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ムダな労働時間とは?
「残業時間の削減」 と 「生産性向上」 は違います。
「残業時間の削減」とは、「不適合の処置~再発防止処置(是正処置)」ですね。
「生産性の向上」とは、「改善」です。
ただ、労働時間削減(時短)のためには両方とも重要です。
実は「ムダな労働時間」といっても二種類あるのです。
当社が労働時間削減(時短)を企業に指導させて頂く場合、次の二つの文言を使います。
「蒸発状態」と「のそり状態」。
蒸発状態:作業していない状態のこと。
具体的には、終業時間中に
- 何もしていない
- おしゃべりしている
- タバコを吸っている
- 自分が飲むお茶を淹れている
- 何か食べている
これらは本来、業務を処理すべき時間に業務していないのですから、蒸発している状態と同じということです。
ただ、蒸発している状態といっても、おしゃべりしていたら周りは声がうるさく、喫煙では煙が迷惑なので蒸発状態より性質が悪いのです。
この“蒸発状態”ということは、稼働していないということです。
のそり状態:作業効率が悪い状態のこと。
要するに頭、手、足、口、目、耳、鼻が期待通り働いていない状態のことです。
この“のそり状態”ということは、効率が悪い状態です。
「蒸発状態」も「のそり状態」も労働時間削減(時短)のうえで大きな障害になります。
労働時間削減(時短)を行う場合、「効率」と「稼働率」が非常に重要ですが、この二つの足を引っ張るのが「蒸発状態」と「のそり状態」です。
この二つの敵を徹底的に懲らしめなくてはなりません。
「蒸発状態」というのは明白なのですが、「のそり状態」はあまり明確にならない場合があります。例えば、能力のない作業者は端から見ると一生懸命作業しているので「のそり状態」とは見えないかもしれませんが、「能力が無い=作業が遅い」ということであれば、立派な?「のそり状態」と言えるでしょう。
実はこのようにまじめなのそり状態を洗い出すことが労働時間削減(時短)にとって重要なのです。
逆に、能力の高い作業者は何事も早く作業をし終えるので、ふと、その作業者をみると「蒸発状態」であることがわかり、「不真面目な作業者だな」と思われる場合もあります。
もちろん、与えられた作業が終了して手が空いた場合、何か他にできることが無いのかを考えて処理していくことも労働時間削減(時短)で重要ではありますが、労働時間削減(時短)活動を始めて、すぐにそこまでの考えに辿り着くことは難しいので致し方ないでしょう。
また、社長の悩みとしては、能力の高い従業員は所定労働時間内で業務を済ませ、結果、残業代はほとんど発生しないが、能力の低い従業員ほど、所定労働時間内で作業が終了せず、結果、時間外労働となり残業手当が発生してしまうという、逆転現象が悩みの種の社長が多々いらっしゃいます。
この例は、のそり状態である従業員に対してどのような処置を施すのかが重要ですが、その前にその従業員が能力が低くのそり状態であることを見つけることも労働時間削減(時短)に取り組む上で重要でしょう。
まだまだ、書ききれないことがたくさんありますが、労働時間削減(時短)にに取組む以上、「効率」(作業効率)と「稼働率」は常に意識する必要があるでしょう。