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真の労働時間削減・残業時間削減とは?

真の労働時間削減・残業時間削減とは?

当ページでは、「小手先の残業代の削減」「真の残業時間の削減(時短)」の違いについて説明します。

通常、「ムダな人件費(残業代)」を削減するためには二通りのアプローチがあります。

小手先の対策:変形労働時間制や残業申告制を活用し残業代を削減する。
真の対策:ムダな労働時間発生の原因を突き止め対策を施し残業時間を削減ていく。

残業時間ではなく残業代を削減するだけでしたら「1.小手先の対策」で十分でしょう。確かに社会保険労務士に相談し、「1.小手先の対策」である、変形労働時間制の採用をした次の会社の場合残業代は削減できますね。

事例:A社の場合

休日:日曜及び隔週土曜日(第一、第三土曜日)
一日の労働時間:7時間30分(7.5時間)
出勤の土曜日(第二、第四曜日)の労働時間:5時間

モデル月:2014年2月
(その他、詳細な条件等はここでは割愛します)

簡単に理解していただくために、省略して事例説明しますが、出勤である第二、第四土曜日を含める週は一週間の労働時間が、42.5時間([7.5時間×5日] + 5時間)となり、一週40時間を超えるため、各週2.5時間づつ、計5時間の残業が発生します。
そこで、一か月単位の変形労働時間制を採用したところ、変形労働時間制を採用しない場合の月5時間の残業時間が残業時間では無くなるのです。

一カ月単位の変形労働時間制とは、一か月以内の一定期間を平均し、一週間当たりの労働時間を法定労働時間(通常は、一週=40時間、一日=8時間)を超えない範囲内において特定の日や週に法定労働時間を超えて労働させることが出来る制度のことです。

一人当たり、月5時間削減できた場合、年間で60時間。
30人の従業員を雇用している場合は、

60時間 × 30人 = 1800時間

なんと、年間、1800時間分も残業代が削減できます。
仮に、従業員の一時間当たりの平均残業手当(時間外労働手当)が1600円の場合、

1800時間 × 1600円 =2,880,000円

ナント、年間288万円も残業代が削減できます!

社会保険労務士に労働時間削減、残業削減を相談した結果、288万円も節約できる。
素晴らしいですね。
でも、チョット待ってください。
よーく考えてみると、確かに会社(使用者側)は、288万円節約できたかもしれませんが、労働時間は1時間も削減されていませんよね。

変形労働時間制という残業時間の判定手法の考え方を変えるという手段を用いて、本来の残業時間を所定内労働時間としたことにより、残業代は確かに削減できましたが、残業時間自体は一時間も削減できていませんよね。
これが小手先の対策なのです。

「小手先の対策」が悪いのではなく、「小手先の対策」は単なる対処療法に過ぎないので根本的な対策にはならないということです。

問題には必ず原因があります。
この場合、「問題=残業発生」ですから、残業発生には必ず原因があり、その原因を突き止め、対策を施すことにより残業代ではなく、残業時間を削減しなくてはならないのです。

他にも社会保険労務士が提案する労働時間削減対策・残業時間削減対策として、「残業の申告制」や「ノー残業デーの設置」とうがありますが、これらも単なる対処療法であり、残業の原因を明確にしたうえでの対策ではないので効果が無かったり、持ち帰り残業やサービス残業が増えただけや、効果が出たとしても限定的でありかつ、しばらくすると元に戻ってしまう場合が殆どです。

では、小手先ではない真の労働時間削減・残業削減対策は誰に相談すればよいのでしょうか?

相談相手に必要な知識とは次の通りです。

小手先ではない真の労働時間削減、残業時間削減のために必要な知識

  • 品質管理の知識
  • マネジメントシステムの知識
  • プロセス管理の知識
  • 改善活動に関する知識
  • 不適合発生に対処する知識
  • 是正処置の知識

これらの知識を持ち合わせている社会保険労務士と出会うことはまず難しいでしょう。これらの知識は社会保険労務士の方々が持ち合わせている知識とは対極にあるモノであることもご理解頂けるでしょう。
では、これらの知識を持ち合わせている専門家は誰なのでしょうか?
通常考えられるのは、マネジメントシステム系のコンサルタントですね。
要するに、

残業代の削減対策は、社会保険労務士に相談する。
残業時間の削減対策(時短)は、マネジメントシステムコンサルタントに相談する。

これが正しい選択です。

ムダな労働時間とは?コチラをご覧ください>>
時短マネジメントシステムについてはコチラ>>

ただ、このマネジメントシステム系のコンサルタントにも弱点があります。

それは、労働関係法令の知識が無いので、労働時間削減・残業時間削減(時短)対策として実施する対策が、違法行為になる可能性があるのです。例えば、

例1)

労働時間を含めた改善活動に自主的に参加する仕組みを構築し、月2回18時~20時を改善活動に充てていた(参加者10名)。この改善活動はあくまで自主的な活動なので残業手当の支払いの対象としていない。さらに、後日、残業手当を請求しない旨の「誓約書」まで書かせていた。

この事例は、一見、問題の無いように思えますが、果たしでそうでしょうか?改善活動に参加している従業員にとって、「自主的参加」といいつつ、「参加を断れない雰囲気」や「無言の参加への圧力があること」が予想され、後日、無払い残業代として請求されることも大いに考えられます。
「誓約書」についても、なまじこの「誓約書」の存在が、改善活動への強制参加を促す材料と判断される可能性もあるのです。

例2)

残業時間発生の原因を「ある従業員の力量不足」と特定し、期限を設定し、その期限までに、企業側が設定した力量基準を上回らなければ解雇の対象とする仕組みを構築・運用した。

この事例は、不当解雇に該当する可能性が非常に高いですね。

例3)

製造業における生産計画における残業発生の原因を突き止めたところ、急な注文が午後7時くらいに入り、生産計画担当者が居残り残業や翌日の早出残業に繋がってた場合の対策として、急な注文は生産計画担当者に直接、連絡が行くようにして、生産計画担当者が自宅で生産計画の骨子を立案し翌日出勤する仕組みにしたところ、生産計画立案にかかわる居残り残業や早出残業が無くなった。この場合、生産計画担当者の自宅での労働は賃金支払いの対象としていなかった。

この事例は確かに会社における残業時間は無くなりましたが法的には問題がある対策であることはおわかりでしょう。

また、労働時間削減・残業削減(時短)の仕組み自体ではないですが、次のような取組みにもお目にかかったことがあります。

例4)

残業時間奨励制度と称して、従業員から月々100円徴収し、それをストックし残業削減成果が顕著であった部署に対して交付し、慰労する。

この取り組みは自体は、「何が違法なの?」と思われるかもしれませんが、労働基準法第24条の「賃金支払いの5原則」のうちの「全額払い原則」に抵触しているのです。

例5)

人事制度の構築を担当したコンサルタントが、そもそも退職金の制度が無い会社に対して「○○退職金制度」を導入し、結果的に当該企業において退職金制度が定着してしまった。

このことは、退職金制度という福利厚生が充実した好例かもしれませんが、この会社にとって本当に退職金制度の導入が必要だったのでしょうか?決してそうではなかったようです。

以上のように、ヒトの問題を扱うコンサルタントの中には労働基準法を始めとする労働関連法令の理解が非常に甘く(殆ど理解していない輩もいる)、結果的に法令違反の仕組みや取組を導入させてしまった事例を私自身のマネジメントシステムの審査でいろいろ遭遇しました。

確かに、前述したように、残業代の削減ではなく、真の残業時間の削減(時短)や生産性向上による労働時間の削減を指導できるコンサルタントは、社会保険労務士ではなくマネジメントシステムコンサルタントではありますが、労働関係法令の知識の欠如により、真の労働時間を削減したい企業にとって、誰に相談してよいのか分からず、非常に困った状況であるとのことです。
労働時間についてコンサルティングするのであれば、その企業の「就業規則」に規定してあることのすべてを理解できる程度の労働関連法令の知識が必要なのですが・・・・・。

そんな時、やはり企業にとっては、法令遵守を優先することから労働時間の削減について労働関係法令のエキスパートである社会保険労務士に相談してしまうのですね。
このことは、消去法や優先度(法令遵守が第一)で考えると仕方のないことなのかもしれません。
ただ、社会保険労務士では残業時間の削減対策(時短)はほとんど期待できないことは前述したとおりです。

では、どうすればよいのでしょうか?

対策を指導する側(コンサルタント側)に立って考えてみましょう。

まず、社会保険労務士がマネジメントシステムコンサルタントが持ち合わせている知識を身に付ければよいのですが、正直、これは非常に難しいです。これの知識は、書籍等の読書による机上で身に付けられる知識ではなく、実際の経験により身に付けられる知識だからです。

では、マネジメントシステムコンサルタントが労働関係法令を身に付けることは可能なのでしょうか?これは可能だと思います。もちろん、さまざまな企業からの労働関係法令の相談への対応等の経験は有益ですが、専門書の読書等で身に付けられる知識が相当あるためです。その根拠として、これらの知識はあくまで法律論だからです。ですから、現場での経験も重要ですが、書籍での知識吸収も有効なのです。
問題は、マネジメントシステムコンサルタントが労働関係法令を身に付けているという証明をどうすればよいのかですね。
まぁ、早い話がマネジメントシステムコンサルタントが社会保険労務士試験に合格すればよいのですが・・・・・。

これ以上、業界の真実を暴露していくと、誤解を招き、問題が生じる可能性もありますので、小手先ではない真の労働時間削減、残業時間削減及び生産性向上を行いたい会社の方はお試しで私どもに無料相談してみてください。ゼッタイに後悔させませんので。

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