0125回:教育・訓練のニーズについて

前回は、人事評価制度(人事考課)とも関連のある教育訓練のセミナーの講師の力量の根拠について説明しました。
このことは、「能力開発制度」とも非常に関係が深いことなので理解をお願いします。

前回は、セミナーテーマの講師としての力量の根拠が乏しい講師を活用すべきでないことをお伝えしました。

すべての現象に根拠がありますから。

あなたも人事評価制度(人事考課)の専門家と言える根拠がないコンサルタントから人事評価制度(人事考課)の指導は受けたくないですよね。

今回は、教育のニーズについてです。

あなたの会社では、教育訓練計画はありますか?

まさか、その教育訓練計画、場当たり的に立案していませんか?

もちろん、教育訓練計画にも根拠が必要なのです。

なぜ、この教育訓練が必要なのか?

教育訓練計画の根拠とは、教育訓練のニーズのことです。

「ニーズ」とは、必要性のことです。

教育訓練の必要性があるので、それを反映した「教育訓練計画」が策定されるのです。

では、教育訓練のニーズとはどのようなことでしょうか?

この理論は、私がマネジメントシステムの主任審査員として1200回以上の経験を根拠にした考え方です。ですから、一般の人事制度コンサルの方とは一線を画しているかもしれません。
(もちろん、社会保険労務士とも)

ただ、この教育訓練のニーズの考え方は絶対的な自信を持っていますので、あなたの会社でもどうか安心して採用してください。

「教育訓練のニーズ」とは、前述のとおり「教育訓練の必要性」ですから、なぜ、その人材に、当該教育訓練が必要なのかの根拠が存在します。

その根拠があることにより、ロジカル(理論的)に説明できるのです。

では、人材ごとにどのような教育訓練が必要なのかをどのように判断するのか?

このことは、さんざん「カンタンすぎる人事評価制度」でも説明済みですが、会社側が人材側に要求する「力量のハードル」なのです。

人材に対して、具体的に、「ここまでの力量・技量を身につけてください」というハードル設定のことなのです(力量のハードル)。

この力量のハードルを設定することにより教育訓練の必要性が明確になるのです。

具体的には、
・会社側が人材に要求した「力量のハードル」・・・1
・人材の現状の力量・・・2
の差を埋めるための教育訓練が必要になるのです。

この教育訓練こそが「教育訓練のニーズ」なのです。

例えば、設備工事業者の場合、「1」の会社が要求した力量として
・3,500万円以上の「施工計画書」を一人で策定できる
とした場合で、
「2」の現状の力量が
・「施工計画書」を作成したことが無いということであれば、「1」と「2」の力量の差を埋めるために公共工事の専任性を要する「施工計画書」を一人で作成できるようになるための教育訓練が必要となるのです。

このための教育訓練として、

・座学の社内教育若しくは社外教育
・OJTとしての教育
などが考えられます。

この教育訓練の計画を「教育訓練計画」に落とし込んでいくのです。

これが、「教育訓練のニーズ」を反映した「教育訓練計画」といえます。

このことが人事制度における能力開発制度の基本的な考え方なのです。

一般的に人事評価制度コンサルタントは能力開発制度についは、非常に苦手意識がありその結果、安易に自己啓発や通信教育の活用などでお茶を濁しているのだと思います。

私は、マネジメントシステムの経験から前述の理論に気づき、「能力開発制度」が一番説明しやすく構築・運用しやすい得意分野となりました。

そうそう、一つ蛇足かもしれませんが付け加えておきます。

会社から強制的に参加させられる自己啓発研修ほどムダなものはありません。

あからさまに自己啓発研修ではなくても類似の研修も然りです。

自己啓発研修は、他人に言われて参加するものではなく自分自身が必要と感じたら参加すべきなのです。
だからこそ、その場合は効果があるのです。

さらに問題なのは、宗教がらみの研修への強制参加です。

従業員からすると迷惑この上ないですね。

宗教についても信仰の自由があるのですから
強制的に参加させるべきではありません。

宗教関連の研修に企業が従業員を無理やり参加させるということは場合によってはパワハラの疑いさえあると思われます。

そもそも、宗教関連の教育は、教育のニーズには該当しないでしょう。

従業員に会社内での布教活動を禁止しておいて、会社側が従業員に対して布教活動を行うこと自体違和感を覚えます。

人事制度には能力開発制度が組み込まれているはずですし、人事評価制度(人事考課)においても能力開発制度と連動させるべきですので今回のテーマである「教育のニーズ」の考え方をよくよく深く理解してくださいね。

【参考情報】人事評価制度とは?