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カンタンすぎる人事評価制度 気ままブログ35回
今日のテーマは、「残業が多い社員が高評価?」について考えてみましょう。
私は、時短マネジメントシステム:タイムクリエイトマネジメントシステムという、残業発生の原因を追究し、根本的に残業時間を削減する仕組みを開発し、企業に指導しています。
小手先の残業削減対策である
・午後6時に強制消灯
・残業の許可制
・ノー残業デーの設置
などは、導入当初は効果もあり、「就業規則」に規定するには無いよりはあった方が良いですが効果の継続という点では、まず無理でしょう。
例外としては、徹底的な検証をすれば別ですが・・・。
人事評価制度(人事考課)でもこの残業時間がしばしば問題になります。
ムダな残業時間・労働時間削減のために多くの社長から相談を受けてきましたが、社長の本音は「遅くまで残っている社員は頑張っている」ということです。
要は残業が多い社員に対して高評価なのです。
と言いますか、定時退社する社員に対しては、あまり良い感情を抱かないのです。
「また、あいつ、定時に帰りやがって」と。
私も中小企業の経営者として、科学的な時短の仕組みを開発・指導している身でありながらこの社長の気持ちも理解できるのです。
私を含めて、それらの社長は
自分自身が、
・一か月の労働時間400時間超
・有給休暇など取得したことが無い
という方が多いので、そのような経験を持っている社長からすると「残業してこそ、会社に貢献している」と思えてしまうのではないでしょう。
理屈ではわかっているのです。
優秀な社員とは、与えられた時間内で成果を出す社員のこと。
ですから拙著で
「働きながら族」について、説明していますが、
「働ながら族」は、非常に優秀な人たちなのです。
社長はそれもわかっているのです。
ただ・・・、ただ、遅くまで会社に残っている社員に対して「ご苦労さん」と思ってしまうのです。
もちろん、やるべきことが山積で、生産性が悪い訳でもない優秀な人材が残業して遅くまで会社に残っている場合は本当にありがたいのは当たり前です。
問題なのは、能力が低くて残業せざる得ない人材や残業代稼ぎが目当てで残業している人材です。
そのような決して褒められない輩にまで、会社に遅くまで残っていて「ご苦労さん」はないですよね。
一般的な人事評価制度(人事考課)では、明確な評価基準がないため無理だと思いますが、「カンタンすぎる人事評価制度」を導入済みの企業で一度調査してみたいのが、「残業時間」と「評価結果」の相関です。
私の予測では、「残業時間」が少ない人材ほど「評価結果」が高いと思われます。
逆に「残業時間」が多い人材ほど「評価結果」が低いと思われます。
このような調査が出来るのは、「カンタンすぎる人事評価制度」では、人材に要求する力量や成果が明確である方です。
会社に遅くまで残っている社員を労う社長の気持ちは分かりますが、ここは、しっかりした方向性を打ち出すべきです。
「残業時間の発生=悪」と。
でも、やはり、残業をしている人材に高評価を与える社長が存在するのであれば、ズバリ、人事評価で残業時間が多い社員ほど、高評価をつければ良いのです。
これ出来ますか社長!
社長あなたが、残業時間が多い社員を労っているのであれば、堂々と、「残業する社員はエライ!だから人事評価で高評価を与える」と宣言してください。
そして、実行してください。
人事評価制度(人事考課)がそのような仕組みになれば、会社がどうなるのか想像つきますね。
収益悪化です。倒産に近くなります。
そうなんです!
残業している社員を労う社長は、収益悪化・倒産に向けて事業運営をしている社長ということなのです。
「ヨッ! 収益悪化・倒産まっしぐら社長!」って、呼ばれたいですか?
恥ずかしいですよね。
私はセミナーでもメルマガでも多くの書籍でもオーナー社長目線で書いています。
完全に社長の味方です。
でも、味方したくない社長もいるのです。
前述のように残業の多い社員を労う社長の気持ちは理解できます。
でも、もうやめましょう。
いいですか!
優秀な人材とは、限られた時間内で成果を出す人材のことなのです。
言い換えますと、「限られたリソースを活用し成果を出す人材こそ優秀」なのです。
残業の多い社員に対して
人事評価制度(人事考課)で高評価を与える勇気がない・・・というか、常識的な社長であれば、残業の多いこと、会社に遅くまで残っていることを良い社員・人材と位置付けるのは止めにしましょう。
でも、「遅くまで仕事している社員は頑張っている」と言い張るのであれば、その社員が遅くまで仕事をしなくてはならない原因を明確にしましょう。
残業が多い・遅くまで仕事をしている理由(原因):
・仕事量が多すぎる
・生産性が悪い
・誰かの妨害を受けている
・残業代を稼ぎたい
・時間通りに終わらせようと思っていない
などナニか理由(原因)があるのです。
それらを明確にして対策を施すのです。
この対策の中には、人事評価制度(人事考課)の評価ネタが山積ですね。
一言に残業が多いと言ってもすべて人事評価制度(人事考課)の評価ネタにもなるのです。
今回は、ここまでにしましょう。
最後までお読みいただきありがとうございます。
カンタンすぎる人事評価制度 開発者
あおいコンサルタント株式会社 山本昌幸