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2021.2.21

賃金制度

0169回:賃金テーブルについて(2023-11-20更新)

ここ最近人事評価制度(人事考課)に立ち返って、一般的な人事評価制度への問題点・不満と「カンタンすぎる人事評価制度」の相違点を考えてみました。

今回もその続きです。

一般的な人事評価制度の問題点 その8:賃金テーブル(賃金表)使用の問題点。

前回の最後に相対評価を絶対評価の違いを説明しました。

そして、人事評価制度(人事考課)は、基本的に絶対評価が望ましいことも説明しました。

なぜなら、がんばって成果を出した人材がそのまま評価されるためです。

ただ、一つ問題が。
それが、絶対評価と賃金テーブル(賃金表)を併用した場合です。

賃金テーブル(賃金表)とは、予め、支給する賃金が決められており、その賃金に「号俸」という段階賃金が決められています。

例えば、次のような感じです。

1号俸:100,000円
2号俸:101,000円
3号俸:102,000円
4号俸:103,000円
5号俸:104,000円



この、号俸ごとの金額の差をピッチ と言います。

上記の場合だと、ピッチは1,000円ですね。

で、絶対評価で人事評価の結果、全社員20名のうち、全員が頑張って成果を出し、最高の「S評価」を獲得したとしましょう。

評価結果により、予め次のように決められています。

S=5ピッチの昇給
A=4ピッチの昇給
B=3ピッチの昇給
C=2ピッチの昇給
D=1ピッチの昇給

この場合、全社員20名が最高の「S評価」ですから、一人5ピッチの昇給となります。

5ピッチの昇給とは、5,000円ですね。

と、なると、5,000円×20人 ですから合計100,000円の昇給となります。

これは、毎月10万円となりますから年額にすると120万円です。

これに社会保険料なども加算されますから実施は、120万円を超えてしまいます。

問題はここからです。

賃金テーブル(賃金表)を使用することにより、自社の昇給に充てられる予算額をオーバーしてしまうのです。

この会社は、毎月10万円以上、年額で120万円以上となります。

従業員のための昇給の原資(予算)が可能なのでしょうか?

結局、不可能というか、問題アリということで、この月10万円以上の昇給は見送られるのです。

絶対評価で、20名全員が最高評価である「S評価」を獲得してもそれがムダになる可能性があるのです。

結果、どうするのか?

全員、最高の「S評価」を獲得したにも拘らず、「C評価」に落としてしまうのです。

C評価でしたら、2ピッチで昇給額は一人当たり2,000円ですから、20人で40,000円です。
年間で480,000円です。

これって、ダメですよね。
せっかく頑張って成果を出した社員の気持ちはどうなるのでしょうか。

また、もう一つの方法があります。

それは、昇給額に係数を掛けるのです。

先ほどの例ですと、従業員20人が最高評価の「S」を獲得し、5,000円×20人 ですから合計100,000円の昇給となります。

しかし、その、5,000円に調整係数を乗じるのです。
要するに、

5,000円×0.2=1,000円

この「0.2」が調整係数です。

こちらの場合は、評価は最高評価の「S」のままですが、昇給額に20%(0.2)を乗じることにより昇給額を抑えることができるのです。

でも、これって、本末転倒ですよね。

評価される側から視れば頑張った意味がないようです。

ですから、絶対評価は必要ですが、賃金テーブル(賃金表)との連動は注意が必要です。

賃金テーブル(賃金表)を活用するのは組織の利益や儲けに無頓着な役所や、常に儲かっている企業であれば問題ありませんが、一般の中小企業では賃金テーブル(賃金表)の活用には注意してください。

では、人事評価の結果をどのように反映させるのか?

「カンタンすぎる人事評価制度」では、昇給金額分配ソフトを無償で配布しています。
これは、最初に昇給原資に充てられる予算を決定した頂いたうえで、その予算について評価結果を基に各従業員に自動計算し、分配するための計算シートです。

ただ、何といっても一番の問題は、全員ががんばり、成果を出したて最高の「S」評価を獲得したのであれば、会社も儲かり、昇給原資というか昇給予算もアップできるはずなのですが、従業員の頑張り・成果が会社の業と連動していないことが大問題なのです!!!

この「従業員のがんばり・成果」 と「会社の業績・儲け」 が連動していない人事評価制度(人事考課)自体が非常に問題なのです。

そのような人事評価制度(人事考課)が本当に多く存在するのです。

この原因の一つに人事制度コンサルの中には、数字に弱いコンサルが居るようなのです。
財務諸表も読めなければ経営計画も立てられないという。

人事労務関係のコンサルであれば、数字に弱くても仕方ないように思えますが、会社を運営するための仕組みは連動させなくてはなりませんのでこれらの知識は指導者(コンサルタント)としては必須と言えます。

【参考情報】人事評価制度とは?

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