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2024.4.14

人事評価制度

期待して抜擢した人材が人事評価制度の評価結果で期待したほどの結果にならない場合どうするのか?

期待して抜擢した人材が人事評価制度の評価結果で期待したほどの結果にならない場合どうするのか?

その人事評価制度に欠陥がないという前提で私の経験を踏まえて回答します

社長が期待して抜擢した人材が活躍しない・・・・。
期待した重要任務や役職を任せた社長としては辛いことですね。
期待
活躍しないだけならまだマシですが、
不祥事を起こしてしまった場合、
仮に政治の世界では、任命責任を問われる状況です。
(幸い、中小企業では任命責任は問われませんが)

では、なぜ、その抜擢した人材は期待したほどの結果を出せなかったのでしょうか?
成果を出せなかったのでしょうか?
期待外れ
全てのことに理由がありますね。

私自身の社長のパートナーとして30年ほど
サポートさせていただいてきた経験から申し上げると

「その人材の努力が足りなかった」

コレが抜擢した人材が期待していたほどの成果を出せなかった
理由のダントツの1位です。
人事評価制度で高評価を取れなかった
理由のダントツの1位です。
努力
ヒトは、努力すること、がんばること、
実はものすごく大変なのです。

ヒトが
・努力するため
・がんばるため
には、理由や動機づけが必要です。

社長であるあなたが期待していた人材は、
努力する理由やがんばるための理由はありましたか?
根拠
その理由がない限り、
努力しないし、がんばらないので
成果も出せません。

そこで、もう一つ。

なぜ、社長であるあなたは
その人材に期待したのですか?
人事評価制度でも良い評価を獲得できると思ったのですか?

【社長がその人材を抜擢し期待した理由】
1:社長が見どころある人材だと思い抜擢した
2:人材側からの売込があった

この二つのうちどちらかでしょう。
選ぶ
まず、「1:社長が見どころある人材だと思い抜擢した」についてですが、
社長のヒューマンエラーとして、
人材を見誤ったのかもしれません。

また、確かに見どころのある人材だったとして
時期的に早すぎたのかもしれません。

また、本人の意思を無視した抜擢だったのかもしれません。
抜擢された本人は、
抜擢などしてほしくなかったかもしれませんし、
昇進したくないかもしれない。
そして、部下などをマネジメントしたくなかったのかもしれません。

この辺のマネジメントは
抜擢前に本人とよくよく話し合うべきです。
面談 話し合い
社長としてどのようなことをしてほしいのか。
抜擢したい理由は何か。

これは、人事評価制度で、
ナニが出来れば高評価が獲得でき、
なにが出来なければ低評価になってしまうのかを
社内に公表することと同様でしょう。

次に、「2:人材側からの売込があった」について考えてみます。
売込
このように人材本人からの売込は結構ありますね。
特に前向きな人材からは。
「○○しますから課長にしてください」
「○○しますから昇給してください」 と。

社長としては、
みずから前向きに売り込んでくる人材の存在が
嬉しくもあり、
遂、その希望を叶えてしまい、
その人材を課長にしたり
その人材の給料を昇給させたりします。
昇進
でも、チョット待ってください。

その人材は、未だ、ナニも成し遂げていないのですよ。
○○出来ていないのですよ。

PDCAでいえば、P:計画段階にすぎません。
人事評価制度の場合、まだ高評価を獲得していません。

その計画段階で
対価である「役職」や「昇給」を与えてはダメなのです。

アスリートに例えると
次のオリンピックで1位になりますから
今、金メダルを授与してください  ということですね。

ヒトは、先に獲得してしまうと
努力も疎かになりますし、
がんばらなくなります。
怠け
その結果、
「ダマされる社長」が出現することになります。

社内の期待した人材から騙される社長となるのです。

社長からすると騙されようと思ったわけでもないですし、
人材からしても、決して、社長を騙そうとしたわけではないのです。

ただ、人材として
先に対価を獲得してしまった結果、
努力できずに頑張りが足りなくなってしまったのです。

更に問題が発生する場合があります。

モラルの高い人材がこのような事態になった場合、
「社長の期待に応えられなかったので会社に居づらくなる」
ことになり、
退職する可能性があります。
退職
人事評価制度においても、
社長や上司の期待に応えられるような
評価結果を獲得できないことを理由に
退職を検討してしまう人材も存在するのです。

逆に
・社長の期待に応えられなくても
・人事評価制度で高評価が獲得できなくても
・努力や頑張りが足りなくても
そんなことお構いなしに
平然とそのままの業務姿勢で居座る人材も存在します。
居座る
そうなると、組織風土として
マイナスの方向に向かってしまうので
注意すべきです。

以上、まとめますと、
人材に対するインセンティブである
・昇進(役職を上げること)
・昇給(給与を上げること)
・昇級(資格等級を上げること)
については、
見込みで実施するのではなく
実績を出した人材に対して実施してください。
実績
決して、PDCAの
P:PLAN:計画 段階で
インセンティブを付与しないでください。

当ブログのテーマは、
「期待して抜擢した人材が人事評価制度の評価結果で期待したほどの結果にならない場合どうするのか?」
ですが、
今回の内容としては、
「そもそもそのような状況にならないための方法」
説明しました。

期待したほどの成果を出せない人材への対処方法については、
別の機会でじっくり解説いたします。

最後までお読みいただきありがとうございます。

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執筆者 山本昌幸プロフィール:
人事制度(人事評価制度、賃金制度)指導歴28年超の専門家、特定社会保険労務士。
商業出版書籍に「人事評価制度が50分で理解でき、1日で完成する本 (忙しい社長のためのビジネス絵本) 」(同友館)、「今日作って明日から使う中小企業のためのカンタンすぎる人事評価制度」(中央経済社)、「従業員のための人事評価・社長のための人材育成」(同友館)、「人手不足脱却のための組織改革」(経営書院)、「『プロセスリストラ』を活用した真の残業削減・生産性向上・人材育成実践の手法」(日本法令)等がある。
「人事制度(人事評価制度・賃金制度)セミナー・勉強会」の講師を160回以上努め、社長・経営層の延べ受講生1600名以上。
自らの約10名の従業員を雇用する組織の経営者。

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