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2021.2.21

人事評価制度

73回:人材が「育った」ではなく、「育てる」にする

「人材が育たない」

この社長や管理職の嘆きを何度耳にしたことでしょうか。

でも、私から言わせると人材は育つものではなく、育てるものなのです。

「できた」と「できる」の違いについてはさんざん説明してきました。

「育った」と「育てる」の違いも同じです。

「育った」とは、その人材が勝手に育ったのです。
「親は無くとも子は育つ」と同じで、結果オーライの無責任感が漂う人材育成です。

いや、“育成”とは言えませんね。

その点、「育てる」とは、育てる人材像を明確にして(到達すべき能力・力量・技量を明確にして)計画の下にPDCAを廻して育てるのです。

ただ、様々な会社に伺っていますが、「人材を育てている会社」には、なかなかお目にかかれません。

何の計画もなく、たまたま、人材が育っているのです。

もちろん、人材が育っていく仕組みが存在しているのであればそれは、「育った」ではなく「育てる」と言えるのですが。

そこで、人材を「育てる」ツールこそが人事評価制度(人事考課)なのです。

人事評価制度(人事考課)の目的は人材育成です。
そして、育成された人材がその能力を発揮することにより、組織の目的が達成できるのです。

この「人事評価制度は人材育成のツール」と主張されている方もいらっしゃいますが、その主張されている方が運用したり、指導したりしている人事評価制度で、本当に人材が育つのでしょうか。

人材を育てるための仕組みを組み入れてるのでしょうか?

実態はなかなか厳しいようです。

私は今でもマネジメントシステムの審査で年間50社ほどお邪魔するのですが、その50社のうち、人事評価制度が存在しているのは、半数強くらいです。

その半数強の人事評価制度を確認させていただくとほとんどが、形骸化されており、運用されていない、若しくは、上辺だけの運用(全員が普通評価、若しくは持ち回りで高評価など)に終始しています。

このような人事評価制度(人事考課)では、人材育成など難しいでしょう。

いいですか!

人事評価制度(人事考課)で人材を育成しようとするのであれば育成のための仕組みを丹念に丹念にその人事評価制度に組み入れなくてはなりません。

それがなかなか一朝一夕に行かないのです。

第一にまず、人材ごとに到達して欲しい能力・技量・力量を明確にしなくてはなりません。

それが出来ていないのであれば、そもそも、その人事評価制度(人事考課)は、欠陥のある仕組みといえましょう。

人材が「育った」ではなく、「育てる」ためのツールは、人事評価制度だけではありません。

人事評価制度以外にも人材癖委のためのツールは存在していますね。

その代表格が、能力開発制度と言えましょう。

「カンタンすぎる人事評価制度」では、この能力開発制度が含まれていますのであえて、意識しなくても良いのかもしれませんが、一般的な人事評価制度の場合、人材を育成するための能力開発制度を策定すべきなのです。

ただ、この能力開発制度がなかなか曲者なのです。

なぜかというと、そもそも、会社から人材に超えることを要求する「技量・能力・力量のハードル」が設定されていないからです。

能力開発制度においてもこの「技量・能力・力量のハードル」を設定しなくてはなりません。

このハードルを設定してこそ、人材が目指すべき到達点が明確になるのです。

人材育成はなかなか厄介ですね。

ヒトは、感情がありますから上司や会社の想い通りにならないことは当たり前なのです。

親から視て子供も思い通りにならないのですから、赤の他人である人材が思い通りにならなくても当たり前なのです。

ただ、ここで諦めないこと。
必ず、打開策があるのです。
必ず、方法があるのです。

その打開策・方法こそが、「カンタンすぎる人事評価制度」であり、「能力開発制度」そして、「技量・能力・力量のハードル」なのです。

ですから、人材育成を諦めないでください。
人材育成を放置したままにして、「結果的に人材が育った」を期待しないことです。

人材育成のPDCAを廻して、人材育成を成し遂げ、その仕組みを標準化して、組織として仕組みにしてください。

人材が育てば、会社として解決すべきことが解決でき、達成すべきことが達成できます。

組織を動かすのは、人材なのですから。
ぜひ、「カンタンすぎる人事評価制度」を有効活用してください。

【参考情報】人事評価制度とは?

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