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建設業における「要求力量のハードル」とは? 

建設業の人事評価制度 要求力量のハードル

建設業において、人材を育成するために有効なのは「要求力量のハードル」を設定することでしょう。

「要求力量のハードル」とは、建設業者が雇用する人材に対して要求する能力、技術・技能、資格、知識のことです。例えば、
・1級建築施工管理技士 資格取得
・積算ソフトである「アトラス」が使用できる
・施工管理ソフトである「デキスパート」が使用できる
・5千万円までの「施工計画書」が作成できる
・安全パトロールの確認事項をすべて認識している
・役所(発注者)に納品する施工記録である写真の整理が出来る
などなど。
積算ソフト
要は、建設会社として、雇用する人材に対して「ここまでの能力、技術・技能、資格、知識を身につけてくださいね」と、要求力量を明確にすることなのです。

建設業者さんが「要求力量のハードル」を明確にしたうえで、社内に公表することにより、人材の側からすると、
・どこを目指せばよいのか?
・どこまで到達すれば良いのか?
を理解でき、自らの価値を向上させることが出来るのです。

建設業に限らず、すべての企業は、「要求力量のハードル」を明確に設定することが人材育成の第一歩と言えます。
要求力量のハードル
「要求力量のハードル」を明確に設定せず、自発的に努力できる人材は10%ほどなのです。
残りの80%の人材は、
・背中を押す
・けん引する
など、してあげないことには力量の向上は難しいのです。
10%
えっ?数字が合わない? 10% + 80% = 90%? 残りの10%の人材のことは触れずに置きましょう。

では、この「要求力量のハードル」をどのように明文化するのか?
一番ふさわしいのが、「職能資格等級表」といえます。
仕組み名で表現すると「職能資格等級制度」となります。

「職能資格等級制度」とは、建設業者として(建設業に限りませんが)、人材に身につけてほしい力量等を等級別に明確にしていくことなのです。
職能資格等級制度
中小企業が「職能資格等級制度」を導入する場合の等級数は、6等級~8等級が多いでしょう。
大企業の場合は、15等級や20等級も確認したことがあります。
私は、人事制度コンサルタントとしての28年超の経験から「職能資格等級制度」の等級数は、
6等級をお勧めしています。
ただ、能力に差が出にくい職種の場合・・・、例えば、建設業者の作業員さん、
トラック運送業者のドライバーさんの場合は、3等級でも良いでしょう。

「要求力量のハードル」を明文化した「職能資格等級表」を策定する場合の注意点として、“要求力量”を具体的に記載することです。
ダメな例として
・部下の見本となる「企画書」が作成できる
など。
抽象的
“部下の見本”ってどんなことでしょうか?
“「企画書」”とは、どのレベルの「企画書」なのでしょうか?

この例は、まだマシなのですが、「職能資格等級表」に次のように規定されていたらどのように解釈しますか?

・3等級:一般的な指示に従い、業務に関する一定の専門知識や経験に基づいて企画、判断、折衝業務を行う

?はてな?だらけですね。
パッと見、格調高い文章のように思えますが、ハテさて「要求力量のハードル」としては、全くイメージできないと思います。
理解不能、抽象的
建設業に限らず、「職能資格等級表」を策定する場合、人材が理解しやすい、イメージしやすい表現で作成する必要があります。

決して、上層部、経営層だけが理解できる内容ではダメなのです。
該当等級に近い人材が見た場合に(2等級の人材が3等級の内容を視た場合)、
「なるほど、このような力量を身につければ、3等級に昇級することが出来るのか!」と
腹落ちすることが必要でしょう。
納得
では、「職能資格等級表」に何種類くらいの能力、技術・技能、資格、知識等を記載すればよいのでしょうか?

それは、会社により異なりますが、6等級の場合、一例として、以下のようになると思います。
・6等級:5
・5等級:6
・4等級:10
・3等級:12
・2等級:15
・1等級:10

内容としては(特に建設業の場合)、下位等級(1-3等級)には、日常業務の内容が中心となり、上位等級(4-6等級)には、経営的な内容が中心となるでしょう。
これは、あくまで一例ではありますが、参考にしていただければと思います。

あなたの会社もぜひ、「職能資格等級表」「要求力量のハードル」を設定し、人材育成を実現してみませんか?

また、「要求力量のハードル」を明確にする仕組み・文書は、他にもあり、それこそが「人事評価制度」であり、「人事評価表」と言えるでしょう。
人事評価制度
ただ、どのような「人事評価制度」でもOKではありません。
「根拠の明確な評価項目」「具体的な評価基準」を備えた
「人事評価制度」である必要があります。

なかなかそのような「人事評価制度」は見当たらないとは思いますが、
「カンタンすぎる人事評価制度」であれば、
小学生でも評価可能な明確な評価基準(要求力量のハードル、要求成果のハードルに該当)が
設定してありますので、導入検討の余地があると思います。
カンタンすぎる人事評価制度
「カンタンすぎるシリーズ」には、「カンタンすぎる人事評価制度」「カンタンすぎる職能資格等級制度」「カンタンすぎる賃金制度」があります。
また、建設業に即した内容にカスタマイズすることももちろん可能です。

執筆者 山本昌幸プロフィール:
人事制度(人事評価制度、賃金制度)指導歴28年超の専門家、特定社会保険労務士。
商業出版書籍に「CCUS(建設キャリアアップシステム)/CPDの活用で建設業の人材不足解消と育成はできる!」(中央経済社)、「人事評価制度が50分で理解でき、1日で完成する本 (忙しい社長のためのビジネス絵本) 」(同友館)、「今日作って明日から使う中小企業のためのカンタンすぎる人事評価制度」(中央経済社)等がある。
20年以上前から愛知建設業会館(愛知県建設業協会)7階に本社事務所を構え、中小建設業への指導多数。

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