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今回は、人材のウラとオモテを探るについて説明します。
この「ウラ・オモテ」とは、人材の人格の表と裏ではなく、人事評価制度における表と裏についてです。
この働く人の「ウラ・オモテ」については、人事評価制度で一般的には勤務態度という評価項目で判断することになりますが、「カンタンすぎる人事評価制度」では、
・自社の存在価値
・3年後の自社の理想の姿
・社長や会社として必要な人材
などを評価項目に落とし込んでいきますからこれらの評価項目として人材の「ウラ・オモテ」を評価しても良いのです。
ただ、この「ウラ・オモテ」ですが。
単に、「かげ・ひなた(影・日向)」という行動だけではなく、「ウラ・オモテ」の行動の結果、どのようなことになるのかを評価することになります。
この、結果や成果を評価する場合、いちいち、人材の「ウラ・オモテ」を人事評価制度(人事考課)の評価項目にダイレクトに入れなくても良いように思えますが、職種や業種によっては、評価項目として入れるべきなのです。
特にお客様に対する「ウラ・オモテ」については、必ず評価すべきでしょう。
具体的には、どの様な職種でしょうか?
いくつか例を出しますね。
・介護職員
・看護師
・歯科衛生士
・保育士
・教諭
などでしょうか。
特に「お客様=意思表示がしにくい方」の場合は、細心な注意が必要です。
その代表格が介護職員ですね。
介護職員の場合、お客様として、入所者が挙げられますが、その入所者自身が自己の意思表示が出来ない、若しくは、し難い場合が想定されます。
その結果、痛ましい事件が発生していることは周知の事実です。
このような痛ましい事件を発生させる介護職員の方は本当にごく一部だと思いますが、日々の業務遂行に於いて「ウラ・オモテ」と思われる行動はないのでしょうか?
これらの職種の方たちに対する指導や人事評価制度を難しくしている理由として人手不足業種 ということです。
そこの施設長や責任者としては退職されては困るのであまり厳しいことを言えないということはありませんか?
その結果、被害がお客様(患者)に及ぶことがあるのです。
私は、以前、多面評価は、不要であるとの意見を記載しましたが、その例外があることも説明しました。
「ウラ・オモテ」を指摘する可能性のある職種の場合は、同僚や部下からの評価が有益だと思われます。
上司や入所者の家族にだけ良い顔をする介護職員については、もし、存在するとすれば改めていただきたい。
「カンタンすぎる人事評価制度」もこのような問題点を是正できる評価制度・育成制度として活用すべきなのです。
人事評価制度(人事考課)は、何度も申し上げていますが、決して、
・人材の評価だけ
・人材の順位付けだけ
・昇給決定の要素
だけに使用しないでくださいね。
人事評価制度(人事考課)は、本来、人材育成のツールであることはくどいくらい説明させていただいています。
人事評価制度=人材育成のツール
なのですが、今回はもう一つ追加して考えてみたいのです。
人事評価制度=人材の悩みを明確にするツール
として、活用できないものでしょうか?
ただ、あなたの会社で働いている人材はあなたの会社で行動することは一年のうちに30%以下なのです。
(一日10時間会社に居て、年間休日は125日だとすると 年2,400時間働く。一年間は8,760時間)
しかし、影響が出てくるのは仕事なのです。
どういうことでしょうか?
私は、人事制度同様、マネジメントシステムの専門家ですからプロセス管理で考えてみます。
おさらいですが、プロセスとは、一般的に過程、活動、手順と理解されており、すべて正しいですが、マネジメントシステムでは、インプット(入力)をアウトプット(出力)に代えることなのです。
ですから、「影響が出てくるのは仕事・・」と前述しましたが、影響が出る とは、アウトプット(出力)のことですよね。
人材は、様々なインプット(出来事)においてダメージを受け、それが、アウトプットとして出やすいのが仕事なのです。
あなたにも経験がありませんか?
プライベートで辛い出来事や大変なことがあり、仕事で失敗してしまった。
この現象は、
・プライベートでの辛い出来事がインプット(入力)
・仕事での失敗がアウトプット(出力)
なのです。
うつ病の罹患や、うつ状態になった場合、これらはアウトプット(出力:影響)ですね。
このアウトプットの要因として、インプット(入力)があるのです。
ただ、ここで注意が必要です。
負のアウトプットの要因は必ずしも仕事での出来事だけではないのです。
要するに忙しすぎる仕事や、仕事に対するプレッシャーだけが原因として負のアウトプットが出るのではなく、プライベートでの出来事も原因として負のアウトプットが出てくるのです。
以上の実態から前述した「人事評価制度=人材の悩みを明確にするツール」ということの「人材の悩み」とは、ここでは、仕事上の悩みに限定していきたいと思います。
しかし、プライベートでの出来事をインプットとして仕事に負の影響が出てしまうことは組織としてなかなか見過ごせなく、何とか、解決に向けてサポートすべきなのかもしれませんが本人の気持ちもあり難しいですね。