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私も一応社会保険労務士なので。
しかも28年以上のキャリアもあります。
特定社会保険労務士の第一期生です。
ということで、今日は社会保険労務士の着眼点からの話題にします。
このブログは人事制度・人事評価制度(人事考課)がテーマですが私は、社会保険労務士として人事制度・人事評価制度の指導をしているのでもなく、書籍を執筆しているのでもありません。
では、どのような立場なのか?
もちろん、マネジメントシステムの専門家として人事制度・人事評価制度(人事考課)を語っており、指導しているのです。
マネジメントシステムの専門家ということは、
・プロセス管理の専門家
・原因追及の専門家
ということです。
また、コンサルタントやマネジメントシステム主任審査員の経験を基に「カンタンすぎる人事評価制度」を開発しました。
ただ、私が社会保険労務士であることは事実であり社会保険労務士の知識無くして今まで人事制度・人事評価制度(人事考課)の指導は出来ませんでしたし、「プロセス人事制度」も「カンタンすぎる人事評価制度」も開発できませんでした。
では、始めましょう。
働いていただくことのできる「お給料」。
「賃金」ですね。
「賃金」とは、そもそも指揮命令に従い受け取ることが出来る金銭なのです。
ですから、労働者は、使用者からの指揮命令に従う義務があるのです。
逆に使用者(会社側)は、労働者に対して業務上の指揮命令を行う権限があるのです。
では、「指揮命令」とは何なのか?
ここでは、学術的な考えではなくあくまでマネジメントシステム専門家である私の考え方です。
おっと、その前に「そもそも人事評価制度とはナニか?」」
人事評価制度とは、使用者からの指揮命令の下、労働を提供する従業員を評価すること。
そのうえで、「指揮命令」とは何かのか?
「指揮命令」とは、ルールづくりであり、仕組みづくりなのです。
ですから、指揮命令する側の使用者、会社、及び上司として、その根拠となる
・ルールがあるのですか?
・仕組みがあるのですか?
ルールも仕組みもない組織は指揮命令出来ないのです。
でも、ルールも仕組みも存在しない組織などあり得ないのです。
ここでよく誤解されるのが、「ルールも仕組みも文書化されていないといけない」です。
ルールも仕組みも文書化されたものがすべてではありません。
ですから、すべての組織では、ルールも仕組みもあるのです。
朝9時に出社してくる社員。
これもルールです。
ウン万円の購入をする場合、書面で社長の承認を得る。
これも仕組みです。
ですから、ルールも仕組みも文書化がすべてではありません。
ただ、成熟した組織ほどルールや仕組みが文書化されている傾向があるのです。
私の考えは、「指揮命令」とは、
・ルールに従うこと
・仕組みを運用すること
なのです。
では、労働者は、指揮命令にだけ従っていれば良いのか?
要は、ルールに従い、仕組みを運用さえしていれば良いのか?
労働者が自らの判断で行動することは、良いことなのか? 悪いことなのか?
あなたは、従業員に対してどのようなことを期待していますか?
その期待していることを評価対象とすれば良いのです。
評価対象とすべきことは組織により異なります。
労働者に対して期待することは組織により異なりますし、対象労働者によっても異なるので当たり前のことですよね。
「当社は労働者に対して期待していません。 強いて言えば、言われたことだけを処理していれば良いのです」
という社長さんの場合、それはそれで一つの考え方であり、実際、それが必要な組織や業種もあるでしょう。
でも、労働者はヒトなのです。
感情を持っているヒトなのです。
少々話はそれますが、私は、環境マネジメントシステム(ISO14001)の主任審査員としても膨大な審査・指導を実施していますが、ISO14001(JISQ14001:2015)では、「環境」の定義として、「大気,水,土地,天然資材,植物,動物,人及びそれらの相互関係を含む,組織の活動をとりまくもの。」とあります。
この中にでてくる大気,水,土地,天然資材,植物,動物,人の中で感情を持っているのは「人:ヒト」だけですね。
もちろん、動物にも感情はありますし、植物にもあるのかもしれません。
ただ、私たちはヒト:人ですから、私たち人間が感情のやり取りを出来るのはヒト:人 なのです。(ペットはさておき)
この感情を持ち合わせているヒトである労働者に「言われたことだけ処理しておけ」という社長が経営する組織はどうなのでしょうか?
そのような社長は絶対に「カンタンすぎる人事評価制度」の導入は止めてください。
また、従業員を
・馬鹿にしている
・モノ扱いしている
などの社長も「カンタンすぎる人事評価制度」には、手を出さないでください。
人事評価制度では、労働者に対して、
・ナニを求めているのか?
・期待していることは?
・してほしいことは?
・してはいけないこは?
などを明確にすべきなのです。
もちろん、成果だけではなくプロセスも。
決して、「がんばれ!」「期待している!」だけの掛け声だけではダメなのです。
「指揮命令」とは、ルールづくりであり、仕組みづくりであることを理解し、そのルールや仕組みを人事評価制度とリンクさせましょう。