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87回:一歩進んで「To Doリスト」の使い方

今日は、人事評価制度(人事考課)とも関連が深い一歩進んだTo Doリストについてです。

私は、マネジメントシステムの専門家ですから言い換えると、プロセス管理の専門家ということになります。

ですから、人事制度も人事評価制度(人事考課)もプロセス管理を非常に重要視しております。

そのなかで、皆さんも日常使うことのある「To Doリスト」(やるべきこと一覧)について私の考えを説明していきますね。

ここでおさらいです。

「プロセス」とは、一般的に
・手順
・活動
・過程
などと理解されておりすべて正しいのですが、マネジメントシステムでは「プロセス」とは、
・インプット(入力)をアウトプット(出力)に代えること
でしたね。

夕食製造プロセスでは、材料をインプットして製造プロセスを経て料理が完成する(アウトプットされる)。

では、「To Doリスト」。

これは、やるべきことを忘れないための覚書、メモですね。

この「To Doリスト」に記載することは、プロセスであることを理解されていますか?

例えば、
・見積書を作成する
・ホームページを更新する
・御礼状を出す
など。

人事評価制度(人事考課)においてもこれらを評価項目にする場合があるかもしれません。

人事評価制度(人事考課)の評価項目に於いて、このやるべきことを評価する場合、「見積書を作成したこと」を評価するのか?
「完成した見積書」を評価するのか?
どちらでしょうか?

また、「ホームページを更新したこと」を評価するのか「更新したホームページの出来栄え」を評価するのか?
どちらでしょうか?

正直、ここまで考えたことのない方がほとんどでしょう。

人事評価制度(人事考課)においては、そこまで考えずに、結果、混在していると思います。

なぜなら、プロセスもアウトプットも理解されていないからです。

「カンタンすぎる人事評価制度」であれば、そもそも
・プロセス評価項目
・成果評価項目
という二つの考え方がありますので整理できているのですが、一般的な人事評価制度(人事考課)の場合、そもそも、人事評価制度を指導する側がそのような考えを持ち合わせていないので
混在しているのです。

このことだけでも人事評価制度(人事考課)を策定する場合、プロセス管理について深く深く理解しておくことが必要なのですが。

話を「To Doリスト」に戻しましょう。

「To Doリスト」では、やるべきことを記載していますので、要は、プロセスを記載しているのです。

管理している本人もやるべきことが出来たのか? 未だ出来ていないのか? を管理しているだけではありませんか?

これでは不十分なのです。

実施した結果のアウトプットの出来栄えを評価したうえで、問題が無ければ or 出来栄えが良ければ「To Doリスト」の一覧から消すことができると考えを改めてください。

「To Doリスト」の
・見積書を作成する
・ホームページを更新する
・御礼状を出す
について、

・完成した見積書に問題はないのか?
・更新したホームページの内容に問題はないのか?
・作成したお礼状は相手に失礼が無いのか

等を確認しなくてはなりません。

このことをマネジメントシステムでは「検証」と言います。

もう少し詳しく説明しますと、見積書の作成は、作成のネタがないと完成できません。

見積書を作成するためのネタとは?
・顧客からの要望事項
・対象製品・サービス
・当社若しくは顧客の現状  などなど

これらの見積書作成のネタが反映された「お見積書」が完成できたのかを確認することが検証なのです。

例えば、お客様から外構工事を依頼された場合、通常5日かかる工事を3日で実施して欲しいとの要望があった場合、一般的に考えて、施工費が嵩みます。
この施工費の嵩みが見積金額に反映されているのでしょうか?

このことを確認しなくてはなりません。

この見積書作成のためのネタこそがインプット(入力)なのです。

アウトプット(出力)は、インプット(入力)を反映した内容なのでしょうか?

これを確認することを「検証」というのです。

「To Doリスト」においてもこの「検証」を実施しなくてはなりませんね。

「やるべきことができたのか?」だけではなく、「やったことの出来栄え評価はどうなのか?」を検証する必要があるのです。

仕事を処理していくうえでこのことを癖にしていかなくてはなりません。

人事評価制度(人事考課)では、とかく、
・できたのか?
・できなかったのか?
だけを評価対象にしている場合がありますが、出来た場合の出来栄えを評価し、常に意識しなくてはなりませんね。

「ただやればよい」「できればよい」では、ダメなのです。

【参考情報】人事評価制度とは?

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