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中小企業は、あなたの会社のためだけに策定された、「世界に一つだけの人事評価制度」を導入しなくて原ならないのです。
決して、他社と比べて同じような人事評価制度は導入すべきではありません。
今回も前回同様、私が毎回「人事評価制度セミナー・勉強会」でお話ししている重要なことを記載します。
このブログをお読みのあなたは、“中小企業は、「世界に一つだけの人事評価制度」を導入しましょう”と言われて、なんとなく違和感を覚えられるかもしれません。
私が講師を務める「人事評価制度セミナー・勉強会」でこの話をしても、受講生の方々の反応は、
「そんなこと当たり前でしょう」
という反応。
それが、実は違うのです。
実は、多くの人事制度・人事評価制度が、予めパッケージ化されているのです。
そして、その予めパッケージ化されたというか標準化された人事制度・人事評価制度について、その企業特有の内容を入れ込み、
コンサル側からすると:「あなたの会社の人事制度・人事評価制度です」となり、
会社側からすると:「当社独自の人事制度・人事評価制度だ」となるのです。
ここで大きな問題は、人事制度・人事評価制度の “標準化” です。
このことは、「人事評価制度セミナー・勉強会」でもお伝えしていないことで、今回、初めてお伝え済ます。
そもそも、標準化とは、
・標準に合わせるとこ
・規格や形状を統一すること
・同様の仕組みをつくること
などでしょうか。
私自身、ISO9001・ISO14001・ISO22000・ISO45001の主任審査員として、25年に渡り計1600回以上、中小企業から大企業に審査をしてきたので、或る意味「標準化」について、専門家と言えるのでしょう。
注:ISOとは、「International Organization for Standardization(国際標準化機構)」のことです。
この“標準化”は、製造業やサービス業においては、非常に重要であり、
・ある一定以上の品質の製品が完成する
・同一ブランドのファーストフード店で同様メニュー・同様サービスが受けられる
など、大きな利点があります。
そして、これらの“一定以上の品質の製品が完成する”や“同様メニュー・同様サービスが受けられる”ためには、それに至る、プロセスを標準化し、管理する必要があるのです。
でも、ちょっと考えてみてください。
人事制度・人事評価制度において、これらの“標準化”は必要なのでしょうか?
「人事評価制度セミナー・勉強会」でも毎回お伝えしている通り、人材の順位付けを目的とした大企業の人事制度・人事評価制度であれば、或る程度、標準化された仕組みでも問題ないのでしょうが、人材育成を目的とした零細・中小企業の人事制度・人事評価制度においては、その企業特有の状況、導入済みの仕組み、「就業規則」の内容等を十分に勘案して、その企業特有の人事制度・人事評価制度を策定すべきなのです。
中小企業は、間違っても
・パッケージ化された人事制度・人事評価制度は使わない
・標準化された人事制度・人事評価制度は使わない
ことが大切なのです。
でも、この話を「人事評価制度セミナー・勉強会」に参加の受講生に説明しますと、既に人事制度・人事評価制度導入済み企業の社長・経営層の方から(当「人事評価制度セミナー・勉強会」の参加者の90%以上が、社長・経営層)、
「ウチの人事評価制度は、当社のためだけに策定されたモノです」
と、少々不機嫌になられる場合もありますが、その後の「人事評価制度セミナー・勉強会」の講義内容で、他社事例の「人事評価表」や、私が10年くらいまで策定していた、決して褒められない「人事評価表」の見本を提示しますと、先ほど、反論されてきた方が“青い顔”になってしまいます。
「当社のと同じような評価表だ」と。
実際、私が講師を務める「人事評価制度セミナー・勉強会」の受講生は、90%以上が社長・経営層なのですが、実は、約40%が
人事制度・人事評価制度導入済み企業
なのです。
人事制度・人事評価制度導入済み企業の参加がこれほど多いとは、2018年9月に第1回目を開催し、現在、160回ほど開催している身としては、予想がつきませんでした。
まるで、
既存の人事制度・人事評価制度に不満を持っている企業の社長の駆け込み寺
という状況とも言えます。
中小企業は、パッケージ化や標準化された人事制度・人事評価制度を導入しないことが非常に重要であることは、前述の通りですが、では、どのようにして、
世界に一つだけの自社の人事制度・人事評価制度を策定するのか?
ということです。
その為の一番簡単な方法としては、私が講師を務める「理想的な人事評価制度セミナー・勉強会」にご出席いただくことが良いのですが、それ以外の方法としては、社長自身が次のことを明確にしていき、「評価項目」「評価基準」を設定していくのです。
①自社の存在価値は?
②3年後の自社のあるべき姿は?
③会社にとって理想的な人材は?
④理想的な業務姿勢は?
⑤会社が解決すべき課題は?
この先の策定方法は、今回は省きますが、
・「評価項目」は、必ず、根拠を持たせること
・「評価基準」は、測ることが出来る数値や文言を設定すること
です。
何となくの「評価項目」や、評価者により評価結果のばらつきが出てしまうような「評価基準」では、評価される側の人材からみるとたまったものではありませんね。
今回は、私が講師を務める「理想的な人事評価制度セミナー・勉強会」でいつも説明している内容と、通常説明しない内容に触れました(今後は、触れるようにします)。
次回は、
・多面評価、360度評価は不要
について、根拠をもって説明します。
最後までお読みいただきありがとうございます。
理想的な人事評価制度についてはコチラ
160回以上開催されている「理想的な人事評価制度3時間勉強会」についてはコチラ
執筆者 山本昌幸プロフィール:
人事制度(人事評価制度、賃金制度)指導歴28年超の専門家、特定社会保険労務士。
商業出版書籍に「人事評価制度が50分で理解でき、1日で完成する本 (忙しい社長のためのビジネス絵本) 」(同友館)、「今日作って明日から使う中小企業のためのカンタンすぎる人事評価制度」(中央経済社)、「従業員のための人事評価・社長のための人材育成」(同友館)、「人手不足脱却のための組織改革」(経営書院)、「『プロセスリストラ』を活用した真の残業削減・生産性向上・人材育成実践の手法」(日本法令)等がある。
「人事制度(人事評価制度・賃金制度)セミナー・勉強会」の講師を160回以上努め、社長・経営層の延べ受講生1600名以上。
自らの約10名の従業員を雇用する組織の経営者。