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「給料分しか働きたくない人材」について

「給料分しか働きたくない人材」について

その人材の給料・賃金は、見合っていますか? イヤ、今日はその話ではなくて・・・。

先日、ある担当者と話をしていたら
次のような相談を受けました。

「○○の業務遂行を指示したところ、
『それほどの給料をいただいていないのでやりたくない』といわれてしまいました。
どうすべきでしょうか」

うーん、そんな世の中になってきてしまったのですね。

私から見ると、そのような人材が特殊ではなく、
増えてきているという印象です。

・自らの業務範囲を自らで設定しており、それ以上のことはやりたくない

ということでしょう。
悩む人
この「自らの業務範囲を自らで設定しており」がミソですね。

そもそも、業務範囲は、人材自らが設定するものではなく
会社が設定するものです。

しかし、そのような正論が通用しにくい人材が増えているのです。

この現象を言い換えると、
・自らの限界を自らが低く設定している
ということでしょうか。

確かに最近自己評価が低い人材、自己肯定感が低い人材が
増えているのです。

もちろん、余分の仕事をやりたくないので
あえて、自らの価値を低く見積もっている人材も存在します。

彼ら・彼女らは、
・自己ベストを超えるために努力したことがあるのか?
と疑問を抱きます。
疑問に思う
「自己ベストを超える」とは、
スポーツに限らず、
成績の順位や、
売上目標、作業スピードはもちろん
ゲームのハイスコアでも良いのです。

もしかしたら、
自ら限界を低く設定している人材は、
今まで一度も
自己ベストを超えるための努力をしたことがないのかもしれません。

残念です。

しかも、それを社会に出て働く場で、
自らの業務範囲を決定してしまうということは非常に残念。

では、彼ら・彼女らにどのように対応すればよいのでしょうか。

対策として、「人事評価制度」と言いたいところですが、
このような努力したことがない人材に対して、
高評価を獲得するために努力する「人事評価制度」は
短絡的かもしれません。

彼ら・彼女らに「人事評価制度」を当てはめる前に
彼ら・彼女らの仕事上におけるやるべきこと(職責)を
明文化する必要があります。
ポイント
明文化ということは、文書を作成するのですが、
その文書は、
「職責規程」「職務規程」で構いませんし、
私のお勧めは「就業規則」に規定することです。

ただ、「就業規則」は、法令で社内に周知することが要求されていますが、
働くだれもが気軽に「就業規則」を閲覧している
組織は少ないのかもしれません。

要は、文書は、何でも構わないので、
彼ら・彼女らが仕事上におけるやるべきこと(職責)を明文化した文書を
常に見ることが出来る状態にしておけば良いのです。
もちろん、完成時に全社員に説明会を実施し、
最低でも年に1回は説明しましょう。

ここまでは、
自らの限界を低く設定している人材に対する
「ムチ」の部分かもしれません。

「ムチ」があれば、「アメ」が必要です。

その「アメ」を「賃金制度」で規定するのです。

どのように?

それは、手当を設定するのです。
手当
たとえば、「職責遂行手当」などいかがでしょうか。

「賃金制度」の内容を記した「賃金規程」に
「職責遂行手当:『職責規程』に規定している職責を完全に遂行している場合に支給する」
というような内容を規定するのです。

その際の注意点は、
「職責規程」に各ポジションや職種、場合によっては人材ごとに
職責を明確に規定しなくてはなりません。
(人材ごとに規定する場合は、「労働契約書」が良いですね)
そして、その内容は適宜改定していくことも付記しておきます。

自らの職責を全うすることによる手当を賃金制度において設定する。

これを「アメ」と位置付けるには、厳しいとの意見もあるかもしれませんが、
ある意味、当たり前のことに手当をつけるのですから、
正に「アメ」といえるのではないですか。
飴
ただここで、一つ思うことがありませんか?

会社が規定した、人材がやるべきこと(職責)の実施の有無を判断して
手当を支給するということは、
人事評価制度の色合いも濃いのでは?ということです。

「人材がやるべきこと(職責)の実施の有無を判断」は、
正にPDCAの「C:確認・検証」ですから、
私が常々唱えている
「人事評価制度は、人材育成のチェックに過ぎない」ということです。

確かに「人材がやるべきこと(職責)の実施の有無を判断」は、
人事評価制度の一部かもしれませんが、
「職責遂行手当」の支給の可否を判断するために必要なのです。

いかがでしょうか。
「自らの限界を自らが低く設定している人材」に対する処置として。

最後に今回のブログの内容は、
人材採用の際、優良人材を選別するための質問として活用できます。

例えば、面接の質問で
「自己ベストを超えるための努力をしたことはありますか?」
と、質問してみてください。

そして、その回答内容を判断してください。

どんな些細な自己ベスト更新の行動でも良いのです。

面接対象者の些細な自己ベスト更新のエピソード。
そこから話を膨らませて次の展開につながる質問はできませんか?
面接対象者を乗せることはできませんか?
面接対象者のイキイキした話を引き出すことはできないでしょうか?
・・・・・。
チョット話が逸れそうですので、この件はいずれまた。

最後までお読みいただきありがとうございます。

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執筆者 山本昌幸プロフィール:
人事制度(人事評価制度、賃金制度)指導歴28年超の専門家、特定社会保険労務士。「人事制度(人事評価制度・賃金制度)セミナー・勉強会」の講師を160回以上努め、社長・経営層の延べ受講生1600名以上。
自らの約10名の従業員を雇用する組織の経営者。
商業出版書籍
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