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2021.2.20

人事評価制度

0142回:カンタンすぎる人事評価制度への深い想い

ここ数回、私が、「その人事評価制度(人事考課)」を、開発した想いについて説明しています。

私は、人事制度関連の商品として次の3種類を提供しています。
1:カンタンすぎる人事評価制度
2:標準的な人事制度
3:プロセス人事制度

この三つのうち「2:一般的な人事制度」は、その名の通り、一般的な人事制度であり、標準方式と言えます。

対して、「1:カンタンすぎる人事評価制度」と「2:プロセス人事制度」は、私が独自に開発した完全オリジナルな仕組みです。

この二種類の完全オリジナルの人事制度・人事評価制度(人事考課)をなぜ、開発したのか? の「想い」を説明しております。

前回までに6つの一般的な人事評価制度(人事考課)の問題点を説明しました。

今回は、一般的な人事評価制度(人事考課)の問題点7:相対評価の問題点、絶対評価の問題点。

あなたは、相対評価と絶対評価の違いをわかりますか?

相対評価とは、SABCDの評価結果の割合が最初から決まっているのです。
例えば、
S=10%
A=20%
B=40%
D=20%
E=10%

そのため、どんなにがんばって、成果を挙げた人材でも全員が同じような状況であれば、がんばって成果を挙げた人材でも最低評価の「E」になる可能性もあり、逆に人材全員が、さぼりまくって、成果を出せなくても、一定数は最高評価の「S」と評価されるのです。

絶対評価とは、相対評価のように予め評価結果の割合を固定せずに全員が最高評価の「S」を取ることも可能ですし、全員が制定評価の「D」になってしまうこともあるのです。

以上のことから相対評価は問題があることは想像つくと思います。

組織やある一定の集団の中でどうしても順位や序列を付けなくてはならない場合は、相対評価が必要となります。(昭和の時代の通信簿)

ただ、人事評価制度(人事考課)の場合、相対評価は馴染まないことが予測できますね。

人事評価制度(人事考課)は、そもそも、順位付け、序列付けのためだけに運用する仕組みではありませんから。

では、絶対評価はどうなのか?

基本的に人事評価制度(人事考課)において絶対評価はお勧めとしておきます。

但し、絶対評価とあるモノを一緒に人事評価制度(人事考課)に組み込むと問題が生じるのです。

その「あるモノ」とは?

一般的な人事評価制度(人事考課)の問題点8:賃金テーブル使用(賃金表)の問題点。

賃金テーブル(賃金表)とは、各号俸に賃金が割付られている表のことです。
例えば、次のような感じです。

1号俸:100,000円
2号俸:101,000円
3号俸:102,000円
4号俸:103,000円
5号俸:104,000円
6号俸:105,000円

各号俸の差をピッチと言い、上記の例では、ピッチ=1,000円 となります。

この「賃金テーブル(賃金表)」を使用することのナニが問題なのか?

一般的に、人事評価結果と賃金テーブルを連動させるからです。

例えば、SABCDのうちの最高評価である「S」を獲得した場合、5ピッチ昇給すると決められているのです。

その場合、社員数20名の会社で、社員全員が頑張って、成果も出し、全員がSを獲得した場合、一人当たりの昇給月額は、5,000円となり20名分ですから5,000円×20名=100,000円が会社側が負担する毎月の昇給額となります。
年額だと120万円。

これに加えて、社会保険料や労働保険料も負担が増えます。

会社が儲かっている場合は良いのですが、余り儲かっていない場合や、赤字の場合は、大きな負担となります。

では、どうするのか?

20名の社員が全員がんばって成果を出した結果、最高の「S評価」を獲得したにもかかわらず、S評価を止めて、B評価にしてしまう。

これでは、本末転倒ですね。

また、別のやり方としては、全員S評価で一人当たり5,000円の昇給ですが、最後に係数をかけて(例えば、0.2とか)5,000円×0.2=1,000円 の月額昇給額としてしまうのです。

これならば、「賃金テーブル(賃金表)」の意味がありませんね。

でも、ここで疑問が湧きませんか?

20名の社員全員が頑張って、成果も出したのであれば、会社も儲かっているのでは?と。

そこなんです!

人材の成果と、会社の成果(儲け)が、連動していない人事評価制度(人事考課)が非常に多いのです。

そもそも、会社経営や、経営上の数字を理解せずに人事評価制度(人事考課)を策定している場合が非常に多いのです。

いいですか!
本来、人材が成果を挙げたのであれば会社の経営も良くなるはずですね。
それが連動していないのであれば人事評価制度(人事考課)として欠陥があると言えるのです。
ただ、一部の例外として、人材が出した成果が収益に代わるためのタイムラグが生じる場合はこの限りではありません。

私は、このような一般的な人事評価制度(人事考課)の矛盾を是正したい想いで「カンタンすぎる人事評価制度」を開発しました。

「カンタンすぎる人事評価制度」は、絶対評価ですが、極力、賃金テーブル(賃金表)は、使用しません。
稀に助成金申請の関係上、必要な場合もありますが。

【参考情報】人事評価制度とは?

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