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人材の能力を引き出し、発揮してもらうことについてです。
前回は、あなたの会社の人材の
・能力を引き出し
・能力を十分に発揮させ
・能力を向上させる
ための第一歩は、「ハードル設定」が如何に重要なのかを説明しました。
また、「ハードル設定」のためには、まず、人材の現状を把握する必要があります。
そのためには、使用者側として「人材に興味を持つこと=人材の現状を把握すること」なのです。
もちろん、人材のプライバシーに過度に踏み込むことではありません。
では、
・その人材に興味を持ち
・その人材の現状を把握する(能力把握)
ためにどのようなやり方が良いのでしょうか?
やり方・方法はさまざまな種類がありますがここで提案したいことは、月に一度の面談です。
そう!
社長と社員(人材)が月に一度面談するのです。
月に一度 は、なかなか大変かもしれませんので最初は、三か月に一度(年4回)で構いません。
社長が社員と直接面談となるとせいぜい、30名までの組織(いや20名かな?)でないと難しいのですが、社長の意をくんだナンバー2・右腕・片腕が存在する組織では、50名規模の組織までこの面談手法を活用できます。
ただ、そもそも「社長の意をくんだナンバー2・右腕・片腕」が存在しない組織の場合は、このような人材を育成することから始めなくてはなりません。
「カンタンすぎる人事評価制度」は、そのために非常に有益なツールです。
一般的な人材の能力を底上げすることより社長の意をくんだナンバー2・右腕・片腕を育成する方がカンタンなのです。
もともとの人材が持っているキャラクターもありますのですべてが、社長の意をくんだナンバー2・右腕・片腕に育成できるわけではありませんが、不可能ではないのです。
あなたが、もし、あなたの片腕・右腕人材を育成するとしたら、どの様なことを行いますか?
「俺の背中を見て、勝手にがんばれ!」(←コレ最悪)
ではないですよね。
ごく少数ですが、このような「俺の背中をみろ」タイプの方もいらっしゃいますがこのような方に遭遇すると「俺は、人材育成する能力が欠如しているので あなたが勝手に私を見習ってくださいね」と、伝えているように思えるのです。
あなたがもし、あなたの右腕・片腕を育成しなくてはならない場合、どのような手法をとるのか?
その手法を会社内でも実践していただきたいのです。
では、具体的な方法とは、「カンタンすぎる人事評価制度」を導入する?
もちろん、そうですが、もう少し、別の着眼点から視てみましょう。
あなたが部下を自分の片腕・右腕に育成する場合、部下の現状を把握しますね。
・部下の考え方は?
・部下は何に興味があるのか?
・部下の能力は?
・部下が目指したい方向は?
・部下を慕っている部下は?
などなど。
部下に興味を持ち、部下にもあなたに興味を持ってもらうのです。
これにより、部下の気持ちとしては「他人ごと」から「自分ごと」に変化するのです。
あなたからしてみても部下に興味を持ったということですね。
これと同じようにあなたの人材を育成するためにも「部下に興味を持つ」ことが必要です。
では、育成の手法である三か月に一度の面談について説明しましょう。
この三か月に一度の面談の準備として絶対にしてはいけないことから説明します。
面談の相手である、部下を目の前にして、「うーん、ナニ話そうか? 前回どこまで話た? 今日のテーマは何だっけ?」
こんなこと面談の主である上司のセリフとしては最悪です。
この時点で、部下は次のように思うでしょう。
・なんだ、やっつけ仕事か
・私に興味がないのですね
・片手間でやっているのか
・このヒト、意味わかってんのかなぁ
:
:
・このボンクラ社長の下で働くのは止めてどこか探そう
実際、面接のその場になって、いろいろ考えることは、絶対に止めてください。
5分でよいので、面接の事前準備を行ってください。
部下に興味を持っていれば、事前準備を必ず行うはずです。
私が企業にコンサルティングの場に出向く場合、必ず、前日にその企業の予習をします。
25年以上前にあるコンサルタントのコンサルティングに立ち会ったことがあるのですが、そのコンサルタントは、その企業のコンサルが始まったと当時に「えーっ、前回どこまでやったっけ?」から始まったのです。
これ、ヒドイですよね。
そのコンサルからすると、「私は準備無しでどんなことでも対応できますよ」的な少々、カッコつけのポーズだったのかもしれませんが、企業は、怪訝そうな顔をされていました。
人事評価制度(人事考課)・・・特に「カンタンすぎる人事評価制度」の場合、準備が大変なので、事前準備がコンサルのパフォーマンスに大きく作用します。
自分自身気を付けたいと思います。
【参考情報】人事評価制度とは?
【参考情報】職能資格等級制度とは?
執筆者 山本昌幸プロフィール:
人事制度(人事評価制度、賃金制度)指導歴28年超の専門家、特定社会保険労務士。
商業出版書籍に「人事評価制度が50分で理解でき、1日で完成する本 (忙しい社長のためのビジネス絵本) 」(同友館)、「今日作って明日から使う中小企業のためのカンタンすぎる人事評価制度」(中央経済社)、「従業員のための人事評価・社長のための人材育成」(同友館)、「人手不足脱却のための組織改革」(経営書院)、「『プロセスリストラ』を活用した真の残業削減・生産性向上・人材育成実践の手法」(日本法令)等がある。
「人事制度(人事評価制度・賃金制度)セミナー・勉強会」の講師を160回以上努め、社長・経営層の延べ受講生1600名以上。
自らの約10名の従業員を雇用する組織の経営者。