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「要求の高い顧客」を「質の悪い顧客」と勘違いしていませんか?
独立・開業して30年超。
私自身、様々な担当者・社長と対応させていただきました。
その中で、「要求が高い担当者」が一定数存在します。
多くは、
「要求が高い担当者=能力が高い担当者=経営者目線の担当者=視座の高い担当者」
ということになります。
これらの担当者のことを
「視座の高い担当者」
(視座=ものごとを認識する立場)
と表記します。
「視座の高い担当者」の殆んどは、社長ということになります。
では、社長のすべてが「視座の高い担当者」なのか?というと
そういうことではありません。
この表現は、誤解を招きますので捕捉しますが、
社長の中でも視座が低い方がいらっしゃるということではなく、
社長であっても常に視座を高くしていることはないということです。
例えば、
私が社長として、
会社のランチミーティングを開催する際の
お弁当を注文する場合、
特に「視座を高くする」必要はないのです。
なぜなら、ランチミーティングの主役は
お弁当でもなく、会食でもないのですから。
しかし、人事評価制度ソフトの開発を依頼する
ソフト開発会社を選ぶ場合の視座は非常に高くなるのです。
そう!
いわゆる「注文の多い料理店」ならぬ、「要求の高い経営者」となるのです。
そして、ソフト開発会社から視て、
私が、人事評価制度ソフト開発を依頼する場合の
「要求の高い経営者」を
・質の悪い顧客
・小うるさい顧客
と、判断してしまうのでナンセンスであり、
問題なのです。
当然、ソフト開発会社として
高い要求に応えることが出来てこそ価値があり
受注をゲットできるのです。
ただ、ソフト開発会社の窓口・対応者の
視座が低く、経営者目線がもてない場合は、
「小うるさい顧客」と判断されるのです。
顧客側(この場合は社長)としても、
「小うるさい顧客」と位置付けられていることは
何となく感じ取れますし、
ソフト開発会社の窓口・対応者に対する対応が
多少粗雑になることもあるでしょう。
「なんで解ってくれない、理解してくれないのか」
「通じないのか」
と。
ソフト開発会社の窓口・対応者として
その社長の対応から
「質の悪い顧客」とレッテルを貼ってしまう可能性があるのです。
これは、お互いにとって非常に不幸なことです。
この事例は、
顧客(見込み客)である社長=富士山の頂上を視ている
ソフト開発会社の窓口・対応者=富士山の麓の神社を視ている
ということになります。
お互い見ている景色が異なるので
お互いの理解が進まず、
乖離が激しくなっていくのです。
その結果、顧客(見込み客)である社長は、
そのソフト開発会社への発注は行いません。
ソフト開発会社の窓口・対応者にとって、
「面倒くさい顧客」「質の悪い顧客」の仕事を受けずに済んで
ホッとするのです。
正しくは、
「要求の高い顧客」との契約を逃したことが事実なのですが。
ソフト開発会社の経営層・社長としては非常に残念です。
では、一般の社員・人材に経営者目線を持たせることが出来れば良いのですが、
なかなか難しいのです。
人事評価制度で、人材に経営者目線を身につけさせることは
可能なのですが、時間がかかります。
人材側からすると
経営者目線を身につけ、そのような行動をしたところで
・自分が忙しくなるだけ
・面倒くさい顧客との対応が増えるだけ
なのでしょう。
でも、本当にそうなのでしょうか?
確かに面倒くさい顧客の対応が増え、忙しくはなるかもせれませんが
自らの「価値」は非常に向上するのです。
確かに、今、現在は、
ラクに過ごせますが、
3年後はどうなのでしょうか?
しごとを日々、普通に処理していて、自然に身につく知識以外は
自分の価値は向上しないのです。
視座は低いままのです。
これでは、ただ出されたモノを喰っているだけといえます。
自ら視座を高く持ち、「要求の高い顧客」と対応していくことにより
1年後、3年後、5年後、10年後は、
「ただ出されたモノを喰っているだけの人材」との
価値の差は大きく開くでしょう。
この文章をお読みのあなたは、
5年前の自分と
現在の自分を比べた場合、
・進化していますか?
・能力向上していますか?
・できる仕事が増えていますか?
・しごとの質は向上していますか?
そして、
・視座が高くなっていますか?
以上の質問について、
自信をもって
「5年前よりも格段に能力が向上しました!」
と、言えるように行動しませんか。
前述の人事評価制度のソフト開発会社の選択の件ですが、
候補として7社ほど選出し
全ての会社と打ち合わせして、
その中の1社であるA社に開発を依頼しました。
なぜ、A社に開発を依頼したと思いますか?
もうお分かりですよね。
最初の打ち合わせの段階からA社に
視座の高い方がいらっしゃったからです。
後から気づいたのですが、
A社からは、3名にご対応いただき、
その1名が経営層だったのです。
その経営層の方は、
人事評価制度については、専門家ではありませんが、
当社の顧客である人事評価制度導入企業の社長の目線を
持って対応いただいたのです。
ですから、人事評価制度ソフト開発において
当社が上手く伝えることのできない
人事評価制度はこうあるべき的なことも
くみ取って、表現していただけたのです。
あなたの会社では、間違っても
「要求の高い顧客」を
「質の悪い顧客」「面倒くさい顧客」と排除しないでください。
最後までお読みいただきありがとうございます。
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執筆者 山本昌幸プロフィール:
人事制度(人事評価制度、賃金制度)指導歴28年超の専門家、特定社会保険労務士。「人事制度(人事評価制度・賃金制度)セミナー・勉強会」の講師を170回以上務め、社長・経営層の延べ受講生1900名以上。
自らの約10名の従業員を雇用する組織の経営者。
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