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2024.9.11

賃金制度

働くヒトにとって理想的な賃金制度で人手不足を解消する

働くヒトにとって理想的な賃金制度で人手不足を解消する

働くヒトにとって理想的な賃金制度とは、会社側にとっても理想的な賃金制度です

なかなか収まらない人手不足・人材不足。
いや、今後永久に続くことが予測される人手不足・人材不足。

賃金制度で、
この人手不足・人材不足を解消できるのでしょうか。

賃金制度でズバリ解消! とはいきませんが、
人材にとって魅力的な賃金制度で
人手不足・人材不足を緩和することは十分に可能だと思います。
やった
では、人材にとって魅力的な賃金制度とは、
どのような賃金制度なのでしょうか。

ここで勘違いしないでいただきたいこととして、
「高額給与=人材にとって魅力的な賃金」
ではないことです。

そうです。

給与は高いほうが良いでしょうが、
それが、即、人材にとって魅力的な賃金ではないのです。
賃金決定
ましてや、
今回、考察するのは、
「賃金」ではなく、
「賃金制度」なのですから。

常々、お話ししていますが、
高額給与で人材を釣ったところで
それは、一過性であり、
「釣られる人材」は、
それなりの人材か、
何かの事情があり、どうしても稼がなくてはならない人材です。

「それなりの人材」(説明は省きます)を
あなたは雇用したくないでしょうし、
「何かの事情があり、どうしても稼がなくてはならない人材」は、
稼がなくてはならない事情が解消されたら
離職する確率が高いでしょう。

優良人材、いや、一般的な人材も
魅力を感じるのは、
「高額賃金」ではなく、
「賃金制度」なのです。
お金と電卓
では、人材にとってどのような賃金制度が魅力的なのでしょうか。

一般的に
がんばりや成果が適切に反映される賃金制度
ということになるのでしょうが、
それは、ある意味当たり前であり、
そのためには、
評価根拠の明確な「評価項目」と
明確な「評価基準」を兼ね備えた
理想的な人事評価制度と賃金制度の連動が必要不可欠です。
ポイント
しかしながら、多くの企業で導入済みの人事評価制度は、
「評価項目」に根拠がなく(人材に説明がなく)、
ナニができれば高評価を獲得でき、
ナニができなければ低評価になるという
明確な「評価基準」が設定されていません。

さらに人事評価制度導入済み企業の
半数近くは、評価結果を人材にフィードバックされず、
フィードバックされていたとしても
なぜ、その評価結果であったのかの評価結果の根拠が
フィードバックがされていません。

このような多くの企業で導入済みの
欠陥の多い人事評価制度では、
賃金制度と連動したところで、
賃金制度も欠陥のある仕組みとなってしまいます。
おちこむ
賃金制度は、このような欠陥のある人事評価制度ではなく、
理想的な人事評価制度と連動してこそ活きてくるのです。

ここでは、理想的な人事評価制度との
連動を前提に理想的な賃金制度について考えてみましょう。

人材にとって理想的な賃金制度とは、
どのような賃金制度なのでしょうか。

私が提唱する、
人材にとって魅力的な賃金制度とは、
「ライフ・キャリア賃金制度」(仮称)
です。
提案
「ライフ・キャリア賃金制度」とは、
どのような賃金制度なのでしょうか。

一番の特徴は、
柱となる「賃金制度」の存在です。

そして、特徴的なことは、
人材ごとに賃金を確定していく賃金制度であること。

「人材ごと」とは、
・その人材の人生設計を明確にしたうえで賃金カーブを決定する
・その人材の働き方や身につける力量、発揮した成果などで賃金カーブを決定する
という二本立てです。

正に
「ライフ」と「キャリア」で賃金を決定していくのです。
考える
その中でいくつか制約があります。

ここでは、すべては説明できませんが、
特徴的な仕組みをいくつか説明します。

まず、推定勤務年数を明確にします。
入社時に人材から本音の希望勤務年数を訊きだすことが
難しいと思われるかもしれませんが、
人材の賃金設計のために必要であることを説明し理解を得ることにより
大まかな推定勤務年数を決定できます。
パソコン
仮に30歳で入社して20年間勤務予定であれば、
退職予定年齢は、50歳となります。

「ライフ・キャリア賃金制度」では、
この退職予定年齢よりも5年ほど早く退職することを推定します。
(推定勤務年数が短い場合、この処置は不要)

この例の場合、
30歳で入社して、15年勤務して、45歳で退職することを推定します。

会社側は、この人材に対して、
15年間支払う賃金総額を決定します。
但し、この場合、物価上昇分・ベースアップは、考慮しません。

仮に、15年間の賃金総額が
75,000,000円の場合、
この7,500万円を
当該人材の
・人生設計:ライフ
・会社への貢献度・活躍度:キャリア  を
考慮したうえで、
毎年の賃金を配分・決定していくのです。
パソコン
ここで、社長であるあなたが不信に思うことの一つとして、
15年間の毎年の賃金額で
最初の5年間を高額にして、
残りの10年間を抑え気味賃金にした場合、
5年で退職してしまった場合、
会社として大損になるということでしょう。

このような不安に対して、
該当人材が、未経験者の場合は、
最初の5年間のキャリアから視た賃金は
非常に抑え気味になるので、心配はご無用と言えます。

該当人材が、経験者(即戦力)の場合は、
キャリアから視た賃金をある程度高額に設定できますので
こちらも大きな不安にはならないでしょう。
〇を出す
「ライフ・キャリア賃金制度」は、
人材にとって非常に魅力的な賃金制度に映ります。

自社が
・「ライフ・キャリア賃金制度」を導入していること
・自らの事情で賃金を確定すること
・将来の賃金額がわかること
などを積極的にPRすることにより
あなたの会社へ求職者が増えることでしょう。

この「ライフ・キャリア賃金制度」を
導入・運用するためには、
様々な制度設計や、
あなたの会社の状況に合わせた施策が必要となりますが
今回は、これくらいにしておきましょう。

最後までお読みいただきありがとうございます。

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執筆者 山本昌幸プロフィール:
人事制度(人事評価制度、賃金制度)指導歴28年超の専門家、特定社会保険労務士。「人事制度(人事評価制度・賃金制度)セミナー・勉強会」の講師を170回以上務め、社長・経営層の延べ受講生1900名以上。
自らの約10名の従業員を雇用する組織の経営者。
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