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回答:人事制度(人事評価制度、賃金制度、職能資格等級制度)は比較検討するものではありません。
そもそも、人事制度(人事評価制度、賃金制度、職能資格等級制度)とは、その会社独自の仕組みを策定しなくてはなりません。
だとすると、その人事制度(人事評価制度、賃金制度、職能資格等級制度)は、世界に一つの人事制度(人事評価制度、賃金制度、職能資格等級制度)ではなくてはならないからです。
しかしながら、各社・各組織で導入されている人事制度(人事評価制度、賃金制度、職能資格等級制度)は、どれも似たり寄ったりです。
しかも・・・、これは業界のタブーを打ち破ることになってしまうかもしれませんが、ほとんどの人事制度(人事評価制度、賃金制度、職能資格等級制度)は、予め完成系がほぼ確定しているのです。
ですから、コンサルタントが指導に入ったとしても各社・各組織で似たり寄ったりの仕組みになってしまうのです。
だからこそ、比較検討という作業が必要となります。
対して、あなたの会社・組織が、自社にマッチした世界に一つだけの人事制度(人事評価制度、賃金制度、職能資格等級制度)を策定・導入するのであれば、人事制度(人事評価制度、賃金制度、職能資格等級制度)を比較検討する必要はないのです。
というか無意味でしょう。
考えてもみてください。
あなたが内装業(建設業)を経営しており、現場用の自動車を購入する場合に、ハイエースとプリウスとフェラーリを比較検討しますか?当然、内装業(建設業)の現場用の自動車であればハイエース一択であり、プリウスとフェラーリを比較検討する必要はないのです。
この話をすると、「当たり前じゃないですか!私は、ハイエースとキャラバンを比較検討したいのです」と仰る方がいらっしゃいます。
確かにその通りです。
全面的に正しいです。
しかし、人事制度(人事評価制度、賃金制度、職能資格等級制度)の比較については、ハイエースとプリウスを比較検討しているのです。そもそも、人事制度(人事評価制度、賃金制度、職能資格等級制度)の導入目的も自社の状況も異なるのでムダな比較検討が行われていることをお伝えしたいのです。
あなたの会社・組織では、あなたの会社・組織だけに策定された世界に一つだけ人事制度(人事評価制度、賃金制度、職能資格等級制度)を導入する必要があるのです。
なぜなら、
人事制度(人事評価制度、賃金制度、職能資格等級制度)は、「目的を達成するための仕組み」「課題を解決するための仕組み」「人材を育成するためのしくみ」
なのですから。
あなたの会社・組織では
・どのような目的を達成したいのですか?
・解決すべき課題は何ですか?
・どのような人材を育成したいのですか?
これらの質問に対する回答を実現するための人事制度(人事評価制度、賃金制度、職能資格等級制度)を策定しなくてはなりません。
そして、あなたの会社・組織は
・業種は? 建設業?運送業?自動車販売業?製造業?飲食店?士業?・・・。
・従業員数は何名ですか?
・社長の想いは?
・従業員さんの中で多い業務歴・入社歴は? 2年目?5年目?10年目?20年目?
・職種は? 事務職?営業職?現業職?技能職?技術職?設計職?・・・・
これらの状況により完成させるべき人事制度(人事評価制度、賃金制度、職能資格等級制度)は異なるのです。
比較とは、「同じようなもの(若しくは同じに見えるもの)について、優れている点、劣っている点を明確にすること」なのです。
であれば、あなたの会社・組織で「目的達成」や「このような人材を育成したい」ために導入する人事制度(人事評価制度、賃金制度、職能資格等級制度)については、世界にたった一つのあなたの会社・組織のためだけの仕組みですから、比較・検討は不要だと思いませんか。
以上、人事制度(人事評価制度、賃金制度、職能資格等級制度)の比較検討はあまり意味がないことを説明しましたが、
人事制度(人事評価制度、賃金制度、職能資格等級制度)の指導を依頼するコンサルタントの力量
については、比較検討が必要でしょう。
人事制度(人事評価制度、賃金制度、職能資格等級制度)コンサルタントは、様々なバックグラウンドがあり、一概に「良い」「悪い」の比較は難しいのかもしれませんが、以下の項目だけは、世界に一つだけの自社にマッチした・自社の目的を達成する人事制度(人事評価制度、賃金制度、職能資格等級制度)を導入するために確認しておく必要があるでしょう。
【人事制度(人事評価制度、賃金制度、職能資格等級制度)コンサルの力量について】
確認項目1:様々な人事評価制度を理解しているか?
確認項目2:具体的な職能資格等級制度の指導・策定実績があるか?
確認項目3:様々な賃金制度を理解しているか?
確認項目4:自社の業種についての理解度は深いか?(自社が土木建設業の場合、「出来形」の意味を知らないコンサルに指導を依頼できない)
確認項目5:経営について理解しているか?(経営者目線があるのか?)
確認項目6:人材育成についての自らのメソッドがあるのか?
などなど。
挙げだしたらキリがないのですが、今回はこれくらいにしておきましょう。
各「確認項目」の詳細については、いずれ詳しく説明したく思います。
とにかく、人事制度(人事評価制度、賃金制度、職能資格等級制度)の比較検討はあまり意味がないことをご理解いただければと思います。
最後までお読みいただきありがとうございます。
人事評価制度についてはコチラ
【参考情報】カンタンすぎる賃金制度とは?
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執筆者 山本昌幸プロフィール:
人事制度(人事評価制度、賃金制度)指導歴28年超の専門家、特定社会保険労務士。
商業出版書籍に「人事評価制度が50分で理解でき、1日で完成する本 (忙しい社長のためのビジネス絵本) 」(同友館)、「今日作って明日から使う中小企業のためのカンタンすぎる人事評価制度」(中央経済社)、「従業員のための人事評価・社長のための人材育成」(同友館)、「人手不足脱却のための組織改革」(経営書院)、「『プロセスリストラ』を活用した真の残業削減・生産性向上・人材育成実践の手法」(日本法令)等がある。
「人事制度(人事評価制度・賃金制度)セミナー・勉強会」の講師を160回以上努め、社長・経営層の延べ受講生1600名以上。
自らの約10名の従業員を雇用する組織の経営者。