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今回は、「暴走する人材」について考えてみましょう。
「暴走する人材」とは、自分で勝手に判断してやり過ぎてしまう人材です。
でも、このフレーズから「勝手に」や「やり過ぎ」を省くと「自分で判断して仕事を処理する」組織にとってありがたい人材ですね。
そうなんです!
「暴走する人材」と「自分で判断して仕事を処理する人材」とは紙一重なのです。
ですから、指示の仕方次第、教育次第で「暴走する人材」は、優良人材に改善できるのです。
ただ、ここで一つ注意点が。
その「暴走する人材」が、暴走している根拠は何か?
そうですね。
何ごとにも「根拠」がありましたね。
その「暴走する人材」が「暴走」する根拠が、
・組織のことではなく、自分のことしか考えないから
・「暴走」した結果のことまで眼中にないから
(成功したことのみのイメージがある)
であれば、少々問題なのかもしれません。
逆に「暴走」が、積極的にチャレンジする「姿勢」であれば、擁護しなくてはなりませんし、元来、組織風土が従業員のチャレンジを推奨しているのであれば、その組織風土に沿った可能性があります。
以上のように「暴走」と「チャレンジ」は紙一重なのです。
そこで、人事評価制度です。
「暴走」を止められるような人事評価制度にして、「チャレンジ」を推奨する人事評価制度にすればよいのです。
要は、「暴走」と「チャレンジ」の定義を決めるのです。
「暴走」と「チャレンジ」は、どのように違うのか?
この着眼点は、「カンタンすぎる人事評価制度」の策定における評価項目の着眼点によっても異なってきます。
「カンタンすぎる人事評価制度」の5種類の評価項目を覚えていますか?
1 自社の品質とは?(自社の存在価値とは?)
2 3年後の自社の立ち位置とは?
3 会社・社長が一緒に働きたい人材とは?
4 会社が人材に望む業務姿勢とは?
5 会社が解決すべき課題から個人目標立案
例えば、「1 自社の品質とは?(自社の存在価値とは?)」で
・顧客に安心を与える○○の提供
であれば、「暴走」は控えるべきですし、過度な「チャレンジ」もよくよく検討する必要があるので、この「1 自社の品質とは?(自社の存在価値とは?)」から導き出される「暴走」と「チャレンジ」の定義はかなり抑えれたイメージとなると思います。
特に「暴走」については、10の活動のうちの大部分が「暴走」と判断されると思います。
逆に「3 会社・社長が一緒に働きたい人材とは?」で、会社や社長が望む人材像として
・何事にも恐れず挑戦していくことができる人材
であれば、「チャレンジ」の定義は、かなり煽った内容になるのかもしれません。
「カンタンすぎる人事評価制度」は、人材育成のツールであると同時に組織風土を醸成するツールなのです。
社長として、何ごとにも恐れず挑戦していく組織風土を醸成したいのであれば「チャレンジ」の範囲を広げたうえで高評価を付与する「評価表」を策定すればよいのです。
逆に創業100年、伝統と誇りを守っていくことが第一の老舗企業であれば、過度なチャレンジは問題ですし、チャレンジが暴走と判断される可能性が多くなりますね。
ですから、「暴走」と「チャレンジ」。
現状の組織風土を加味したうえで、今後、どの様な組織風土にしていくべきかの方向性を決定したうえで人事評価制度(人事考課)に含めていけばよいと思います。
で、人事評価制度で暴走する人材を止められるのか? について考えてみましょう。
もちろん止められます。
まず、従業員が暴走する原因として一番大きなことは、
・従業員自身が「暴走」と思っていない
・「暴走」を褒められると思っている
ということです。
「カンタンすぎる人事評価制度」で策定した「評価表」を公表するということは(常時公表:常時社内に掲示しておく)
・○○をやってください
・××はやらないでください
という、会社から従業員に対する依頼事項なのです。
この依頼事項が明確でなかったばっかりに、
・会社が推奨している行動
・会社が慎んでほしい行動
が、ごちゃごちゃになっていたり、誤解されているのです。
伝えなければ伝わらないのです。
伝えるべきことはしっかり伝えましょう。
しかも、文書で。
しかも、常時、掲示しておいてください。
また、会社として「暴走する従業員」に対して「暴走は止めてください」と伝えたにもかかわらず、改善されない場合は、どうするのか?
もちろん、暴走の原因が必ずありますからその原因を探って、取り除けばよいのです。
ただ、その前に実施すべきことは、暴走する従業員に対して、
「あなたが暴走した結果、○○のようになるのですよ」
「○○のようになった結果、□□という大変な事態になります」
とわかりやすく伝える必要があります。
これでも止まらない場合は、人事評価制度ですね。