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098回:人材に「顧客自己満足」を強要していないか

今回も前回に引き続き、人事評価制度(人事考課)の説明ではなく人手不足対策への対応についてです。

人手不足の原因の本丸である「パターン3:従業員退職型」について説明していますが、人材(従業員)が辞めない会社、定着率向上を実現するためのあるべき組織のすがたの説明をさらに進めましょう。

人事評価制度(人事考課)とも関連が大ありです・

前回までに、一番目から四番目まで説明しました。

では、五番目です。
5 あなたの会社の「顧客満足」は、「顧客自己満足」ではないですか?

この内容については、以前も説明しましたが、欧米の一般的な解釈の顧客満足とは、本来、「不満の無い状態」ということです。

我々日本人は、「顧客満足」と聴くと「素晴らしい」「エクセレント!」と想像してしまう結果、過剰なサービスを提供してしまい、結果、顧客にとって、ありがた迷惑的な押し付けがましい行動になっている場合があります。

また、そのような行動を人事評価制度(人事考課)の評価項目として設定してしまう場合は非常に残念ですね。

そして、そのような押し付けがましい顧客サービスに対して、顧客としては100%お世辞・・・若しくは、嫌みのつもりで「素晴らしいですね」と伝えようものなら顧客自己満足実施企業の社長などは、どこまででも高く昇っていき、誰も降ろせない状況になってしまいます。

気の毒なのは、このような企業に勤めて、この顧客自己満足行動を強制させられる従業員です。

前述したように、人事評価制度(人事考課)の評価項目になっている場合は本当に悲惨です。

社長のあなたが、「良い行動」と思っている活動について、本当に「良い行動なのか?」をよくよく考えてみてください。

従業員の本音を訊いてみてください。
従業員の本音としては、実は、やりたくないのではないでしょうか?
また、「顧客自己満足行動」とは異なりますが、社長が傾倒している活動などに無理やり参加させていませんか?

従業員としては、本音を言い難いかもしれませんが、匿名のアンケートなどで、本音を聞き出してください。
これは、社長自身・会社が社会の笑いものにされていることを是正する意味でも必要な行動と言えるでしょう。

誰が好き好んで、笑いものにされている社長が経営する会社に勤めようと思いますか?

誰が好き好んで、笑いものにされるような行動をしようと思いますか?

また、笑いものにされるような行動ではなくても社長が傾倒している活動や宗教の活動に無理やり参加させるような会社には誰も勤めたくありません。

私も会社員時代に、宗教関連?の合宿に行かされたことがあります。
今では、良い思い出で、このようにバカバカしい体験として披露できるので、決して無駄ではなかったと思いますが、合宿で学んだことについてはどうだったのか?

多分、良いこともたくさん教えていただけたとは思うのですが、
そのころの20歳代の私としては、
・強制参加
・宗教団体?関連組織の主催
というだけで、反感を持ってしまい(宗教団体が悪いということではありません)合宿中、耳に入ってくる情報すべてを素直に訊き入れることが出来なかったように思えます。

当然、私の勤務先は、その合宿にウン万円支払っているのですからもったいないことかもしれません。

このようにあまり日常業務と関連性のない合宿やセミナーに強制参加させること自体、従業員の定着の悪化に繋がると思います。

次に六番目です。
6 「顧客満足」と「従業員満足」のどちらが重要か?
優先順位はどちらが高いのか?

もちろん、従業員の定着向上のためには「従業員満足」が重要です。

「従業員満足」も「顧客満足」同様に、「私が勤務する会社は素晴らしい」ということではなく勤務する会社に対して不満が無い状態、いや、多少の不満があっても良い状態なのです。

あなたの会社の従業員さんは、会社に対して、あまり不満の無い状態を維持できていますか?

人事評価制度(人事考課)においても非常に気になるところですが、従業員さんには、あまり不満の無い状態を維持していただきたいのです。

「顧客満足」は、その次でよいのです。

逆に、「従業員満足」が実現できていない組織で「顧客満足」を追求することなど、「それって、ギャグですか?」と突っ込みたくなります。

「従業員満足」を獲得することは、決して難しいことではありません。

せひ、「従業員満足」を実現してください。

そのために「人事評価制度(人事考課)」を上手く活用していただきたいのです。

【参考情報】人事評価制度とは?

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