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中小企業の社長目線で策定する人事評価制度・賃金制度

中小企業の社長目線で策定する人事評価制度・賃金制度

中小企業が人事評価制度や賃金制度を策定(改定)する場合、一番必要な目線は「経営者目線」です。

私自身、過去29年間、
数えきれないくらいの人事制度(人事評価制度・賃金制度・職能資格等級制度)を
策定してきましたが、
その中で、一番考慮すべきことは
「経営者目線」
だと思います。
社長目線
過去に「経営者目線」を考慮せずに
人事評価制度・賃金制度・職能資格等級制度を策定していた時期がありますが
今考えるととんでもないことをしていたと反省しています。

以前の人事評価制度や賃金制度や職能資格等級制度の策定方法として
企業で4名から10名ほどのプロジェクトチームを編成して
そのチームで人事制度(人事評価制度・賃金制度・職能資格等級制度)を
策定していました。
プロジェクトチーム
そのプロジェクトチームには
社長は含まれず、
社長が参加する場合は、
あくまでオブザーバーとして参加で
積極的な発言は控えていただいていました。

この人事制度(人事評価制度・賃金制度・職能資格等級制度)の
策定方法は、根拠があり、
会社側・社長側・上司側が勝手に策定した
人事制度ではなく、
あくまで従業員側が皆で協力して策定したという
シチュエーションが必要だったからです。
協力
では、なぜ、
従業員側が皆で策定したというシチュエーション”が
必要なのでしょうか?

これにも根拠があります。

巷にあふれている一般的な人事評価制度は、
とにかく、複雑
・運用しずらい
・運用が面倒くさい
のです。

更には、
「評価基準」「評価項目」
抽象的で
評価する側も
評価される側も
納得感のない仕組みとなっています。
不満、納得できない
また、一般的な職能資格等級制度は、
各等級に規定される
身につけるべき能力の表現が
抽象的であり、格付けしにくいものです。
抽象的、あいまい
賃金制度に至っては、
一応、“制度”という文言は含まれていますが、
とても“制度”=“仕組み”と呼べる代物ではなく
単に、「就業規則」に規定される賃金の決定方法に過ぎないシロモノを
賃金制度と呼んでいる始末。
就業規則
人事制度の各仕組みである
・人事評価制度
・職能資格等級制度
・賃金制度
は、前述のように
一般的に社会に出回っているモノは
私から視ると「欠陥」と思えてしまうのです。

特に「人事評価制度」と「職能資格等級制度」は。
非常に問題であると感じました。

以上のように
欠陥といえる
人事制度(人事評価制度・職能資格等級制度・賃金制度)を
何とか運用して行くためには、
従業員にとって
「私達が皆で協力して一緒に作ったんだからちゃんと運用しようね!」
というシチュエーションを作る必要があったです。
協力
でも、ちょっと待ってください。

そもそも、前述のような
欠陥のある
人事制度(人事評価制度・職能資格等級制度・賃金制度)でなく、
・誰が評価しても評価にブレが生じない人事評価制度
・身につけるべき能力が明確な職能資格等級制度
・一定の条件の下、支給額が想定でき、賃金額を決定できる賃金制度
であれば、
組織内で当たり前のように運用できますよね。
当たり前
では、このような人事制度(人事評価制度・職能資格等級制度・賃金制度)は、
存在するのでしょうか。

もちろん存在します。
あるのです。

ただ、このような理想的な人事制度(人事評価制度・職能資格等級制度・賃金制度)を
中小企業で策定するためには、
社長自らが策定に関わらなくてはならないのです。

決して、従業員で構成するプロジェクトチームだけで
策定させてはダメなのです。
建設業 社長
なぜ、従業員で構成するプロジェクトチームだけで
人事制度(人事評価制度・職能資格等級制度)を
策定することは良くないのか。

それは、
人事制度に
「経営者目線」が入らないからです。

では、人事制度(人事評価制度・職能資格等級制度)に
経営者目線を入れない場合 と 入れる場合 では、
どのように異なるのでしょうか?

★人事評価制度の場合
・経営者目線を入れる:厳しい「評価項目」「評価基準」が設定できる
・経営者目線を入れない:甘い「評価項目」「評価基準」になってしまう

★職能資格等級制度の場合
・経営者目線を入れる:厳しい「身につけるべき能力」が設定できる
・経営者目線を入れない:甘い「身につけるべき能力」になってしまう

人事評価制度にしても、職能資格等級制度にしても
甘い” 内容の方が従業員にとって良いのではないですか? と
思われる方がいらっしゃるかもしれませんが、
それが大問題なのです。
甘やかす
人事評価制度の甘い「評価項目」「評価基準」や
職能資格等級制度の甘い「身につけるべき能力」は
人材(従業員)のためにはならないので。

たいした努力をしなくても
良い人事評価結果となり
高い職能資格等級に位置づけられるのです。

これでは、人材(従業員)が育成されませんし
能力が伸びないのです。
そして、
会社も良くなりませんし、
一向にに儲からないのです。
困難
そして、結果的に
「人事評価制度や職能資格等級制度を運用してみ意味がない」
という判断になります。

しかし、経営者目線
職能資格等級制度の「身につけるべき能力」を設定し、
人材(従業員)に能力を身につけさせ、
人事評価制度の「評価項目」「評価基準」を策定し、
人材(従業員)が能力を発揮することにより
「評価項目」と「評価基準」をクリアできれば
材(従業員)自身の能力・力量が向上し、本人の価値が上がるのです。
建設業中途採用者のステージ
そして、なんと言っても、会社が良くなる。
要するに儲かるのです。

中小企業が
会社にとっても
人材(従業員)にとっても
良い果実を手に入れたいのであれば、
社長自らが中心となり
人事評価制度と賃金制度の策定をしなくてはならないのです。

でも、ここで問題が。

一般的な人事評価制度、職能資格等級制度を策定する場合
半年から一年以上策定期間が必要です。

忙しい中小企業の社長には、
その時間はありません。
忙しい社長
そのようなとき、
理想的な人事評価制度・職能資格等級制度であれば、
「人事評価表」と「職能価格等級表」を
各5種類作成する場合でも
4日もあれば十分に策定できるのです。
カンタンすぎる人事評価制度
「理想的な人事制度」について
勉強したい方はこちらをご覧ください

補足:
賃金制度の策定については、
従業員が入り込む余地はなく、
社長と専門家で策定すればよいでしょう。
その際、当然に必要になるのは、「経営者目線」です。

最後までお読みいただきありがとうございます。

執筆者 山本昌幸プロフィール:
人事制度(人事評価制度、賃金制度)指導歴28年超の専門家、特定社会保険労務士。
商業出版書籍に「人事評価制度が50分で理解でき、1日で完成する本 (忙しい社長のためのビジネス絵本) 」(同友館)、「今日作って明日から使う中小企業のためのカンタンすぎる人事評価制度」(中央経済社)、「従業員のための人事評価・社長のための人材育成」(同友館)、「人手不足脱却のための組織改革」(経営書院)、「『プロセスリストラ』を活用した真の残業削減・生産性向上・人材育成実践の手法」(日本法令)等がある。
「人事制度(人事評価制度・賃金制度)セミナー・勉強会」の講師を160回以上努め、社長・経営層の延べ受講生1600名以上。
自らの約10名の従業員を雇用する組織の経営者。

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