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遂に緊急事態宣言が出されました。
今日のテーマは、人事制度・人事評価制度(人事考課)とも関連性のある「緊急事態であっても手を抜けない・緩和できない安全対策」です。
現在、7都道府県に対して緊急事態宣言が出されており、それ以外の道府県においても同様の行動が重要とされています。
いわば、日本全体が緊急事態といえますが、いくら緊急事態であっても、特別扱いしてはいけないことが安全対策です。
安全対策には、手を抜けませんし、緩和することも許されないのです。
もちろん、切羽詰まった状況で危険を回避するための行動のことを言っているのではありません。
昨日の日経新聞で見かけた資格試験実施の中止・延期の記事です。
新型コロナウイルス対策の「三密」を避けるために多くの資格試験の実施が中止・延期されています。
その中止された資格試験として運行管理者試験のことが掲載されていました。
運行管理者とは自動車運送事業において29両までは1名、それを超えると30両ごとに1名選任すべき運送事業の運行管理の責任・安全管理の責任を担う重要な資格であり、人事評価制度(人事考課)においても無視できない資格です。
私も25年ほど前に資格取得し、運送事業者に対して、交通事故削減の指導をしている関係上非常に縁の深い資格だと思っています。
また、前国土交通省自動車交通局長であり、その後、自動車事故対策機構の理事長を経て運行管理者試験対策センターのトップを務めた金澤氏には、私の自著であるISO39001(道路交通安全マネジメントシステム)の本では特別インタビュー記事を掲載させていただきました。
以上のことから、運行管理者という資格には非常に想い入れがあります。
で、日経新聞に掲載されていた運送事業者さんは、現在、最低必要数の2名の運行管理者で事業を行っている関係上、2名の運行管理者のうち一人でも病気等で欠けることがあれば事業運営に支障をきたすとのこと。
そこで、3月実施予定であった運行管理者試験に数名が受験予定であったとのこと。
その運行管理者試験が中止になり困っているとの日経新聞の記事でした。
その記事を視て感じたことは、国や行政はこのような緊急事態であっても運輸事業者の運行管理者の選任義務を決して緩和しないでいただきたいこと。
そのようなことはもちろんあり得ないと思いますが、何分緊急事態なので特別な処置が施されることも否定できません。
人事評価制度(人事考課)においては、緊急事態においては何らかの対応が必要でしょうが、運輸事業者の運行管理者選任義務は人事評価制度(人事考課)のような任意の制度ではありませんし、ヒトの命がかかっていることなので緩和してはダメなのです。
人事評価制度(人事考課)においても人命にかかわる項目が設定されないとも限りませんが、法律で決められている仕組みではありませんね。
では、前述の現状の運行管理者数がぎりぎりの人数であり、3月の運行管理者試験をアテにしていた場合はどうすればいいのでしょうか?
厳しいことを言うようですが、そもそもそのような状態で人命にかかわる事業を行うべきではないのです。
運輸事業を営む以上は、運行管理者の資格保有者に余裕を持っていることが重要なのです。
前述の運輸事業者さんは、3月の運行管理者試験が中止になり、大迷惑を被っていることも事実かもしれませんが、そもそも、3月に受講予定の数名の自社従業員が1名でも合格する確率は100%だったのでしょうか?
運行管理者試験を受験する数名の自社従業員が全員、不合格の場合も考えられるのです。
いや、その可能性も大きいのです。
だとしたら、そもそも無理な計画、適切とは言えない計画であったのです。
計画自体が良くないのですから、その計画通り行かない場合でも嘆くことではありません。
昨日のブログでも計画の重要性を説明しました。
人事評価制度(人事考課)も完成したことは、単なる「計画が策定された」ことに過ぎません。
「計画」は、非常に重要です。
場当たり的な計画ではダメなのです。
今回の緊急事態宣言に絡み安全対策にまで、緩和処置がとられること。
これは、非常に問題のある「計画策定」といえるでしょう。
絶対にやってはいけません。
私は、マネジメントシステムの専門家であり、マネジメントシステムの視点から人事制度・人事評価制度(人事考課)を開発し、指導しております。
ですから、場当たり的な対応はどうも受け入れたくないのです。
「段取り八分」これは非常に重要ですね。