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2024.1.11

人事評価制度

「働きやすい職場」とは「サボりやすい職場」なのか?人事評価制度で「働きやすい職場」を実現

「働きやすい職場」とは「サボりやすい職場」なのか?人事評価制度で「働きやすい職場」を実現

確かに従業員は、「働きやすい職場」の意味を都合よく理解しているのかもしれません。

私自身、10名ほどの小さな組織を経営するオーナー社長ですが、人材の人件費を負担している者として非常にムダに感じるのは、
「従業員の生産に寄与しない行動」
です。

“従業員の生産に寄与しない行動”とは、勤務時間中に行う主に次の行動です。
・私語
・喫煙
・ムダに長いトイレ   など

特に私語は最悪ではないでしょうか。
なぜなら、喫煙やムダに長いトイレは、原則、一人の行動ですが私語については、他の従業員を巻き込むことになります。
さらに私語の内容が
・芸能界について
の場合、特に無駄に感じてしまいます。

さらに同僚、部下及び上司の悪口に至っては、論外です。

仮に社長の悪口の場合、なんで、わざわざ人件費を負担してまで自分の悪口を言われるのか!
「いやぁ、私の悪口を他の従業員を巻き込み言ってくれてありがとう。ハイ120円あげるね」
なんて、オーナー社長として言えないですよね。

120円の根拠ですが、総支給25万円の従業員の秒給(1秒当たりの給与)は、約0.4円ですから、私語として社長の悪口を5分喋った場合、300秒になりますから、「0.4円×300秒=120円」になります。
しかも、私語は複数で構成しますので、×人数分の人件費になります。
因みに、この無駄話を1日4回(5分×4回=20分)行った場合、10年で優に100万円超えるのです。
となると、
「いやぁ、私の悪口を他の従業員を巻き込み言ってくれてありがとう。ハイ百万円あげるね」となります。
まったく・・・・ですね。

まぁ、オーナー社長の愚痴?はこれくらいにして、本題に入りましょう。

中間層以下の従業員にとっての「働きやすい職場」の定義はどのようなものだと思いますが?

これは、様々な考え方があり、一概に「コレ!」とは定義づけできませんが、私は、
・人材ごとの事情を考慮した働き方に対応できる職場
だと思います。

決して、「働きやすい職場=サボりやすい職場」ではないのです。

人事評価制度で評価項目や評価基準を策定する場合、私語の抑制などを設定することがあり、その結果、従業員から「働きにくい殺伐とした会社になった」などという意見が出てくることがありますが、そのような意見を出す人材こそが、「働きやすい職場=サボりやすい職場」と捉えているのかもしれません。

このような人材に対しては、人事評価制度で律する以前の問題として、「就業規則」をよく理解して頂きたいと感じます。

サボり癖がついている、ルールを守らない、指示に従わない、勝手な解釈をするなどの人材は、「人事評価制度を導入する」と訊いただけで、疑心暗鬼になり、自分が罰せられるような気になり、人事評価制度の導入に反対するものです。それも、もっともらしい意見を付けて。

では、人事評価制度で「働きやすい職場」は実現できるのか。

その前に私が考える中間層以下の人材にとっての働きやすい職場とは、「人材ごとの事情を考慮した働き方に対応できる職場」であることは前述の通りです。

この「人材ごとの事情を考慮した働き方に対応できる職場」についてもう少し具体的に説明します。
(具体的にすることで人事評価制度のネタとして活用できますから)

人材は、それぞれ異なる事情を抱えながら働いているのです。
例えば、
・午後6時に保育園に子供を迎えに行くために残業ができない
・月に1,2回は役所の手続きのため平日に休みが欲しい
・父親の介護により夜中に睡眠不足となり昼間に眠くなる
・夜間大学に通学しており18時以降は勤務できない  など。

このような事情に対して便宜を図ることができる企業が「働きやすい職場」ではないでしょうか。

そして、人材にとって、自分が勤める会社へのエンゲージメントが高まる要素でもあるのです。

この辺のことは、人事制度・人事評価制度セミナーにおいてよく触れていますが、あまりピンと来ていない社長である出席者の方が若干存在します。
せっかく、人事制度・人事評価制度に社長自らが興味を持たれ、「人事制度・人事評価制度セミナー」にご出席されているのですが、残念です。

・午後6時に保育園に迎えに行く必要がある従業員さんに残業をさせない
・平日の役所の手続きのために月に1,2回平日に休暇を与える
・昼間に睡魔が襲う従業員に対して就業時間中に20分ほどの昼寝時間を与える(その時間は無給)
・夜間大学に通う従業員には18時までの勤務とする
などを実施できませんか?

大企業の場合、このようないわゆる特別扱いは難しいのかもしれませんが、融通や小回りの利く中小企業だからこそ実現できるのではないでしょうか。

これらを実現することが「働きやすい職場」である要素の一つだと思うのです。

くどいようですが、「働きやすい職場=サボりやすい職場=私語を注意されない職場」ではないのです。

また、前述の従業員さんの事情は、遊びや趣味のためではなく、やむにやまれぬ事情だと思いますが、遊びや趣味を優先させるための事情であっても有給休暇を取得しやすくするなど、人材に対する計らいがあっても良いと思うのです。甘いでしょうか?

人事制度や人事評価制度は、人材をガチガチに縛る仕組みではなく、人材の能力を向上させ(育成し)、働きやすい職場の中で、その能力をいかんなく発揮してもらうための仕組みでもあるのです。
このことは、今後も人事制度・人事評価制度セミナーでお伝えしていきたく思います。

最後までお読みいただきありがとうございます。

執筆者 山本昌幸プロフィール:
人事制度(人事評価制度、賃金制度)指導歴28年超の専門家、特定社会保険労務士。
商業出版書籍に「人事評価制度が50分で理解でき、1日で完成する本 (忙しい社長のためのビジネス絵本) 」(同友館)、「今日作って明日から使う中小企業のためのカンタンすぎる人事評価制度」(中央経済社)、「従業員のための人事評価・社長のための人材育成」(同友館)、「人手不足脱却のための組織改革」(経営書院)、「『プロセスリストラ』を活用した真の残業削減・生産性向上・人材育成実践の手法」(日本法令)等がある。
「人事制度(人事評価制度・賃金制度)セミナー・勉強会」の講師を160回以上努め、社長・経営層の延べ受講生1600名以上。
自らの約10名の従業員を雇用する組織の経営者。

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