カンタンすぎる人事評価制度なら、あおいコンサルタント株式会社

ブログ

BLOG

経営者目線を持った人材を人事制度(人事評価制度・職能資格等級制度)で育成できるのか?

経営者目線を持った人材を人事制度(人事評価制度・職能資格等級制度)で育成できるのか

中小企業の成功は、如何に「経営者目線」を持った人材を育成できるかです。

私自身、数えきれない中小企業の社長と会話してきて、
中小企業の社長が望む理想の人材については、
一つの回答があります。

それは、
「経営者目線を持った人材=中小企業にとって理想な人材」
でしょう。
社長目線
この“経営者目線”。

もって生まれたものでもなく、
後天的に身につけることは難しいと思えますが方法はあるのです。

本題に入る前に、
今回、「経営者」の定義は以下とします。

・自らが経営トップであること
・自らが出資していること
・身内以外の人材を雇用していること
経営者
この定義に当たり前に当てはまる方も多いと思いますが、
経営トップ(社長)であっても
自らが出資していない場合(お金を出していない場合)や、
身内以外の人材を雇用していない場合は、
今回の「経営者」には当てはまらず、
以下、記載する私の意見にも賛同しにくいかもしれません。

さて、本題に入りましょう。

中小企業の経営者にとって、
「経営者目線を身につけた人材」は、本当にありがたい。

なぜなら、
顧客の獲得や顧客の維持にしても・・
要するに売り上げの獲得・維持についてどん欲であるからです。
顧客獲得
そして、ムダな経費についても敏感なのです

私自身、大雑把な性格で
起業する前は、
使用していない部屋に電気が灯っていても気にしませんでしたが、
いざ、起業してみて、
事務所で使用していない場所に電気が灯っていると
「ムダ」と思い、即、消灯します。

これは、事務所で使用するあらゆるモノに共通しますね。
コピー用紙、カラーコピー、ガソリンなどなど。

果たして、雇用されている社員・パートの方は
モノクロ原稿の文書10枚をカラー印刷すると
どれほどの費用が発生するのか理解しているのでしょうか?

その差額は、おそらく100円ほどでしょうか。

コレ、身銭を切るとしたら安易にカラーコピーなど使用しないですよね。
ムダ
まぁ、このような話は、
一般の従業員からすると、「セコイ」と思われますし
社長の立場からすると、「同意できる」と言うことになるでしょう。
これこそが「経営者目線」ですね。

このような
「経営者目線=ムダを排除する」
「経営者目線=積極的に売り上げに繋げる」
ということを
人材に人事制度(人事評価制度・職能資格等級制度)で
身につけさせることは可能なのでしょうか?

答えは、YESです。
可能です。

経者目線は、人事制度(人事評価制度・職能資格等級制度)で
人材に身につけさせることはできるのです。

では、なぜ、雇用されている人材は、
ムダを排除できずに
売上に繋げることが出来ないのか?

それは、「自分ごと」ではないからです。
無関心
カラーコピーをムダに使用して経費が嵩んだとしても
自分の財布は痛みませんから。

会社にかかってきた見込み客からの電話を
そっけなく対応し、売上に繋がらなくても
自分は困らないからです。
(自らが得する営業担当者は別)

「自分ごと」ではなく「他人ごと」なのです。

であれば、
雇用されている人材にとって、
・経費の削減
・売り上げの獲得
「自分ごと」にしてしまえばよいのです。
自分ごと
人事評価制度において、
・経費削減につながる活動・行動・プロセス
・経費削減した成果
・売上向上につながる活動・行動・プロセス
・売上や顧客数や注文数が増加した成果
を評価項目にすればよいのです。

ここで、“プロセス”と“成果”の両方
評価項目にすることがミソです。
“成果”だけを評価項目としてしまうと
殺伐とした組織になりますので注意が必要です。

職能資格等級制度においては、
あなたの会社・業種の
・経費削減につながる知識・能力
・売上向上につながる知識・能力
を職務能力として規定すればよいのです。

経費削減や売上向上が実現できれば
人材にとって高評価を獲得でき
評価手当が向上する。

経費削減や売上向上の知識・能力が身につけば
職能資格等級が昇級し、
手当てが増える。
お金、手当
正に「自分ごと」になるのです。

ただ、注意点。

職能資格等級制度は、
各等級の身につけるべき
「知識・能力」は、
誰もが格付けに迷わない明確な表現であること。

人事評価制度は、
「理想的な人事評価制度」である、
「評価項目」の設定根拠が明確であり、
評価にブレが起きない「評価基準」が設定されていること。

「職能資格等級制度」の「職能資格等級表」の
各等級の表現が、
大企業のように抽象的であれば、
雇用される人材にとって、
「所詮他人事」と思われますし、
「人事評価制度」の「人事評価表」の
評価項目や評価基準が具体的でなければ
こちらも、
「しょせん、ひとごと」と思われるでしょう。

正に逆効果です。
他人ごと
本来、
経費削減しても、
顧客が増えても、
自らに関係ない場合でも、
一生懸命、業務に邁進する人材が理想的であり、
心が美しい人材と思えるのですが、
残念ながら、なかなか見当たらないのが現実です。

でも、少数ですが存在はするのです。
まじめ
そのような、心が美しい人材が得をするような人事管理をしたいものです。
中小企業では。
小回りの利く中小企業であれば可能なのではないでしょうか。

バリアフリーな社会で、
社会的弱者や
ある個性を持った人材への配慮は出来つつありますが、
「心の美しい人材」が働きやすい職場も当たり前に実現したいものです。

最後までお読みいただきありがとうございます。

執筆者 山本昌幸プロフィール:
人事制度(人事評価制度、賃金制度)指導歴28年超の専門家、特定社会保険労務士。
商業出版書籍に「人事評価制度が50分で理解でき、1日で完成する本 (忙しい社長のためのビジネス絵本) 」(同友館)、「今日作って明日から使う中小企業のためのカンタンすぎる人事評価制度」(中央経済社)、「従業員のための人事評価・社長のための人材育成」(同友館)、「人手不足脱却のための組織改革」(経営書院)、「『プロセスリストラ』を活用した真の残業削減・生産性向上・人材育成実践の手法」(日本法令)等がある。
「人事制度(人事評価制度・賃金制度)セミナー・勉強会」の講師を160回以上努め、社長・経営層の延べ受講生1600名以上。
自らの約10名の従業員を雇用する組織の経営者。

TOP mail_outlineお問い合わせはこちら