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人事評価制度の一番の難点は、運用が面倒くさい?
ここ3回のブログでは、
「一般的な人事評価制度」の問題点である
「長い」「高い」「面倒くさい×2」のうち、
「長い」:策定期間が半年から1年超、
「高い」:コンサル費用が数百万円から1千万円以上であること、
「面倒くさい×2:その1」を説明してきました。
今回は、「面倒くさい×2:その2」について説明しましょう。
一般的な人事評価制度の問題点である
「面倒くさい×2」の「その1」とは、
「策定が面倒くさい」でした。
(人事評価制度を作るのが大変)
今回の「面倒くさい×2:その2」とは、
せっかく完成した人事評価制度の運用が面倒くさい
なのです。
ここでも、一般的な人事評価制度の
「人事評価制度の運用が面倒くさい」の
原因について考えてみましょう。
その原因とは、
一般的な人事評価制度は複雑すぎるから
です。
ヒトは、
・複雑な仕組みを敬遠する傾向にある
・扱いが難しい機械・設備を使いたがらない
・気難しい人と付き合いたがらない
という傾向がありますね。
人事評価制度も同じなのです。
人事評価制度は、人材育成のためには非常に重要ですが、
運用しなくても、
日常の組織運営は何とかなります。
そのため、後回しにしてしまう根拠として
複雑すぎる
があるのです。
私自身、人事評価制度の策定に携わり28年(2024年現在)、
人事評価制度に関する商業出版書籍を4~5冊出版してきて
いわゆる、人事評価制度の専門家という位置づけではありますが、
その、人事評価制度の専門家から視ても
「この人事評価制度は複雑すぎるなぁ」
「果たして、こんな複雑な人事評価制度を運用できるのかなぁ」と
思えることが多々あります。
私は、ISO主任審査員として、
ISOの審査を1600回以上、
今でも年間50回以上審査しております。
その中で審査対象企業の経営トップや総務担当者が
私の経歴を受審前にネット検索する場合が多く、
社会保険労務士でもある私に
「当社の人事評価制度をみてください」と審査において言われることがしばしば。
ISOの審査で、
人事評価制度を確認すること自体は関連性もあり問題もないので
ISO受審企業の人事評価制度を確認させていただくと、
前述の感想になるのです。
ISO審査の場にかかわらず
1000社以上の人事評価制度を確認させていただく機会がありましたが、
そのほとんどが、複雑すぎるのです。
この人事評価制度を確認させていただいた1000社の中には
大企業も含まれていますので、
大企業の人事評価制度が複雑であることは
人事評価制度の策定・運用目的が
中小企業を異なりますので、あまり問題ないのですが、
中小企業の人事評価制度が複雑であることは非常に問題なのです。
運用できないのですから。
人事評価制度が複雑=運用できない
は、もちろんですが、
人事評価制度か複雑=運用したくない
と、なってしまいます。
私に自社の人事評価制度を確認させた企業側も
自社の人事評価制度の問題点を薄々気づいており、
私が、
「このような複雑な人事評価制度、運用できているのですか?」と
尋ねるとほとんどの企業が、
「そうなんです。だから困っているのです」
との回答。
では、
一般的な人事評価制度の問題点である
「面倒くさい×2」の「その2」の
「運用が面倒くさい」を是正するためにはどうすべきなのか?
答えは簡単ですね。
シンプルな人事評価制度にすればよいのです
「この人事評価制度なら、私たちでも使える」と
思えるシンプルな人事評価制度にすべきなのです。
あなたもご経験ないでしょうか?
感覚的に使えるソフトやスマートフォンは
「使ってみよう!」と思え、
実際に使えますよね。
もし、あなたのスマートフォンが
使える前に一日講習を受講しなければ使えないスマホの場合、
躊躇しますよね。
(一部、高齢者向けにスマホ教室は存在しますが)
人事評価制度も同様なのです。
少し話が逸れますが、
そもそも、「評価者訓練」なるものを
受講しなければ、評価できないような人事評価制度は、
既に複雑な人事評価制度といえるでしょう。
理想的な人事評価制度は、
「人事評価表」をパッと見て、
「使えそう!」と思えることが必要でしょう。
そのことからもシンプルであること。
そして、「評価基準」。
「評価基準」が明確で、評価する側が評価に迷わないことが重要です。
そして、今回のブログの最後に重要なことをお伝えします。
「人事評価制度」で、人材が高評価を獲得するためには、
放置しないことが重要です。
例えば、4月1日~翌年3月31日が評価期間の場合。
評価が始まる、
4月1日の時点で、
「人事評価表」を説明して、
「評価項目」も「評価基準」についても人材に理解してもらったとしても
1年間ほったらかしの状態では、
皆、高評価を獲得することは難しいでしょう。
そこで、人材が高評価を獲得するために
進捗管理を実施します。
この、人事評価の進捗管理とは、
3カ月に1度、部下と高評価獲得に向けて5-10分程度面接するのです。
3カ月に1度の面接が大変であれば、
半年に1度でも構いません。
この進捗管理(面談)を行うことにより、
高評価を獲得できる人材数が飛躍的に増えるのです。
ぜひ、実施してください。
最後までお読みいただきありがとうございます。
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執筆者 山本昌幸プロフィール:
人事制度(人事評価制度、賃金制度)指導歴28年超の専門家、特定社会保険労務士。「人事制度(人事評価制度・賃金制度)セミナー・勉強会」の講師を160回以上努め、社長・経営層の延べ受講生1600名以上。
自らの約10名の従業員を雇用する組織の経営者。
商業出版書籍
「人事評価制度が50分で理解でき、1日で完成する本 (忙しい社長のためのビジネス絵本) 」(同友館)
「今日作って明日から使う中小企業のためのカンタンすぎる人事評価制度」(中央経済社)
「従業員のための人事評価・社長のための人材育成」(同友館)
「人手不足脱却のための組織改革」(経営書院)
「『プロセスリストラ』を活用した真の残業削減・生産性向上・人材育成実践の手法」(日本法令)等