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今回は、「オーナー社長」と「社長」の違いについて考えてみましょう。
「カンタンすぎる人事評価制度」は、「オーナー社長」のための人事評価制度(人事考課)です。
ですから「カンタンすぎる人事評価制度セミナー」も対象はオーナー社長です。
出席者の割合は、85%程が社長です。
あえて、ここで「社長」としたのは、ご出席いただく方の肩書は事前にわかるのですが、その肩書が「社長」の場合、その方が「オーナー社長」なのか「雇われ社長」なのか「一部株を保有している社長」なのかは、わからないので、あえて、「社長」と表現しています。
「カンタンすぎる人事評価制度セミナー」は、完全に「オーナー社長」の目線でお話ししていますので「オーナー社長」以外の方が私の講義を聴かれると気分を害される可能性があります。そのためセミナー告知のサイトでもセミナー開始の際も、そのことをアナウンスしているのです。
私自身、小規模とはいえ30年以上オーナー社長を務めていますのでオーナー社長の気持ち、着眼点は理解しているつもりです。
そして、人事制度指導28年以上の経験を加味して「カンタンすぎる人事評価制度セミナー」のコンテンツを作りあげているのです。
もちろん、「カンタンすぎる人事評価制度」自体もオーナー社長の着眼点で構成されています。
だからこそ、「カンタンすぎる人事評価制度」を策定する方はオーナー社長でないと困るのです。
もちろん、オーナー社長が参加したうえで、他の役員や各部署の責任者・担当者が参加されることは問題ありません。
ただ、策定の主体はオーナー社長です。
では、「オーナー社長」と「社長」の違いについて説明しましょう。
この二つの決定的な違いは分かりますか?
会社で問題が発生した場合、「オーナー社長」にとっては、「自分ごと」なのです。
「雇われ社長」にとっては、「他人ごと」なのです。
「雇われ社長」は、最悪、辞めれば済むのです。
「オーナー社長」は、辞めて済むわけはないのです。
責任の所在としてはもちろん、「オーナー社長」は、辞任しても会社への個人保証が残る場合が多いので、負債は個人が背負うことになります。
この辺の心構えが、「オーナー社長」と「雇われ社長」では全く異なります。
今ここで論じているのは、「オーナー社長」と「雇われ社長」の能力についてではありません。
能力については、「雇われ社長」でもの凄く優秀な方がたくさんいらっしゃいますが、果たして、会社の経営トップとしてどこまで「自分ごと」として考えられるのか?です。
傾き、窮地に陥った会社を立て直す場合、外部から優秀な経営者が招聘されV字回復することはよくあり、非常に素晴らしいことだと思います。
ただ、招聘された社長は、今までのしがらみもなく、当該企業への愛着もないので(若しくは少ないので)
「オーナー社長」が躊躇する決定も行えるのです。
代表的なのは人員整理ですね。
これが、「オーナー社長」の場合、人員整理は、自らの体の一部がちぎられるようなことですので躊躇せざる得ません。
「雇われ社長」にとって、人材を整理することは、良い意味で「他人ごと」なのですが、「オーナー社長」にとっては、苦労を共にしてきた人材を整理することは、「自分ごと」なので、なかなか実施できないのです。
以上の例は、組織の窮地を救うための辛い活動は、「雇われ社長」の方が、躊躇なく実施に踏み切れる例であり、これはこれで必要なことなのです。
逆に会社をもっともっと良くするための仕組みの構築である、人事評価制度(人事考課)の策定については、「オーナー社長」が能力を発揮します。
まさに「自分ごと」ですから。
「カンタンすぎる人事評価制度」は、「オーナー社長」のための人事評価制度(人事考課)ですから、まずは、「オーナー社長」にとって、「カンタンすぎる人事評価制度」の策定が「自分ごと」であることを十分に理解していいただき、評価項目(評価要素)と評価基準を策定していただきたいのです。
この評価項目(評価要素)と評価基準に「オーナー社長」が参画しない場合は、甘い内容になってしまい、一見、社員想いのように映りますが、実は、策定者たちが「自分ごと」と思えずに
「他人ごと」と感じて策定してしまい、部下に嫌われたくないがための評価項目(評価要素)と評価基準が出来上がるのです。
ですから、ここで強く言いたい!
経営者・会社の悩みは、今や「お金のこと」ではなく、「ヒトのこと」が一番ですから、人材に関することは、オーナー会社の場合、必ず、「オーナー社長」自身が関わる必要性があるということ。
強く肝に銘じてください!