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中小企業の人事評価制度・賃金制度に一番必要なこと

中小企業の人事評価制度・賃金制度に一番必要なこと

大企業と同じような人事評価制度・賃金制度を中小企業が導入することは危険すぎます。

今回は、中小企業が導入すべき人事評価制度・賃金制度について考えてみましょう。

まず、強く言いたいことがあります。

中小企業が大企業向けの人事評価制度・賃金制度を導入するということは、
自動車免許取りたての初心者がいきなりフェラーリを運転するようなこと
なのです。
初心者マークフェラーリ
誤解の無いようにに付け加えますが、
「大企業向けの人事評価制度・賃金制度 ≠ フェラーリ」であり、
大企業向けの人事評価制度・賃金制度はフェラーリではないということ。

単にモノの例えです。

要は、
決してやってはいけないこと
なのです。
ダメ
この辺のことを勘違いしている方も多々いらっしゃると覆います。
例えば、
「当社みたいな中小企業でも大企業用の人事評価制度を導入したい」
など。

本当にトンデモナイことです。

大企業には大企業向けの人事評価制度・賃金制度があり、
中小企業には中小企業向けの人事評価制度・賃金制度があるのです。
適材適所
では、
大企業向けの人事評価制度・賃金制度と
中小企業向けの人事評価制度・賃金制度とでは
どのように異なるのでしょうか。

いろいろありますが、
大企業用の人事評価制度・賃金制度は、曖昧でも構わない。
しかし、
中小企業用の人事評価制度・賃金制度は、明確であることです。
要するに
中小企業用の人事評価制度は、
なぜ、
その「評価項目」を設定したのか明確な根拠が必要であり
ナニが出来れば高評価を獲得できるのかという明確な「評価基準」が必要です。
基準 根拠
中小企業用の賃金制度にしても
どのような場合にいくら支給するのかを明確にする必要があります。

対して、大企業用の人事評価制度は、
あえて、曖昧な「評価項目」や「評価基準」が設定されます。

大企業用の賃金制度にしても
ブラックボックスが存在しても良いのです。
ブラックボックス
なぜ、
中小企業用の人事評価制度・賃金制度 と
大企業用の人事評価制度・賃金制度 とでは、
異なるのでしょうか?

それは、そもそもこれらの仕組みの導入・運用目的が異なるからなのです。
人事評価制度・賃金制度の導入目的
中小企業の人事評価制度の目的は人材育成です。
中小企業の賃金制度の目的は公平性と客観性を担保し人事評価の結果を明確に反映させるためです。

大企業の人事評価制度の目的は人材を競わせ順位付けすることです(その先もあります)。
大企業の賃金制度の目的は恣意的な人事管理の結果を反映させるためです。

中小企業と大企業では、そもそも目的が異なるから
仕組みも異なるのです。

また、別の視点からは、
身の丈に合った人事評価制度・賃金制度が必要
ということです。

そもそも15名や70名規模の中小企業に
数千人から数万人規模の大企業用の人事評価制度・賃金制度は身の丈に合わないのです。
身の丈に合った人事評価制度・賃金制度
今回のブログでは、
中小企業向けと
大企業向けとという着眼点で説明していますが、
そもそも、人事評価制度も賃金制度も
あなたの会社のためだけに策定された仕組みであるべきなのです。
たった一つの人事評価制度・賃金制度
中小企業、大企業を問わず、
どこかの企業の人事評価制度や賃金制度をまねて策定しても
フィットしないのです。

自社のためだけに
一から・・・いや、
ゼロから策定された人事評価制度や賃金制度だからこそ
改善ができますし、
PDCAも廻せ、
スパイラルアップもできるのです。
スパイラルアップ・PDCA
この
“自社のためだけに”
中小企業の人事評価制度や賃金制度を策定するためには
社長! あなたが策定しなくてはなりません。

もちろん、社長お一人では
人事評価制度も賃金制度も策定するのは難しいかもしれません。
ただ、たとえ外部の専門家であるコンサルタントの力を借りたとしても
社長も一緒に策定しなくてはなりません。
人事評価制度・賃金制度コンサルタント
間違っても、
コンサルタントに丸投げでは
あなたの会社で活用できる人事評価制度も賃金制度も策定はできないでしょう。

世界にたった一つだけの
中小企業向けのあなたの会社の人事評価制度・賃金制度。
ぜひ、策定してみてください。

当ブログの最後に重要なことを一つ。

あなたの会社の人事評価制度は、次のことを実施してください。

評価期間の開始前に
(4月1日~翌年3月31日が評価期間の場合、3月31日までに)
予め「評価項目」「評価基準」を公表して掲示しておく。
掲示
評価結果は必ず評価の根拠と共に本人にフィードバックする。

これを絶対に守ってください。

嘘みたいなホントのデータですが、
大企業を含め、人事評価制度導入済み企業の50%近くが
評価結果を本人にフィードバックしていないのです。
フィードバック
本人に人事評価結果をフィードバックしている
50%強の企業でさえ、
評価結果の根拠までフィードバックしていない企業が相当数あるのです。

あなたの会社では、
このような、いわば「闇討ち」のような卑怯な人事評価制度の
導入・運用は絶対に辞めてください。卑怯ですから。しかもコンプライアンス上問題?
卑怯
「評価項目」については、その根拠も明確にし、
「評価基準」もすべて明確にし、
「評価結果」については、その評価根拠と共に本人にフィードバックしてください。

これこそが、
中小企業向けの公正・公平な人事評価制度なのです。

もちろん、賃金制度についても
制度の内容はフルオープンが必要です。
フルオープン
最後までお読みいただきありがとうございます。

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執筆者 山本昌幸プロフィール:
人事制度(人事評価制度、賃金制度)指導歴28年超の専門家、特定社会保険労務士。
商業出版書籍に「人事評価制度が50分で理解でき、1日で完成する本 (忙しい社長のためのビジネス絵本) 」(同友館)、「今日作って明日から使う中小企業のためのカンタンすぎる人事評価制度」(中央経済社)、「従業員のための人事評価・社長のための人材育成」(同友館)、「人手不足脱却のための組織改革」(経営書院)、「『プロセスリストラ』を活用した真の残業削減・生産性向上・人材育成実践の手法」(日本法令)等がある。
「人事制度(人事評価制度・賃金制度)セミナー・勉強会」の講師を160回以上努め、社長・経営層の延べ受講生1600名以上。
自らの約10名の従業員を雇用する組織の経営者。

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