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前回から、人事評価制度(人事考課)に立ち返って、一般的な人事評価制度への問題点・不満と「カンタンすぎる人事評価制度」の相違点を考えてみました。
今回もその続きです。
一般的な人事評価制度の問題点 その3:一般的な人事評価制度は、人材の順位付けが目的である。
これは、私が起業したての頃どれだけ人事評価制度や賃金制度の書籍を読んでも今一つ理解できないでいたころ、或る先生のその当時、結構高額な人事評価制度セミナーを受講したところ
その先生が仰っていたことです。
それから25年ほど経過しましたが未だに一般的な人事評価制度(人事考課)は人材の順位付け・序列付が目的となっている組織がたくさんあるようです。
人事評価制度(人事考課)が結果的に人材の順位付けになることは否定しませんがそれはあくまでプロセスであり(過程)、目的ではないはずです。
一般的な人事評価制度(人事考課)では、人材を評価した結果、人材の序列付が出来たことで安心しているように思えるのです。
人材の序列付は否定しません。
たしかに人材の序列付は、人材の現在の立ち位置を明確にすることが目的であり、立ち位置が明確になれば、・目指すべき上位人材が明確になる・自分の至らない箇所が明確になる・どのように能力・技量・力量を上げていくのか?
などと展開できることになるのです。
このように人材の序列付は人材育成のプロセス(過程)としては、間違っておりません。
ただ、そこで終わりにしてしまってはダメなのです。
いいですか!人材の序列付・順位付けは人材育成のためのニーズを明確にするプロセスなのです。
人材を序列付け・順位付けして終わりにしないでくださいね。
一般的な人事評価制度の問題点 その4:一般的な人事評価制度は、策定・導入が目的になっている。
これも本当に多いですね。
人事評価制度は、かつてのオリンピックのように「参加することに意義がある」では不完全です。
人事評価制度は、仕組みとして構築し、使ってナンボなのです。
人事評価制度の策定を試みる組織は、策定・完成して安心してしまっています。
確かに非常に長い期間かけて、大変な思いをして策定した人事評価制度がやっと完成したのですからホッとしたい気持ちは理解できますが、完成させただけでは、PDCAの「P:PLAN:計画」に過ぎません。
ヒドイ場合だと、完成すらしない事例がありますが、それは、論外として、人事評価制度は、策定した後に運用しなくてはならないのです。
購入した靴を履いてください。
購入したダイエット機器を活用してください。
そもそも、どのような目的で人事評価制度を策定しようと思ったのですか?
策定することが目的であるなら、その目的は間違っていると言わざる得ません。
策定した人事評価制度は、徹底活用したうえで、その先にある目的を達成してください。
その点、「カンタンすぎる人事評価制度」は、策定がごく短期間で出来(2,3種類の評価表なら一日で完成)、運用も小学生でも評価できる内容ですから
非常にカンタンなのです。
ですから、一般の人事評価制度の問題点である導入が目的となっているということには当てはまらないでしょう。
一般的な人事評価制度の問題点 その5:人材が身につけるべき能力があいまい
これ非常に問題ですね!
とにかく、企業・組織は、人材に対して、超えることを要求する能力・技量・力量のハードルを明確に具体的に設定することから始めてください。
これが出来なければ、人材育成など出来ません。
出来たとしたら、たまたま、まぐれです。
ここでもPDCAを廻す必要があるのです。
人材に対して超えることを要求する能力・技量・力量のハードルを設定することは、PDCAの「P:PLAN:計画」の一部です。
一部ということは、Pは他にあるのです。
人材に対して超えるハードルである能力・技量・力量のハードルを設定したら、その人材の現状の能力・技量・力量を明確にしなくてはなりません。
その現状の能力・技量・力量と会社から求められた超えなくてはならないハードルとの「差」をどのように埋めていくのか?
これが能力開発となるのです。
ですから、会社が人材に求める能力・技量・力量のハードルなくして能力開発制度など存在しないのです。
しかしほとんどの企業・組織では、やみくもに能力開発を試みたり、教育訓練計画を策定・実施しています。
これらは本当に無意味です。
「カンタンすぎる人事評価制度」では、超えなくてはならない能力・技量・力量を明確にしていきます。
さらに超えたのか、超えられなかったのかの基準も予め明確にしてしまうのです。
ですから、小学生でも評価できるのです。
今回は、ここまでにしましょう。
次回は、
一般的な人事評価制度の問題点 その6:評価する側に罪悪感がある。
について説明していきます。