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前回は、「人事評価制度でブラック従業員対策が施せるのか?」について説明しました。
今回は、非常に重要!
「お客様からのご意見・ご指摘」についてです。
私のようにISO9001を始めマネジメントシステムの審査を1200回以上実施していますと、顧客クレーム対応の重要性、大変さを感じており、「顧客クレームは宝の山」などの意見について
正論と思える反面、顧客クレーム対応担当者にとっては「それは理想ですよ」的なご意見も理解できます。
実際、某クレーム産業の企業に勤務している顧客相談窓口の担当者の方は、クレーム対応に辟易して精神状態が不安定になってしまいました。
非常に気持ちは分かりますね。
「顧客クレームは宝の山」とは、まともな顧客からのクレームであり、昨今、世間を騒がせている訳の分からない人たちからのクレームは、単なる言いがかりですから。
と、考えると「まともな顧客からのクレームは宝の山」ということですね。
人事評価制度(人事考課)においても、クレーム対応について、評価項目とする場合がありますが、こちらもあくまで話せばわかるお客様が対象ということです。
「カンタンすぎる人事評価制度」については、幸い、現時点では、クレームはいただいておりませんが、
当社としては「カンタンすぎる人事評価制度」の
・改善すべきところ
・至らないところ
・使えなかったところ
・困ったところ
を積極的にほじくり返すようにしています。
その、ほじくり返されたというか、無理にでも出していただいたご意見が「カンタンすぎる人事評価制度」改善のための非常にありがたい意見となるのです。
このような場合、まさに「宝の山」となります。
先日も、或る導入先企業の社長から「ベテラン社員が高評価を獲得できるように行動してくれない」という趣旨のご相談を受けました。
このようなご意見を頂くことにより私としては、即、対策をお伝えすることが出来ますし、既存の対策では解決できないことは、原因を追究のうえ、対策を施すことができるのです。
同上の事例でしたら、ベテラン社員の場合、新しい人事評価制度が完成したので即、運用に参加してくださいと依頼したところで、ベテラン社員は、最初は怪訝に思うのです。
なぜなら、いままで、さんざん、好き勝手に野放し状態で仕事をしてきたのですが、いきなり、人事評価制度を構築したのでその仕組みに沿って行動してください と指示されたところで、まず思うことは、「いずれ立ち消えになるんだろうな」 です。
従業員からすると、会社は今までさんざん、様々な仕組みや取り組みに挑戦してきて、何一つ残っている仕組みが無いことをよく理解しているのです。
そうです。
まずは様子見なのです。
そこで必要なことは、社長として、不退転の真剣な取り組みであることを社長の口からくどいくらいに説明させることです。
私が拙著の中でいつも説明している「何事も社長が本気になれば半分成功したようなもの」とは、このことなのです。
正直、これは根気がいることですが、折れてはいけません。
根気よく、根付くまで、ベテラン社員が理解するまで根気よく説明を続けてください。
そして、何よりも力を入れて説明していただきたいことは、「カンタンすぎる人事評価制度」は、社長自らが創った仕組みであることを強く伝えてください。
次に必要な対策として、ベテラン社員にとって、「他人ごと」ではなく「自分ごと」として捉えられるようにすることです。
仮に、ベテラン社員として、最低の「D」評価を獲得してしまった場合、具体的にどのような処遇になるのかを明確に伝える必要があるのです。
これは、ヒューマンエラーを防止することを同じですね。
「あなたが、ルールを守らないことによりこのような状況になるのですよ」と、伝える。
ベテラン社員は、部下がいる場合も多いと思いますが、自分に対する評価だけではなく、部下に対する評価が悪ければ、自分への評価も悪くなり、その結果、どの様な処遇になってしまうのかを理解させてください。
これらのことによりベテラン社員にとっては、「他人ごと」ではなく、「自分ごと」として捉えることができるでしょう。
他にも、必ず対策はありますが、この辺にしておきましょう。
要は、なぜ、ベテラン社員にとって、新人事評価制度が「他人ごと」なのか? の原因を突き止めることが必要となるのです。
ベテラン社員を上手く巻き込むことが出来れば人事評価制度(人事考課)は、非常に運用しやすくなります。
ぜひ、根気よく、ベテラン社員に説明してください。