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今、流行りのChatGTPで人事評価制度を策定することも可能です。
中小企業に拘わらず中堅企業・大企業であっても
人事評価制度・賃金制度を策定する際、
専門のコンサルタントに策定を依頼することが多いと思います。
それはそれで構わないのですが、
中小企業が独自に自社だけで人事評価制度・賃金制度を
策定することはできないのでしょうか。
結論から申し上げますと、
中小企業が独自で人事評価制度や賃金制度を策定することは可能です。
但し、人事評価制度・賃金制度を策定するためには
それ相応の知識や経験が必要となります。
この“知識”については、
・人事評価制度・賃金制度セミナー(勉強会)への出席
・人事評価制度・賃金制度関連書籍の読書
等により、身につけることが可能です。
但し、“経験” については、
中小企業の担当者や社長が身につけることは困難と言えましょう。
では、人事評価制度・賃金制度を策定するうえで、
“経験”は必要なのでしょうか?
残念ながら「必要」と言わざるを得ません。
様々な組織・企業の人事評価制度や賃金制度を策定した経験や
精査した経験は、何モノにも代えがたいので
やはり“経験”は必要です。
この人事評価制度・賃金制度策定の“経験”は、
コンサルタントにも必要なことなので、
仮に、あなたの会社が外部のコンサルタントに
人事評価制度・賃金制度の策定を依頼するのであれば、
ズバリ、今まで何社くらいの経験があるのかを
会社名(実名)と共に訊いてみる必要があるでしょう。
では、中小企業が自社で人事評価制度・賃金制度を
策定する場合、この“経験”がないために
自社独自での策定を断念しなくてはならないのか。
中小企業が人事評価制度・賃金制度を策定する場合の大前提として、
社長若しくは経営層自らが策定しなくてはならないこと。
であれば、
社長若しくは経営層が、
人事評価制度・賃金制度策定の“経験”を
身につけなくてはならなくなりますが、
ただでさえ多忙な社長・経営層にそのような時間があるとは思えません。
そこで、登場するのが、ChatGTPです。
ChatGTPで、
自社の人事評価制度や賃金制度が策定可能なのか?
まず、賃金制度で考えてみましょう。
中小企業がコンサルの助けなしに
自社で賃金制度を策定する場合、
・どのような手当てを導入するのか
・最近の賃金制度のトレンド
などについては、ChatGTPを活用できるでしょう。
ただ、あなたの組織・会社に見合った賃金体系や手当を
決定することは難しいのかもしれません。
また、
「旧賃金制度」と「新賃金制度」の
支給金額のシミュレーションなどは
ChatGTPでは、できないと思ってください。
以上のことから、中小企業が自社で賃金制度を策定するために
ChatGTPを活用することはあまり期待できないでしょう。
人事評価制度については、どうでしょうか。
「評価項目」や「評価基準」の策定において、
ChatGTPは活用できると思います。
自社の状況や部署の状況を特定されない範囲で
ChatGTPに打ち込んだうえで、
「評価項目」と「評価基準」の候補を探してもらうのです。
実際にやってみるとご理解いただけるのですが、
結構、自社の実態に即した「評価項目」が表示されます。
このChatGTPで表示された人事評価制度の「評価項目」は、
そのまま使うのは無理としても、
少々加工することにより実用性の高い「評価項目」となるでしょう。
「そもそも、その“少々加工する”というのが面倒くさいんだよなぁ」と
思われる社長・経営層の方は
ChatGTPは、使用しないほうが無難でしょう。
正直、中小企業の人事評価制度における
「評価項目」については、
少々加工が必要だとしても、
十分に活用できると思っています。
問題は、
「評価基準」
です。
巷にあふれている一般的な人事評価制度の
一番の問題点は、
・評価基準が無い
・評価基準があいまい
・すべての「評価項目」に対して同一の評価基準
なのです。
だからこそ、評価を担当する人によって
評価のバラツキが出てしまい、
評価結果のブレが生じるのです。
そのため、評価結果を被評価者本人へフィードバックができなく
不満がたまり、使えない人事評価制度となるのです。
では、ChatGTPで、
評価がブレない「評価基準」ができるのでしょうか。
これはかなり難しいでしょう。
ChatGTPを上手に使いこなすためには
質問の仕方が非常に重要です(プロンプト)。
このChatGTPへのプロンプトが上手くできないと
使いこなせません。
人事評価制度で「評価基準」を策定するうえで、
明確な基準を導き出せるChatGTPへのプロンプトを行うには
正直、
巷にあふれている一般的な人事評価制度 ではなく、
「評価項目」「評価基準」が明確な、誰が評価しても同一の評価となる人事評価制度 を
策定できるほどの“経験”や“知識”が必要となりますので、
ChatGTPで、策定することは難しいという結論になります。
まとめますと、
評価結果にブレが生じてしまう一般的な人事評価制度
であれば、ChatGTPで策定可能。
「評価項目」「評価基準」が明確な、誰が評価しても同一の評価となる人事評価制度
を策定したいのであれば、
中小企業の社長・経営層がChatGTPを活用して策定するのは不可能。
だと思います。
あなたは、どちらの人事評価制度を導入したいですか?
最後までお読みいただきありがとうございます。
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執筆者 山本昌幸プロフィール:
人事制度(人事評価制度、賃金制度)指導歴28年超の専門家、特定社会保険労務士。
商業出版書籍に「人事評価制度が50分で理解でき、1日で完成する本 (忙しい社長のためのビジネス絵本) 」(同友館)、「今日作って明日から使う中小企業のためのカンタンすぎる人事評価制度」(中央経済社)、「従業員のための人事評価・社長のための人材育成」(同友館)、「人手不足脱却のための組織改革」(経営書院)、「『プロセスリストラ』を活用した真の残業削減・生産性向上・人材育成実践の手法」(日本法令)等がある。
「人事制度(人事評価制度・賃金制度)セミナー・勉強会」の講師を160回以上努め、社長・経営層の延べ受講生1600名以上。
自らの約10名の従業員を雇用する組織の経営者。