12回:「賃金制度」改定の難しさ

今日は、賃金制度の策定コンサルです。
昨日もお話ししましたが、賃金制度の仕組みを策定し、「賃金規程」(給与規程)を策定するのであれば、社会保険労務士の業務ということになります。

今回は、まず、賃金制度の策定を行います。
そして、その策定した内容をマニュアル化するのです。
そのマニュアルが、「賃金規程」(給与規程)ということになります。

この賃金制度は、人事評価制度で評価した結果をどのように賃金に反映するのかの仕組みとなります。

要するに人事制度の一つとなります。

私の考える人事制度は、
・人事評価制度
・能力開発制度・人材育成制度
・賃金制度
・職能資格等級制度
ですから。

今回、賃金制度を策定する企業さんには、既に、人事評価制度、職能資格等級制度、人材育成制度を策定させていただきましたので人事制度の最後の仕組みを本日策定ということになります。

この賃金制度。

社会保険労務士として、「就業規則」の賃金に関する内容を決定していくのと少々異なります。

社会保険労務士として「就業規則」の内容の一部として賃金の支払いについて規定することは、
・現状を把握してその内容を明文化する
・労働基準法に則り問題のない給与支払方法を決定する
ということになりますが、人事制度コンサルタントとして賃金制度を策定する場合、この何倍も複雑な作業となるのです。

まずは、現状把握です。
これは社会保険労務士が賃金に関する内容を決定するのと同じです。

現状、どのような賃金体系なのか?手当を支給しているのか?
その支給している手当で、廃止すべき手当はあるのか?
逆に新設する手当はあるのか?

これらの決定を企業側に委ねていても決定できないことが多いのでコンサルタントとしては、
既存の手当てを廃止した場合にどうするのか?
新設した場合にどうなるのか? などをシミュレーションしていくのです。

どのような手当てが存在するのか、どのような手当てが必要なのかをコンサルタントとして提案していくのです。

例えば、年齢給を導入する場合、開始年齢の金額はいくらなのか?
1歳ごとに加算する金額はいくらなのか?
何歳まで加算していくのか?
必要な場合、何歳から減額していくのか?
これらを手早く見える化していきます。

賃金体系、支給する手当が決定したら、現状、支給している給与内容を基に新しい賃金体系、支給手当を当てはめていきます。

このとき威力を発揮するのがエクセルシートです。

基本的には、現状の従業員全員分の既存給与を入力したうえで、新賃金制度にした場合と比較していきます。

このように文章にするとスムーズにいくと思われますが実は、これがなかなかスムーズにはいかずに喧々諤々、疑問点の嵐となり、一つ一つ解決していくのです。

今日は、午前9時に開始して午後4時過ぎに予定通り終了しましたが昼休憩の直前は「今日中に終了できるのだろうか?」と思えたほどでした。

この賃金制度の策定。
「カンタンすぎる人事評価制度」の「評価表」の策定よりはまだ疲れないのですが、かなり疲れました。

ただ、今回みたいにお客様に安心していただき、喜んでいただけるとコンサル冥利に尽きるというものです。

ここで皆さんに少々無理かもしれませんが提案です。

会社を設立するとき商号を決定し、本店所在地を決定し、取締役を決定し、代表取締役を決定します。
他にも決算日も決定しますね。

このような感じで、賃金の仕組みも最初に決定しておくと良いのです。

法人設立時は無理でも、最初の正社員を雇用するときに賃金の仕組みを決定しておくと後々、大変ラクなのです。

通常、最初に正社員を雇用する場合、余程、資金力に余裕がある場合を除いて、1名の雇用となりますが、その1名を雇用するときに賃金の仕組みを決定してしまうのです。

今回、このブログでは、賃金の仕組みの構築がいかに大変か、説明してきましたがそれは、既に人材を雇用しており、何らかの賃金支給の仕組みが稼働した後で新賃金制度を策定するからなのです。

既存の賃金支給の仕組みがるからこそ、新賃金制度との乖離や矛盾点をつぶしていかなくてはならないのです。

人材を初めて雇用するときに適切な賃金制度を策定しておけば非常にラクなのです。

実際は、なかなか難しいとは思いますが、子会社を設立する場合や、ホールディングス制を導入するために新設法人を設立する場合は、ぜひ、最初に賃金制度を策定しておいてください。

何ごとも途中からの導入は非常に手間がかかるのです。
最初が肝心なのです。

明日は、「カンタンすぎる人事評価制度」を導入して頂いた企業の全社員への説明会です。

非常に前向きでやる気のある若手社長、若手専務の組織なのでコンサルタントとしてもやりがいがある会社です。

【参考情報】人事評価制度とは?