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ここ最近、人事評価制度(人事考課)ではなく、人手不足対策について説明しました。
今回もその続きで、「3:従業員退職型」の最後です。
この「3:従業員退職型」は、人手不足のパターンのうち「4:人材伸びない型」と並んで、人手不足の原因の本丸でした。
この「3:従業員退職型」の最後として、非常に重要なことを説明します。
今回の内容は「働き方改革」を実現するうえでも重要ですし、人事評価制度を策定するうえでも考慮すべきことなので、興味を持ってお読みください。
この「3:従業員退職型」を是正するため、人材の定着率を上げるために前回まで12個の説明をしてきました。
では、十三番目。
13 あなたの会社では、「働きながら族」が活躍していますか?
「働きながら族」とは、
・働きながら子育てをしている方
・働きながら介護視されている方
・自身の病気や障がいを抱えながら働いている方
・働きながら勉強している方
など、働くことに何らかの制約がある方々のことです。
「働きながら族」は、何が何でも決められた時刻に退社しなくてはならないため、勤務中の
・ムダなおしゃべり
・過度に長いトイレ
・ムダな喫煙
・スマホいじり
・仕事と関連性のないネット閲覧などとは無縁の働く人(労働者)なのです。
彼ら・彼女らは、何としても決められた時刻に退社し、次のミッションに向かわなくてはならないのでムダなことに時間を費やしては居られないのです。
何としても、当日の処理予定の作業を終了しなくてはならないのです。
もちろん、自らの権利ばかり主張し、ろくに仕事をしない「働きながら族」が存在していることも否定できませんが、そのような「働きながら族」は、即刻、消えていただきたい。
そのような問題のある「働きながら族」は、一般の「働きながら族」にとって非常に迷惑ですから。
では、なぜ、人材の定着率を上げるために「働きながら族」が関係あるのでしょうか?
それは、「働きながら族」が活躍できる企業は人材の定着率が高いのです。
また、「働きながら族」への理解が進んでいる企業は「働き方改革」への対応が進んでいるのです。
私も長らくムダな残業時間削減(時短)指導に係わっていますが、社長の皆さんは、「残業するな!」「早く帰れ!」と叫びつつも、実際は、定時帰宅する社員を快く思っていない傾向があります。
その裏返しで、遅くまで居残っている社員を労う傾向があります。
いいですか!
優良な人材とは、決められた時間内に成果を出す人材です。
遅いことなら猫でもやるのです。(残業しなければこなせないのは能力に問題あり)
非常に重要な心構えなのでもう一度書きます。
「優秀な人材とは、決められた時間内で結果を出す人材」
このことを肝に銘じていただき、企業経営・労働時間管理にあたっていただきたいのです。
確かに自分の仕事も処理できずに定時帰宅する無能な社員も存在しますが、そのような社員に対してこそ客観的な人事評価制度を導入して、本人に改善を促せばよいのです。
適切な人事評価制度(人事考課)では、この「働きながら族」が良い評価を獲得できるようにしなくてはならないのです。
では、なぜ、「働きながら族」は、決められた時間内で成果を出し定時帰宅できるのでしょうか?
「それは次のミッションがあるからでしょ」と言われそうですがではなくて、なぜ、生産性が高いのか?ということです。
「働きながら族は、なぜ、生産性が高いのか?」
もちろん、前述ように
・ムダなおしゃべり、ムダな喫煙
等が無いことは当たり前ですが、何か要因があるはずですね。
そうです、すべての現象に根拠があるのです。
すべての問題に原因があり、成功にも要因があるのです。
なぜ、働ながら族は、生産性が高いのか?
詳細は、拙著である「短時間で成果をあげる 働きながら族に学べ!」(労働調査会発行)をお読みいただきたいのですが、要因は大きく分けて二つあります。
一つ目は、本人の業務姿勢。
二つ目は、組織風土。
ここでは、
一つ目の本人の業務姿勢について触れてみます。
本人の業務姿勢。
まず、なんといっても、「必ず、ここまでの業務を退社時刻までに終了させる」と認識することです。
認識だけでは絵に描いた餅になりますから、その日の業務予定を「業務処理計画表」に前日夕方までに明確に記載することです。
この作業で5-10分かかりますが、この5-10分をかけることにより翌日の作業は驚くほどスムーズになるのです。
そして、業務姿勢というか、自然に身に付いていることかもしれませんが、特に子育てしている女性でフルタイムの社員として働いている方に焦点を当ててみましょう。
悔しいのですが、私見では男性より女性の方が業務処理においては優秀だと思います。
その根拠として、女性はマルチタスクなのです。
家事を担当する割合は、現状、女性の方が高いのが現実です。
その女性が家事をこなす場合、マルチタスクなのです。
夕食をつくりながら、洗濯をして、子供の世話をする。
これは、男性が苦手なのです。
ですから、建設業で公共工事の現場代理人が男性の場合、現場が完全に終了した午後5時以降にしか、文書の作成に取り掛からないのです。
女性の現場代理人の場合、現場稼働中の合間に文書の作成をしてしまうのです。
このマルチタスク。
人事評価制度(人事考課)でも重要な評価要素ですね。
「カンタンすぎる人事評価制度」でも活用しています。
「働きながら族」については、まだまだ説明したりないのですが、一冊の本にした通り、膨大な文章量になりますので今回はこれくらいにします。
長くなりましたのでここまでにしましょう。
次回からは、人手不足のパターンの最後である「4 人材伸びない型」の説明に入ります。