ブログ
BLOG
カンタンすぎる人事評価制度 気ままブログ54回
昨日のブログでは、ヒューマンエラーについて触れましたので今日は、そのヒューマンエラーについて考えてしましょう。
人事評価制度(人事考課)にもストライクですよね。
人材のミスについて人事評価制度(人事考課)で減点主義で評価する場合もありますので。
ただ、私は、減点主義も否定しませんが、人事評価制度(人事考課)では、加点主義を推奨したい立場でもあります。
私自身、以前、日刊工業新聞社から発行されている「ISOマネジメント」という月刊誌でヒューマンエラーについて三か月連載させていただきました。
今、調べたのですが、2010年でした。
もう、10年以上前なのですね。
そのテーマも「ミスをしない社員の育成は可能なのか」でした。
実は、このヒューマンラーについての三回連載。
一回目、二回目の内容では、「ヒューマンエラー」という文言は一切、掲載しなかったのです。
敢えて、「ヒューマンエラー」という文言は使用しませんでした。
人事制度・人事評価制度(人事考課)コンサル、マネジメントシステムコンサルタントとして「ヒューマンエラー」に焦点を当てるより「社員の育成」に焦点を当てたかったのです。
あなたも「ヒューマンエラーを防ぐことが出来るのか?」より「ミスをしない社員の育成は可能なのか?」の方が、興味をそそられませんか?
この連載の1回目のテーマとして「ミスやエラーは、突然起こると考えることは正しいのでしょうか?」と、少々、ヒューマンエラー寄りの表現にしました。
ただ、当然ながら「ヒューマンエラー」という文言は一切使用していません。
まず、最初に説明したことは「ハインリッヒの法則」です。
人事評価制度(人事考課)コンサルタントで、「ハインリッヒの法則」を持ちだすことは殆どないと思いますが、私は、コア(芯)はマネジメントシステムですから、この「ハインリッヒの法則」は非常に身近なのです。
「ハインリッヒの法則」とは、1の大事故の背景に29の軽微な事故があり、その背景に300のヒヤリハットが存在しているというものです。
大事故発生の前には、軽微な事故があり、ヒヤリハットが頻発しているということです。
要は、如何にヒヤリハットの段階で大事故の芽を摘んでおくのが重要ということです。
そして、皆さんに理解していただきたいこととして作業の難易度と失敗した場合の影響度は必ずしも比例しないことです。
これは人事評価制度(人事考課)の評価項目を策定するうえでも重視すべきです。
例えば、今日入社したアルバイトさんでも出来る作業だが、失敗した場合、大変なことになる作業。
喫茶店へのアルバイトで、素手で簡単に料理を盛り付ける場合、手も洗わない、手袋もしないで盛り付けしてしまい料理に菌が付着してしまい食中毒が発生。
逆に高度なテクニックで行う作業で失敗しても大した問題にならない場合。
熟練のシェフによるステーキの焼き加減をミスして、ミディアムレアをミディアムで焼いてしまった場合でも余程、舌の肥えたお客様以外は大した問題にならないことが多いのです。
この例を出すと、料理業界の方から反発を受けそうですが、確かに、作り手として、充分に拘って料理を提供することは素晴らしいことです。
ただ、受け手である顧客はそこまでわからない場合が多いのも事実です。
民放の番組で芸能人が味を外しまくっているのを視ると頷けますね。
以上、作業の難易度と失敗した場合の影響度は必ずしも比例しないことの説明ですが、では、どうするのか?
作業する場合の予めの対策は、発生した場合の影響度を考えるべきなのです。
ちなみに品質マネジメントシステムの要求事項の一つに品質マネジメントシステムの要求事項に適合しない行動を取った場合、どのようなことになるのかを人材に認識させなくてはならないとされています。
要するにルール違反や、決められたことを実施しなかった場合にどのような影響があるのかを理解させることなのです。
ですから、ミスをしない人材の育成のためには、まず、この、ルール違反や手順通りに実施できなかった場合は、どのようなことになってしまうのかをしっかり、本人に認識させるべきなのです。
人事評価制度(人事考課)においてもそのための評価項目を策定して浸透させるべきなのです。
以上、人事評価制度でヒューマンエラーを減らす(ミスを減らす)一つ目の方法は、ルール違反や手順書通りの作業の評価項目を設定することです。そして、二つ目の方法は、ルール違反や手順書通りの作業ができない場合の結果を認識させることでしょう。
人材に対して「○○をしてください」と単に指示するより「○○できないと、□□になってしまう」と指示した方が、指示された側は腹に落ちるのです。
作業指示する場合に単に作業を指示するより、その目的を伝えることにより、様々な作業方法を思いつきますね。
これと同じようなことなのです。
これらのキーワードは
「理解させる」です。
ヒューマンエラー対策については、「○○しちゃダメ」だけを伝えるのではなく、「○○してしまうとどうなるのか」をしっかり伝えましょう。
ヒューマンエラーについて説明しだすとどれだけでもかけてしまいますので、ほどほどにしておきますね。
また、機会があれば、しっかり説明したく思います。
ちなみに私は、このヒューマンエラーの知識も人事評価制度(人事考課)の指導に活かしています。
最後までお読みいただきありがとうございます。
カンタンすぎる人事評価制度 開発者
あおいコンサルタント株式会社 山本昌幸