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今年度も今日を含めてあと二日。
ということは、明後日から新年度の4月です。
人事評価制度(人事考課)を新規に策定したり、大幅に改定する組織も多いかと思います。
やはり“新年度”という響きは、1月の“新年”と並んで、新しいことに取り組む時期として認識されているのでしょう。
実際、賃金改定も新年度の4月分給与から実施される組織が多いですね。
既存の一般的な人事評価制度(人事考課)の場合、策定に数か月以上かかりますのでこの時点で、「新年度から人事評価制度を運用しよう」という思いつきは、実現できませんが、「カンタンすぎる人事評価制度」であれば、タッタ一日で策定可能ですから、4月に策定することにより、新年度からの運用も十分間に合うでしょう。
「この人事評価制度を今月から運用しよう」というのは、PDCAでいうと、「P:Plan:計画」ですね。
今日のテーマは、「PDCAで成果が出せない組織の特徴」です。
PDCAという文言は、社会に広く浸透し、経営者レベルであれば、理解したつもりの方が100%近いでしょう。
PDCAで成果を出すためには、或る重要なことを理解し、実行しなくては、成果は出ませんし、意味もありません。
でも、経営者の100%近くの方はPDCAについてこの“或る重要なこと”を理解している方は非常に少数でしょう。
その“或る重要なこと”とは何でしょうか?
それは、「プロセス管理の重要性」と「プロセスアプローチ」を理解することです。
PDCAはなんとなく理解しているつもりの方が100%近くいらっしゃったとしてもプロセスについては、よくわからないという方が多々いらっしゃいます。
プロセスについてさえ、その状況ですから、「プロセス管理の重要性」「プロセスアプローチ」となると「なんじゃそりゃ?」となる経営者が殆どでしょう。
この状態の経営者がPDCAで成果を出せたとしたらたまたま、「できた」だけであり、運がいいのです。
経営者にとって「運の良さ」は、非常に重要ではありますが、運に頼った経営をされている社長の下で働く従業員はたまったものではありません。
では、私のようなマネジメントシステムの専門家にとっては、非常に当たり前の知識である「プロセス管理の重要性」「プロセスアプローチ」とは、どのようなことなのでしょうか?
この知識は、人事制度・人事評価制度(人事考課)を策定・運用するためにも非常に重要です。
このことは、以前のブログでも触れていますし、詳細は、私の著作である、「プロセスリストラを活用した真の残業削減・生産性向上・人材育成実践の手法」で説明していますので、もしよろしければお読みいただきたく思います。
では、説明しましょう。
まずは、「プロセス管理の重要性」です。
成果とは、成果を出すための様々なプロセス(活動)を経て成果に結びつきます。
ビルを完成させるためには、様々なプロセス(活動)がありますね。
この様々なプロセスを計画通りに実施することによりビルが完成するという、成果を獲得できるのです。
でも、この“様々なプロセス(活動)”の一部で手を抜いてしまった場合、頑丈で安心して使えるビルが完成できない可能性が有るのです。
良いビルを完成させるためには、様々なプロセス(活動)を管理する必要があります。
これが、「プロセス管理の重要性」なのです。
人事評価制度(人事考課)も同じですね。
では、次に「プロセスアプローチ」です。
この「プロセスアプローチ」も「プロセス管理の重要性」と非常に関連深いです。
「プロセスアプローチ」とは、成果を出すためには、様々な「プロセス」がありますね。
その様々な「プロセス」の中でもリスクの高い「プロセス」を重点的に管理して良い成果を出す考え方です。
“リスクの高い”とは、ここでは、失敗する可能性が有る活動(プロセス)とか、難しい活動(プロセス)と理解していただければよいでしょう。
例えば、マラソンで考えてみましょう。
マラソンは、単に42.195㎞走るだけではないですね。
マラソンのコースには、上り坂、下り坂、カーブなどいろいろなプロセスがあります。
仮に35㎞以降に過酷な上り坂が設定されているとしたらそれは、リスクの高い区間なのかもしれません。
その“リスクの高い区間”である、上り坂のコースを上手く超えなくては、そのマラソンでの好成績は望めないでしょう。
そのため、このマラソン大会に参加する選手は、35㎞以降に待ち構えている上り坂の区間に対して通常の区間よりも重点的に対策を施すことになります。
これが、「プロセスアプローチ」の考え方であり、これは、人事評価制度(人事考課)にも当てはまります。
人事評価制度における、重点的な評価項目は何か?
その重点的な評価項目について評価点数の配分を増やすことや評価を手厚くすることも考えらえます。
とにかく、「PDCAで成果が出せない組織の特徴」として、
・プロセス管理の重要性を理解していない
・プロセスアプローチが実践されていない
があり、人事評価制度(人事考課)にも共通する考え方なのです。