な人事評価制度とは、
あなたの会社向けではないですし、
殆んど活用できないでしょう。

良いですか!

人事評価制度は、
あなたの会社のためだけに策定するものであり、
1000社あれば、1000通りの人事評価制度になるのです。
人事評価制度は、あなたの会社のためだけの
フルオーダーメイドにしましょう。

クラウドソフトの中にも
人事管理ソフトではなく
人事評価制度ソフトも存在しますが、
やはり非常に複雑。

複雑だからこそ、IT化が活きるのです。

そして、
人事管理ソフトを提供(販売)している会社も
人事評価制度ソフトを提供(販売)している会社も
目的は、ソフトの販売(契約)であることを
理解してください。
このことは、決して悪いことではなく、
あなたの会社が、クラウド上で
人事管理や人事評価制度を行いたいのであれば
目的が合致しますね。

この場合の策定期間は、3カ月から6か月くらいでしょうか。

以上、中小企業が人事評価制度を導入するパターンを
三種類説明しましたが、
「① 外部専門家からの聞き取りによる策定」
「③ クラウドソフト使用を前提として策定」は、
お勧めできませんので説明から除外します。

そして、採用の可能性がある
「② 社内でプロジェクトチームを編成して策定」は、
6か月から12カ月ほどかかります。

この期間どう思われますか?

私は、非常に長いと思います。

策定期間が長ければ長いほど、
途中でフェードアウトしたり、
策定内容で初期策定内容と後期策定内容に
乖離が生じたりするのです。

そして、何よりも
「人事評価制度が必要!」と判断したときこそ、
人事評価制度を導入したいのですよね?

で、あれば、
「人事評価制度が必要!」と判断したときが
2月で、何とか二か月後の新年度である
4月から運用したい場合、
策定に6か月から12カ月必要であれば、
「もういいです」と諦めてしまう企業が多いのです。

ですから、
人事評価制度の導入には、時間をかけすぎないでください。
長くても一カ月で策定すべきです。

一つ目の
中小企業が人事評価制度で失敗しないためのポイントである
「1:導入に時間をかけすぎない」の
説明が長くなりましたが、

次に
「2:社長が中心となり策定する」 について説明します。

私の失敗談を。

私は、10年以上前までは、
人事評価制度の策定を
プロジェクトチーム方式で行っていました。

プロジェクトチーム方式というのは、
各部署・各階層から、様々な人材を集めて
プロジェクトチームを編成し、
人事評価制度を策定していくのです。

このプロジェクトチーム策定方式の長所は、
「皆で策定した仕組み」と共通認識を持ち
人事評価制度が運用されやすいことです。
しかし、そもそも人事評価制度が運用されない大きな原因は、
仕組みが複雑すぎることですから、
プロジェクトチーム以外の人材にとっては、
出来るだけ避けて通りたい人事評価制度であることに
変わりはないのです。

そして、このプロジェクトチーム策定方式の短所は
社長が参加しないこと 若しくは
社長が参加してもオブザーバー参加 であることです。

確かに社長が参加することで、
プロジェクトチーム策定方式の長所である
「皆で策定した仕組み」という感覚は薄れるでしょう。

しかし、社長が人事評価制度の策定に参画しないということは、
人材にとって都合の良い
甘い内容の人事評価制度になるリスクが非常に高いのです。

そのため、
皆が高評価を獲得したところで
会社は一向に良くならず、利益が出ないのです。

普通にまじめに行動していれば
高評価を獲得できる内容の人事評価制度ですから。

ですから、人事評価制度は、
社長が中心となり策定しなくてはなりません。

社長の参画により
厳しい内容の人事評価制度となり、
結果的に人材の価値が向上し
人材のためになるのです。

もちろん、価値が向上した人材が活躍することにより
会社の利益も目に見えて向上します。

良いですか!

人事評価制度の策定は、
社長自身が中心となり行うか、
社長もプロジェクトに中心メンバーとして参加してください。

このことは、
コンサルタントに人事評価制度策定を依頼する場合も同じです。

「3:極力シンプルな仕組みにする」について

人事評価制度が運用されない
大きな原因として
「人事評価制度の仕組みが複雑すぎる」ということは、
前述しましたが、
人事評価制度を皆が運用するためには、
シンプルな仕組みにすることが必要なのです。

私自身、今まで数えきれないくらいの
各社の人事評価制度を確認してきました。

人事評価制度の専門家として、
自社の人事評価制度について意見を聞きたいとの
ご要望にお応えする場合も多数あるのですが、
私が各社の人事評価制度を確認する機会は、
ISO9001主任審査員としての活動が大きいのです。

私は、主任審査員として、ISOの審査を
延べ、28年に渡り1700回以上担当してきました。

殆んどの審査では、
審査先企業の経営トップ(通常は社長)は、
私が、人事制度の専門家であることを認識されています。
(多分、予め審査員の氏名をネット検索するのでしょう)

そこで、経営トップインタビューの際や
総務部の審査において、
受審企業の人事評価制度を確認することになるのです。

私は、人事評価制度における商業出版著作も
数冊、出版しており、
活動歴も30年弱ありますので、
「人事評価制度の専門家」と位置づけられるのですが、
その「専門家」から視ても
ISO受審企業から提示される人事評価制度は、
非常に複雑なのです。

そこで、
「この人事評価制度、非常に複雑ですが、運用できていますか?」と
尋ねると、
「そうなんです。運用できていないのですよ」とか、
「唯一理解していた総務部長退職後は無用の長物です」とか、
「評価する側からも、される側からも不満だらけです」などと、
堰を切ったように自社の人事評価制度に対する
問題点を社長自らが仰るのです。

人事評価制度は、
まずは、運用しなくてはなりません。

運用するためには、
とにかくシンプルな人事評価制度にするべきです。

社内の殆んどの人材は、忙しく、
新しいことはやりたくないのです。
特にネガティブな印象の強い
「人事評価制度」への取り組みは、
出来れば避けたいのです。

その「避けたい」口実を提供してはいけません。

「避けたい」口実こそ、
人事評価制度が複雑であることです。

あなたの会社では、
ぜひ、極力シンプルな人事評価制度を
策定しましょう。

「4:評価項目に根拠を持たせる」 について

私は、ISOの最高の審査員資格である
主任審査員であることは説明済みですが、
ISO主任審査員として、
常に認識していることは、
「すべての問題に原因がある」
「すべての事象に理由がある」
です。

あなたが、この文章を読まれていることにも
理由があるでしょう。

昨年発生した労災事故にも原因があるでしょう。

「評価項目」にも根拠を持たせることが必要なのです。

評価される側の人材からみて、
「なぜ私は、この評価項目で評価されるのかな?」と
疑問を持たれるようでは、
適切な「評価項目」とは言えません。

そして、人材から
「なぜ、この評価項目なのですか?」と
質問された場合、
必ず、回答できなくてはなりません。

例えば、建設業の人事評価制度で、
「実行予算の予実管理結果」という評価項目の場合、
「昨年の各現場の実行予算管理結果の誤差が
13%以上の現場が10件中6件もあったからです」 と。

ですから、あなたの会社で「評価項目」を策定する場合
・課題や解決すべきこと
・現状の問題点
などを十分に洗い出したうえで
「評価項目」を策定すべきなのです。

まちがっても、
なんとなく「評価項目」を決定することは止めましょう。

「5:小学生でも評価できる評価基準を設定する」について

実は、一般的な人事評価制度の一番の欠陥は、
・評価基準がない
・評価基準があいまい
・異なる評価項目に対してすべて同一の評価基準
です。

このような説明をすると、
「自社の人事評価制度には、評価基準があります」と
回答される方が一定数いらっしゃいますが、
それは、本当に「基準」ですか?

まさか、
A:非常に良い
B:良い
C:悪い
D:非常に悪い
という「評価基準」ではないですか!

例えば、製造業の人事評価制度で
「不良発生時の原因追究について」という表項目の場合、
前述のA-B-C-D評価で、
何ができれば「A:非常に良い」のか、
何ができなければ「C:悪い」のか、
評価者によって評価結果のばらつきが出るのは
どなたでも推察が付くでしょう。

仮に同一の評価者が評価したとしての
その日の気分や天気、状況等により、
4段階の評価結果が異なるのです。

このA-B-C-Dでは、
評価基準とは言えずに、
評価基準が無い状態と言えます。

さらに、このA-B-C-Dは、
どのような評価項目であったとしても
すべて、このA-B-C-Dなのです。

あなたは、
食べ物を評価する「舌」と
絵画を評価する「眼」と
音楽を評価する「耳」が異なることをご存じですね。

そうです。
評価するターゲットにより
評価する五感が異なるのです。

人事評価制度に例えますと、
「評価項目」ごとに見合った「評価基準」を
設定しなくてはならないのです。

それが、出来ていない「人事評価制度」がなんと多いことか。
というか、ほとんどそうです。

理想的な人事評価制度であれば、
小学生でも高学年であれば、
評価に迷わない「評価基準」を設定すべきなのです。
そして、それは、可能なのです。

「6:成果だけではなく、成果に至るプロセスを評価する」 について

私は、成果主義賃金も成果主義人事評価も
反対ではなく、必要だと思っています。

ただ、「成果」だけを評価してはいけません。

営業担当者の場合、
たまたま、運よく売れただけではないですか?

トラックドライバーの場合、
事故が起きなかっただけではないですか?

営業担当者の場合、
売るためにどのような努力をしたのか?
売るためのマーケティング活動は?

ドラックドライバーの場合
事故を起こさないために何をしたのか?

これらの活動(プロセス)も評価すべきなのです。

成果だけではなく、
成果に至る活動(プロセス)を評価することにより、
その「活動(プロセス)」は、
組織の財産となり、再現性があります。

仮にトラックドライバーが
事故を起こさないために
・交差点左折時は指差呼称する
・ドライブレコーダーを運転席に向けて設置し検証する
などを「評価項目」にした場合で、
事故が削減できた場合、
この活動を続けることで事故防止の再現性があり
他のドライバーや
他の営業所に展開することで
事故防止が実現できる可能性が高いのです。

これは、まさに自社の事故防止のノウハウとなるのです。

また、「成果」だけを評価することにより
殺伐とした組織風土になることが予測されますので
好ましくないのです。

あなたの会社の人事評価制度では、
ぜひ、成果に至る活動(プロセス)も
評価項目にすべきです。

「7:予め『評価項目』『評価基準』をフルオープンにしておく」 について。

とても信じられないのですが、
人事評価制度導入済み企業の一定数は、
何を評価するのか予め人材に伝えていないのです。
要するに「評価項目」を開示していないのです。

これでは、人材は、何を努力すればいいのか、
どの方向に向けて歩きだせばいいのか
理解できません。
がんばれません。

理想的な人事評価制度は、
「評価項目」も「評価基準」もフルオープンであるべきです。

人事評価制度導入時に
「全社員説明会」を開催し、
すべての「人事評価表」を基に
すべての「評価項目」と「評価基準」を説明するのです。

ただ、一般的な人事評価制度は、
前述のとおり、
「評価基準」がなかったり、あいまいだったりするので
説明できませんが、
そもそも、そのような人事評価制度を
導入すべきではないということです。

「8:評価結果を根拠と共に本人にフィードバックする」について

人事評価制度導入済み企業の中で
評価結果を本人にフィードバックしていない企業の割合は
半数弱あるのです。

すべての問題に原因がありましたね。

では、なぜ、一般的な人事評価制度では、
評価結果を本人にフィードバックできないのか?

その理由は、
一般的な人事評価制度では、
評価基準がなかったり、あいまいだったりするから
評価結果を本人にフィードバックして、
「なぜ、私はこの評価結果なのですか?」と
質問された場合、回答できずに
非常に困るからでしょう。

このように一般的な人事評価制度の
一番の被害者は、だれなのでしょうか?

それは、
評価する側の上司、社長ではないですか?

かわいい部下・大切な部下を
評価基準があいまいな人事評価制度で
評価せざるを得ない苦痛は相当なものです。

その結果、部下全員を同じ評価にしたり、
部下全員に高評価を付けたりするのです。

これでは人事評価とは言えないのです。

もちろん、あいまいな評価基準や
評価基準が無い人事評価制度で
評価される部下もたまったものではありません。

いかがでしたか?

「中小企業が人事評価制度で失敗しないための8つのポイント」

ご理解いただけましたでしょうか。

あなたの会社の人事評価制度策定に
お役に立てると幸いです。

最後までお読みいただきありがとうございます。

今日作って明日から使用する人事評価制度の勉強会はコチラhttps://rodojikan.com/category/seminar/

執筆者 山本昌幸プロフィール:
人事制度(人事評価制度、賃金制度)指導歴28年超の専門家、特定社会保険労務士。
「人事制度(人事評価制度・賃金制度)セミナー・勉強会」の講師を190回以上務め、
社長・経営層の延べ受講生1900名以上。
自らの約10名の従業員を雇用する組織の経営者。
商業出版書籍
「建設業の人手不足に効く!人事評価制度・賃金制度・公共工事受注マニュアル」(同友館)
「人事評価制度が50分で理解でき、1日で完成する本 (忙しい社長のためのビジネス絵本) 」(同友館)
「今日作って明日から使う中小企業のためのカンタンすぎる人事評価制度」(中央経済社)
「従業員のための人事評価・社長のための人材育成」(同友館)
「人手不足脱却のための組織改革」(経営書院)
「『プロセスリストラ』を活用した真の残業削減・生産性向上・人材育成実践の手法」(日本法令)等

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