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ご参加いただきました皆様、本当にありがとうございました。
今回のセミナーは、
株式会社建通新聞社 四国支社として
初めてのCPDSセミナーという新たな試みでした。
オンライン開催ということもあり、
参加者がどれほど集まるか不安もありましたが、
実際には約60名もの皆様が画面越しに熱心に視聴してくださり、
その関心の高さを肌で感じることができました。
普段のセミナーでは経営層の方々の参加が多いのですが、
今回はCPDSセミナーということで、
技術者や管理職の方々を含め、
より現場に近い立場の方々にも多くご参加いただきました。
そのため、セミナー内容も「人手不足解消」という大きなテーマの中で、
特に日々の業務にすぐに取り込める
具体的な対策に焦点を当てて講演しました。
評価制度は「人材の格付け」ではなく「成長の道しるべ」
今回のセミナーでは、
建設業に特化した
実践的な人事評価制度について詳しくお話しました。
評価制度ということで、
多くの企業が
「評価のためのもの」
「人材の格付けに使うもの」
と捉えがちですが、
本来は「従業員の成長を促進し、組織全体の生産性を向上させる仕組み」
として機能としてすべきものです。
また、人材が定着しない背景には、
「頑張っても評価されない」
「昇給や昇格の基準が不透明」
という問題もあります。
建設業では、成果が数字で見えにくいことも多いため、
どうしても評価が感覚的になってしまうケースも多くあります。
しかし、評価制度は
「人材の格付け」ではなく
「成長の道しるべ」として位置付ければ、
人事評価のあり方も自ずと明らかになってきます。
例えば、施工管理の評価を行う場合、
「仕事ができるかどうか」ではなく、
「現場の安全管理がどのように どの程度 行われ、その結果がどうであったか」
「工事評定点85点を獲得するために、
どのような現場管理を行い 最終的に何点を付与されたのか」
のような具体的な着眼点を指標として用いることで、
評価基準が明確になります。
評価を受ける側にとっても、
「何をすれば評価されるのか」が明確であれば、
次の目標を持って仕事に取り組むことができます。
「やろう」「できる」という成長の道しるべになる評価制度が、
組織全体の活性化に繋がるということをお話ししました。
「給与を上げれば採用できる」は本当か?
従業員が辞める理由として、
「給与が低いから」というのは確かにあります。
では、給料を上げればいいのか、
というと、それほど単純な話ではなく、
例えば、新規採用者の初任給を高く設定することにも
落とし穴があります。
後半では、一見、効果的に見えて
実は危険が潜んでいる給与の設定に触れました。
給与が「毎年一律で〇円昇給する」
という賃金制度は一見魅力的ですが
「頑張っても頑張らなくても同じだけ上がる」
という状況では、
実は従業員のモチベーションは低下します。
従業員の成果がしっかりと反映される仕組みを作れば、
努力が報われる環境が整い、
例え「毎年一律〇円」より抑えられた額であったとしても、
従業員の納得感は高くなります。
仕組みを変えれば人は定着する
今回のセミナーでは、
人手不足は避けられない問題ではなく、
適切な制度設計と運用によって解決できることを伝えました。
人材を確保するためには、
「人を採ること」に目を向けるだけでなく、
「働いた人が成長し、長く働き続けられる環境を作ること」が何より重要です。
そのために、
納得感のある人事評価制度や
バランスの取れた賃金制度
といった仕組みを整えることが、
人材確保への鍵となります。
本日のセミナーが、
皆様の会社での人材戦略を考えるきっかけになれば幸いです。
オンラインセミナーという形式ではありましたが、
参加者の皆さまが熱心に頷く姿を見て、
このテーマに対する関心の高さを強く感じました。
私自身も大変貴重な経験をさせていただきました。
改めまして、
貴重なお時間を割いてご参加いただきました皆様、
そしてこの機会をいただきました
株式会社建通新聞社 四国支社の皆様に心より感謝申し上げます。
今後とも、建設業の発展に貢献できるよう頑張ってまいりますので、
引き続きよろしくお願いいたします。
執筆者 雨谷文代