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0124回:教育訓練の有効性について:講師の力量

前回まで、人事評価制度(人事考課)の策定は社長じゃなきゃダメなんです と説いてきました。

「カンタンすぎる人事評価制度」は、社長でなくては策定出来ないですしね。

今回は、人事評価制度の一部である「能力開発制度」を支える教育訓練について説明しましょう。

その前に大前提!

すべての問題に原因があり、すべての現象に根拠がある。

では、ここで質問です。

最近あなたが受講したセミナーの講師は、どのような根拠があって講師という立場なのでしょうか?
若しくは、最近あなたの会社の社員に受講させたセミナーの担当講師は、どの様な根拠から講師だったのでしょうか?

要は、講師の力量が備わっているのか?
ということです。

力量の無い講師(講師としての根拠が乏しい)が、講師を務めるセミナーや研修を受講してもムダなことは理解できますよね?

ただ、一つ例があります。

当たり前のことですが、セミナーは、受講する立場を経験するより、教える立場を経験する方が10倍、いや、100倍、力量が身に付きます。

要するに、生徒として受講するよりも先生として教える方が100倍以上、力量が身に付くのです。
当たり前ですね。

ですから、あなたの会社の人材の力量を伸ばすために敢えて、社内セミナーの講師を担当させることは能力開発のうえで、非常に有効・有益なことです。

このような場合は、先生としての力量の根拠が乏しい場合もありますが、この場合、別の目的がありますから(講師を担当する人材の力量向上)多少目をつぶっても良いと思います。

問題は、受講料金を支払って受講する外部のセミナーでしょう。
これには、講師料を支払い外部から講師を招き社内で開催するセミナーを含みます。

このようなセミナーの場合は、前述のように講師の力量の根拠を明確にしておくべきです。

例えば、「人事評価制度セミナー」の場合、担当講師はどのような力量の根拠があるのか?

以前、士業は仕事を断らないこと説明しました。
自信が無いことでも引き受けてしまう。
これは、様々な事情があり仕方がないのかもしれませんが、セミナーとなると絶対にダメだと思います。

まずは、自分自身で「これで大丈夫!」という120%の知識・力量が身に付いたら引き受けても良いでしょうか。それが出来ないのであれば断るべきです。

私は、マネジメントシステムの審査を2名規模の小規模企業から数万人規模の眼が企業に至るまで1200回以上の審査を担当してきました。

その中で、「教育訓練記録」を拝見することも多いのですが、その「教育訓練記録」の講師欄を確認した結果、呆れてしまった案件が後を絶ちません。

どう考えても、この講師では、この分野の知識はないであろうと。
ただ、私の思い込みではいけませんので、必ず質問します。

「この○○セミナーの講師である、□□さんを講師として選択した理由はどうなんでしょうか?」と。

その回答として、
・たまたま知っていたから
・多分、その知識を持っていると思たから
・本人から売り込んできたから
など。

これらの回答は悪い訳ではないのですが、○○セミナーの講師としての知識を保有しているのかの根拠を確認しなくてはなりません。

知識の裏付けが取れない人が講師を務めるセミナーを受講したところで貴重な時間をドブに捨てるようなものですからね。

ここ最近、人生経験で得た知識や勤務経験で得た知識をお金に代えましょう! 的な風潮が乱立しており、(安易なコンサルタント、安易な講師)これはこれで全て間違ってはいないと思うのですが、そんなに簡単なことでしょうか?

それらの講師やコンサルは、ただ、単に経験した知識をそのまま伝えているだけならプロでも何でもなく、価値のない方です。
極論をいうと、戦争体験を伝える語り部のお年寄りと同じでしょう。
もちろん、それはそれで価値があるので否定しませんが、企業への指導としてはどうなのでしょうか。

経験した知識に自分のメソッドを加えて更にそのメソッドを研ぎ澄ましていく。
これであれば、プロコンサルと言えますよね。
そのような方も増えていることは事実であり、これは好ましい傾向と言えるでしょう。

ここで、講師としての要件について二種類あることをお伝えします。
まぁこれは、人事評価制度(人事考課)コンサルタントでも同じことが言えますが。

その二種類の要件とは、
・講師として伝える・理解させる力量
・その分野の知識

あなたも遭遇したことありませんか?(受講したことありませんか?)

その分野では、誰もが知っている専門家であっても異常なほどセミナーがつまらない。
学校の先生にも多いですよね。
一人でもごもご喋っているだけで伝える力量・理解させる力量が乏しい講師。
これが、「講師として伝える・理解させる力量」です。

もう一つは、単にその分野の知識です。
士業で仕事を断らない方の特徴はこちらですね。

知識については、自分一人でも研鑽できるので努力次第で何とかなります。

以上、講師としての二種類の力量が乏しい方に当たってしまった場合は悲劇です。
今後は、くれぐれも事前に講師の要件・力量、要するに講師たる根拠を確認したうえで講師を依頼しましょう。

困るのは、講師経験をしながら力量を身につけていこうと思っている輩です。

100歩譲ってコンサルは指導しながら力量を付けて行くというのは理解できますが、セミナー講師(特に有料のセミナー)の場合は、講師をやりながら力量を付けて行くというのはトンデモナイ話であり、受講生をバカにしていると思います。

【参考情報】人事評価制度とは?

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