カンタンすぎる人事評価制度なら、あおいコンサルタント株式会社

ブログ

BLOG

2025.3.13

賃金制度

社員が幸せになる中小企業向け人事制度:その3

社員が幸せになる中小企業向け人事制度:その3

社員が幸せになる中小企業向け人事制度:その3
「賃金制度」で人材の将来を提示しましょう

前回、前々回と
社員が幸せになる「人事制度」について説明しました。

今回は、その3回目です。

ここでおさらいしましょう。

社員が幸せになるためには、
ライフ(人生)の充実が必要であり、
ライフ(人生)を充実させるためには、
ワーク(仕事)の充実が近道であると 説明しましたね。

そして、ワーク(仕事)を充実させるための制度として、

・人材の価値と成果を認めるための「人事評価制度」
・人材の価値を認めるための「職能資格等級制度」
・会社が人材に求める力量を設定し育成していく「力量到達制度」

について、説明しました。
仕事
今回は、
人材の価値・力量を賃金に反映させる「賃金制度」
についてです。

「賃金制度」について話すと、
かなりの高確率で
「賃金制度とは、就業規則に規定してある給与支払いの規定内容ですよね?」と
おっしゃられる方が多いのですが、
全く違います。
バツ
「就業規則」や「賃金規程」に規定してある
給与の決定・計算方法は、単なるルールであり仕組みではありません。

しかも、その「就業規則」や「賃金規程」の
規定内容では、
中途入社予定の人材のお給料を決定できませんから。

なぜ、給与の決定・計算方法のルールを規定している文書なのに
中途入社人材のお給料を決定できないのか?

それは、ルールでさえないからです。
指摘
その元凶は基本給の決定方法の規定です。

殆んどの「就業規則」「賃金規程」の
基本給についての規定内容として、
次のような規定内容なのです。

第〇条
基本給は、本人の経験、年齢等を考慮しその都度決定する。

要するに、基本給の決定根拠がないのです。

その結果、中途入社人材の給与決定は、
次のように決まるのです。

会社側の面接者:前職でのお給料はおいくらでしたか?
求職者:30万円でした。
会社側の面接者:では、当社ではそれに少し色を付けて31万円でいかがですか。

その結果、2年ほどの間に入社した、
ほぼ同年齢、同程度の能力の3名の人材のお給料に
数万円の差ができてしまうのです。
困る
あなたの会社では、
社員同士が給与明細の見せ合いしても大丈夫でしょうか?

殆んどの会社では、
社員同士が給与明細を見せ合うことに非常に危機感を持っています。

それは、採用時の給与決定の根拠が
無かったり、あいまいであったりするからでしょう。
要するに後ろ暗いのです。

ではどうするのか?
考える
答えは、
仕組みとしての「賃金制度」を導入するのです。
仕組みとしての「賃金制度」を導入することにより
給与決定の根拠が非常に明確になります。

次のような中途採用候補者人材の給与額が
15秒ほどで算出できるのです。
驚く
【土木建設業】
・年齢:40歳
・学歴:大学の土木科卒
・保有資格:1級土木施工管理技士
・経験:5000万円以上の土木工事の主任技術者
・予定役職:課長
・格付け予定職能資格等級:4等級

「賃金制度」導入の長所を説明する場合に
前述の事例を出すのですが、
このことは、長所の本の一つであり、
実際、組織としての「賃金制度」導入の大きな長所は、
人材ごとの今後の進むべき方向・身につけるべき資格や能力等が
明確になるのです。
ベテラン社員
あくまでシミュレーションではありますが、
土木工事の技能者(職人)として、
土木施工管理技士等の資格を取得せずに
勤め上げた場合は、50歳の給与は、
30万円だが、
30歳のとき、一念発起して、
1級土木施工管理技士の資格を取得し、
土木工事の技能者(職人)から、
技術者に職種変更して、
なおかつ、管理職として活躍していくのであれば、
50歳のときのお給料は、
47万円になることを示せるのです。

以上のことを人材に示したうえで、
技能者(職人)の道を進んでいくのであれば、
それはそれで素晴らしいです。
しかし、技能者以上に責任ある仕事に就き、
給与を上げられることを根拠と共に示せるのです。
面談
「賃金制度」を導入すると、
〇歳のとき、〇万円のお給料にするためには、
何をすればよいのかを人材に示すことが出来るのです。

そして、選ぶのは人材本人です。

正に、人材自らが選択できるしごと、
いや、人生となるのです。

しかし、すべての「賃金制度」で、
このようなことが可能ではありませんので注意が必要です。

人材に数種類の人生のパターンを示すことが出来る
「賃金制度」であることが重要なのです。
ポイント
もちろん、そのような「賃金制度」にするためには、
賃金に反映させるインプットである
・人事評価結果
・職能資格等級格付け
・力量到達制度
を機能させる必要がありますが、
このような「賃金制度」こそ、
社員を幸せにする「賃金制度」なのです。

あなたは、意外かもしれませんが、
「賃金制度」とは、
人材の人生の道標(みちしるべ)となる仕組みなのです。

昨今の人手不足対策として、
〇〇の一つ覚えみたいに
給与を上げる企業が続出していますが、
それが出来るのは、大企業です。

中小企業は、そのようなバカげた戦術は慎むべきです。

昇給以外にも人手不足解消に役立つ
「賃金制度」があるのです。
達成
あなたの会社でも人材にぜひ、
〇年後の将来を提示してあげられる「賃金制度」を導入してはいかがですか?

そして、社員を幸せにしましょう。

最後までお読みいただきありがとうございます。

今日作って明日から使用する人事評価制度の勉強会はコチラ

執筆者 山本昌幸プロフィール:
人事制度(人事評価制度、賃金制度)指導歴28年超の専門家、特定社会保険労務士。「人事制度(人事評価制度・賃金制度)セミナー・勉強会」の講師を180回以上務め、社長・経営層の延べ受講生1900名以上。
自らの約10名の従業員を雇用する組織の経営者。
商業出版書籍
「人事評価制度が50分で理解でき、1日で完成する本 (忙しい社長のためのビジネス絵本) 」(同友館)
「今日作って明日から使う中小企業のためのカンタンすぎる人事評価制度」(中央経済社)
「従業員のための人事評価・社長のための人材育成」(同友館)
「人手不足脱却のための組織改革」(経営書院)
「『プロセスリストラ』を活用した真の残業削減・生産性向上・人材育成実践の手法」(日本法令)等

TOP mail_outlineお問い合わせはこちら