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2024.1.28

人事評価制度

まだ「評価者訓練」なんて実施しているのですか?

まだ「評価者訓練」なんて実施しているのですか?

評価者訓練が必要な人事評価制度ってどうなんでしょうか。
評価者訓練が不要な人事評価制度が理想的な人事評価制度なのです。

前回のブログで、「一番ムダな教育訓練は、人事評価制度の評価者訓練です」と、30年近く人事制度・人事評価制度に携わってきた専門家として、つい、本音を書いてしまいましたが、その根拠を示していきましょう。

あなたは、価格も性能、スタイリングもほぼ同一の次の2車種のうちどちらを購入しますか?
・A車:納車されてすぐにドライブに行くことが出来る
・B車:納車後、二日間に及ぶ操作についてのレクチャー受け納車三日後に初めてドライブに行くことが出来る

もう一つ。
・Aフォン:購入後スグに感覚的に操作できるスマートフォン
・Bフォン:購入後A4版の200ページに及ぶマニュアルを読んだ後に使用できるスマートフォン

当然、自動車であればA車、スマホであればAフォンですよね。

人事評価制度も同じではないでしょうか。

えっ?「そもそも『評価者訓練』が不要な人事評価制度など存在しないのでは?」

いや、いや。理想的な人事評価制度は、仕組みが非常にシンプルであり、「評価項目」も「評価基準」も明確なため、「評価者訓練」は不要なのです。「評価者訓練」はムダなのです。

そもそも、運用するために「評価者訓練」を実施しなくてはならない「人事評価制度」は、どうなのでしょうか?私は、
「評価者訓練実施が必要な人事評価制度=問題のある人事評価制度」
だと思うのです。

前述の例では、自動車とスマートフォンを事例として出しましたが、これらは毎日使用するものですよね(自動車は毎日乗らないかもしれませんが)。要は、日常使いのツールですね。
百歩譲って、日常使いのツールであれば、使用前の取説熟読やレクチャーを受けるのはアリかもしれませんが、人事評価制度はどうでしょうか?

人事評価制度の理想的な活用方法・運用方法は、日々の運用ですが、スマホや自動車のように常に使用しているという意識はないと思いますし、実態としては、日々使用しているという意識は持っていないと思います。
確かに人事評価制度の運用は毎日ですが、日々使用しているという意識をあまり持てないツールなのです。
では、人事評価制度をいつ使うのかというと、あまり良くない事例として年1回。進捗管理をしている会社であっても、三か月に一度や毎月1回でしょう。
表現は良くないかもしれませんが、
「人事評価制度は日常使いを意識しないツール」
という位置づけです。

であれば、なおさらのことシンプルで使いやすい人事評価制度であるべきなのです。

たまにしか使用を意識しないツールであるため、その都度レクチャーという名の評価者訓練を実施することは非常にムダといえるでしょう。

多くの人事評価制度導入済み企業は、毎年、評価者訓練を実施していませんか?人事評価制度の説明会を実施していませんか?毎年実施しないと忘れてしまいますし、複雑ですから評価者訓練や人事評価制度説明会の開催が毎年必要なのです。
この評価者訓練や人事評価制度説明会を毎年実施しなくてはならない人事評価制度自体に問題があるのです

もうそろそろ止めにしませんか?評価者訓練も人事評価制度説明会も。

再度記載します。

理想的な人事評価制度は、評価者訓練は不要です。いらないのです。
人事評価制度説明会は、一番最初に(初年度に)30分も説明すれば十分なのです。
中途入社の方には、既存社員のどなたかが(総務部長でなくてもだれでもOK)、「当社の人事評価制度はこれですよ」と30分くらい説明してあげればよいのです。

更に説明しますと、一般的な人事評価制度では、いくら評価者訓練を多くの時間をかけて実施したとしても
・評価のエラー
・評価結果のブレ
はなくならないでしょう。

その結果、被評価者(人材・従業員)に評価結果のフィードバックはできませんし、フィードバックが出来たとしても、その根拠を示すことが出来ないのです。「あなたは5段階の下から2番目のC評価でしたよ。なぜなら・・・・」の“なぜなら”が説明できないのです。コレ最悪ですね。評価者する側にとっても、評価される側にとっても。

評価結果の根拠が説明できない。
これは、評価者訓練の実施では解決できません。
人事評価制度自体を見直さなくてはなりません。

理想的な人事評価制度とは、
・仕組みが非常にシンプルである
・評価者訓練が不要である
・「評価項目」の根拠が明確である
・「評価基準」が明確である
そして、なによりも
策定期間がごく短期であることです。
実際、部署数が3部署くらいの小規模企業であれば、
まさに
「今日作って、明日から使える人事評価制度」であるべきなのです。

あなたの会社も評価者訓練が必要な人事評価制度に見切りをつけ、
理想的な人事評価制度を導入すべきです。
そして、ムダな評価者訓練を即刻、取りやめましょう。
その時間を有意義に活用しましょう。

最後までお読みいただきありがとうございます。

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執筆者 山本昌幸プロフィール:
人事制度(人事評価制度、賃金制度)指導歴28年超の専門家、特定社会保険労務士。
商業出版書籍に「人事評価制度が50分で理解でき、1日で完成する本 (忙しい社長のためのビジネス絵本) 」(同友館)、「今日作って明日から使う中小企業のためのカンタンすぎる人事評価制度」(中央経済社)、「従業員のための人事評価・社長のための人材育成」(同友館)、「人手不足脱却のための組織改革」(経営書院)、「『プロセスリストラ』を活用した真の残業削減・生産性向上・人材育成実践の手法」(日本法令)等がある。
「人事制度(人事評価制度・賃金制度)セミナー・勉強会」の講師を160回以上努め、社長・経営層の延べ受講生1600名以上。
自らの約10名の従業員を雇用する組織の経営者。

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