ブログ
BLOG
前回は、「皆が良い評価を取っても会社が良くならない人事評価制度」について説明しました。
今回は、私がなぜ、人事評価制度の指導を始めたのか? についてです。
実は、私、社会保険労務士なのです(しかも「特定」です)。
平成3年登録ですから、開業して30年近くということになります。
いつも皆さんにお話し・説明する場合は、自分が社会保険労務士であるということは頭になく、あくまで人事制度コンサルタント・マネジメントシステムコンサルタントとしてお話し・説明させていただいております。
「カンタンすぎる人事評価制度」も、社会保険労務士としての活動だけでは全く思いもよらないというか、開発できませんでした。
「カンタンすぎる人事評価制度」は、マネジメントシステム審査員として1200回を超える様々な業種・規模の企業の経営トップ(通常は社長)からのインタビューを通じて開発した仕組みですから、社会保険労務士として開発したのではありません。
ただ、人事評価制度は、法的に疑義の無い制度をつくるべきですのでその場合、社会保険労務士の知識が非常に役立ちます。
最近は、なかなか情報が入らないのですが、恐らく私は、社会保険労務士としては、日本初の品質マネジメントシステム・環境マネジメントシステム主任審査員だと思われます。
現在でも、日本ではほんの数名と思われます。
では、そのマネジメントシステムの専門家である私はそもそも、なぜ、社会保険労務士を目指そうと思ったのか?です。
実は、私は開業する前に二社で会社勤めをしておりまして、開業する直前の勤務先では、職種柄、労働基準監督署に出向くことがありました。
その際、労働基準監督官の仕事ぶりを拝見し、非常にやりがいがあり素敵な仕事だと思いました。
現在は、労働基準監督署に出向いても臨時職員が対応することが殆どですが、30年ほど前は、労働基準監督官と直接、やり取りする機会が結構あったのです。
その際、勧められたのが社会保険労務士です。
その後、運よく、一回で社労士試験に合格することができ悪い企業で雇用され・解雇され困っている労働者を助けたい!
との想いで社会保険労務士として開業しました。
しかし、実際、開業して様々な労働者、経営者の実態に触れるにあたり、労働者自身も十分にズルい・悪い人がたくさんいる実態に愕然としました。
もちろん、善良な労働者が殆どですが、とんでもないブラック従業員も存在するのです。
また、これは予測通りですが、とんでもないブラック社長も存在します。
そのころから、私は、従業員側、雇用側問わず、正しいことを実施していこうと思いました。
ただ、日々持ち込まれる相談は、立場上、雇用側からの相談で、問題従業員に対する相談です。
皆さんもご存じのとおり、わが国の労働関係法は一旦、雇用してしまえば労働者保護の色合いが非常に強いので、雇用側から問題従業員の相談を受けても、雇用側がすっきりできるような回答をしてあげられないのが現状です。
架空の極論事例としては、休日に傷害事件を起こした従業員でもすんなり解雇できない など。
そこで、私は何を考えたのかといいますと、
・そもそもブラック従業員を雇用しない
・ブラック従業員を発生させない
ということです。
「ブラック従業員を雇用しない」ということは、人材採用の施策でこれは、しくみというよりテクニックですね。
このことは、案外簡単に実現できます。
「ブラック従業員を発生させない」については、人事評価制度(人事考課)で対応できるのでは? と思ったのです。
正直、全従業員の10%に当たる人材は、指示したこともまともに出来ない問題従業員です。
だからと言って、ブラック従業員ではないのです。
要は、下位10%の問題従業員については大きな戦力ならなくても、存在価値を認めてあげられる存在になってくれれば会社としてありがたいですよね。
そして、決してブラックな行いをしない従業員にしなくてはなりません。
そのために人事評価制度(人事考課)が活用できるのです。
「就業規則」には、してはいけないことが列挙されているいわゆる「べからず集」的な「就業規則」が多いですね。
これは必要なことなのですが、では、そのしてはいけないことを「就業規則」で確認する従業員はどれくらいいるのでしょうか?
人事評価制度は、「○○してはいけない」ではなく、「○○すれば会社・上司・お客様が喜ぶ」と表現できるのツールとなり得るのです。
また、「○○すれば会社・上司・お客様が喜ぶ」と人事評価制度に盛り込み、公表することにより(カンタンすぎる人事評価制度では、評価項目をすべて公表します)逆の「○○すべきでない」ということも認識できるのです。
以上のように人事評価制度を活用してブラック従業員を排出しないことが可能となるのです。