ブログ
BLOG
前回は、人事評価制度(人事考課)とも関連のある親友の定義についてでした。
今回は、「上司を試す部下」について考えてみましょう。
「上司を試す部下」と訊くと、ずいぶん嫌な部下を想像してしまいますね。
確かに、ただ単に人間性の悪い性悪な性格のため上司を試す部下が存在していることも事実です。
しかも、自分の能力は高くないのですが、自己評価だけは抜群に高い。
そして、自分の不得意なことに対しては手を出さない。
このような性悪、臆病部下については、人事評価制度(人事考課)の評価項目の工夫により活躍できる人材に改善することも可能です。
ただ、今回のテーマは、このような部下のことではなく、部下自身の能力が高いために、本能的に上司を試してしまっている部下についてです。
ここで一つお知らせしておきたいのは、「有能で扱いやすい人材」というのは、或る意味理想ですが、そう多くは存在しないということです。
殆どは、優秀な人材は「有能だが取扱注意人材」(扱いにくい人材)だということです。
一昔前の(現在でも?)、スポーツカーやイタリア車などは取り扱いが大変ですよね。
取り扱いやすいスポーツカーが発売されたころには、「おじさま向けスポーツカー」「お年寄り向けスポーツカー」などと揶揄されていたと思います。
あなたは社長、上司として有能だが少々扱いにくい人材をどう思われますか?
くどいようですが、「有能で扱いやすい人材」など少数派なのです。
ですから、有能な人材は扱いにくいことを理解してください。
これ、とっても大切なのでもう一度書きます。
有能な人材は扱いにくい。
稀に、有能な人材がやけに扱いやすい場合は、
・稀に存在する有能で扱いやすい人材
・有能な人材だが能力を十分に発揮していない人材
のいずれかでしょう。
前述のように有能で扱いやすい人材などごく少数ですから有能と思われる人材でやけに扱いやすい場合は、その有能人材は自分の持っている能力を発揮していない場合なのです。
一般的に有能な人材は、いつも全力投球はしてくれません。
どの程度のことを組織や上司から求められているのかを常に測っています(いやらしいですね・・)。
10のうち6までしか求められていないのであれば、6までの能力しか発揮しません。
これは当たり前のことですよね。
だからこそ、「カンタンすぎる人事評価制度」で、人材ごとに要求力量や要求成果を明確にするのです。
ただ、要求力量や要求成果を明確にしただけでは「はい、そうですか」と、持っている能力を発揮してくれるとは限らないのです。
ただ、要求力量と要求成果を明確にすること、「要求力量のハードル」「要求成果のハードル」を設定することは必要最低限のことなのです。
具体的な「要求力量のハードル」「要求成果のハードル」を設定している企業は、ごくわずかであることを考えると抱えている人材のポテンシャルを上手く引き出して活用して、会社の繁栄につなげている組織はごく少数と言えるでしょう。
いや、殆どゼロなのかもしれません。
社長からよく聞く愚痴として
「ウチの社員は働かない」
「ウチの社員は努力しない」
「ウチの社員は仕事しない」
などがありますが、考えてみると当たり前ですね。
なぜなら、「ここまでの能力・技量を身につけてくださいね」と「要求力量のハードル」を設定していないですし、「これだけの成果を出してくださいね」と「要求成果のハードル」も設定していないのですから。
あなただって、「背中掻いて」って言われなければ子供の背中を掻かないですよね。
人事評価制度(人事考課)は、本来、「要求力量のハードル」「要求成果のハードル」を明確にするためのツールなのですが、一般的な人事評価制度(人事考課)では、非常に不明確です。
だからこそ、「要求力量のハードル」「要求成果のハードル」を具体的にする「カンタンすぎる人事評価制度」は、
・獲得して人材のポテンシャルを引き出し活躍させるためのツール
・獲得した人材のポテンシャルを向上させるためのツール
なのです。
今回のテーマである「上司を試す部下」について話を戻しましょう。
彼ら・彼女らは自分の能力に見合った上司なのか?
会社なのか?
を常に試していると考えるべきです(無意識としても)。
優秀な人材を獲得したらそれであとはほったらかし では、ダメなのです。
逆にあなたの会社で余り活躍していない人材も実は、すごいポテンシャルを持っている人材なのかもしれません。
スゴイ人材だけれどもその使い方を知らない愚かな上司や会社になっていませんか?
もの凄くもったいないですね。
製造業において、高価な工作機械を購入しても使用しない。
高価なパソコンソフトをインストールしても使用できない。
ホントにもったいない。
人材は使いようなのです。
と、書くと、人材をモノ扱いしているように誤解されますが、人材を上手く活用してその人材を活躍させてあげてください。
そのことにより、上司も、会社もハッピーになれます。
そして、何よりも人材自身がハッピーになれるのです。
「カンタンすぎる人事評価制度」をそのように活用していただきたい。
今日はここまでにしておきましょう.