ブログ
BLOG
今回も人手不足のパターンの本丸の一つである
「3:従業員退職型」の続きです。
人事評価制度(人事考課)とも関連性がある内容ですのでぜひ、お読みください。
前回までに十番目まで説明しましたので、今回は十一番目です。
十一番目
11:従業員に対して達成すべき「成果」を示していますか?
このような表現をすると、「それは、従業員全員に対してノルマを課すということですか?」と的外れなことを言われる方もいらっしゃると思いますが、達成すべき成果とは、
・組織としてその人材に求めるべき能力・技量・力量のハードル設定
・やるべきことを示す
という、およそノルマとは別のモノであり、人材育成のために必要なことなのです。
要は、その人材にとって有益なことなのです。
このことは、「カンタンすぎる人事評価制度」の内容と重複しており非常に重要なことです。
いいですか!
人材に対する「成果」の明確は、従業員にとって「ノルマの設定」ではなく「解放」なのです。
「ここまで出来れば、あなたは人財になれますよ。そして、高い評価をさせていただき、昇給・昇格に繋がるのですよ」と、言うことです。
ヒトは、到達すべき目的や目標があってこそヤル気を出せますし、成果を出せるのです。
ただ漠然と日々の業務をこなしているだけではダメなのです。
このような状態を良しとしないのが適切な人事評価制度(人事考課)ですね。
高校受験でも大学受験でも同じですよね。
入りたい学校が明確であり、その学校の偏差値、入試の出題傾向等が明確なほど合格という達成に近づくのです。
資格試験も同様です。
労務管理・人事管理も同様であり、どのような職種、立場(管理職、一般社員、パート)であっても目標を明確にすべきなのです。
時には、目標の代わりにやるべきことやハードルの設定となりますが同様の考え方なのです。
次は、十二番目です。
12:あなたの会社の残業時間数は? 休日日数は?
私も、会社勤めのころは月の労働時間が400時間を超えることが半年以上続いたことがありますが、今考えるととんでもないことです。
このような残業自慢?をされる方が未だにいらっしゃいますがこの令和の時代に、残業時間数は自慢になりませんね。
実は、欧米の一流企業は日本の取引先企業への監査を行っていることがあり、その際、残業発生については非常に厳しく指摘してきます。
中小企業の社長の意見としては、残業に対応しなくては、わが社は成り立たないと反論したくなりますが、欧米の一流企業の言い分としては、残業しなくては利益が出せない企業体質自体が問題があり、ビジネスモデルとしては不完全であると。
ずいぶん厳しい意見のようにも思えますが、これが世界の潮流なのです。
実は、残業時間数と業務処理量が比例しているのは製造業くらいで、特にホワイトカラーでは、残業時間数と業務処理量の比例は必ずしもあり得ないのです。
私も根本的な残業削減の指導を数多く実施してきましたが残業発生にも必ず原因があります。
その原因を特定し、除去せずに
・午後6時に強制消灯
・残業の許可制
・ノー残業デー創設
など、小手先の対策を施しても、余程、監視を強めない限り(しかも継続的に)効果は継続できません。
まさかあなたの会社は、働いた時間数で従業員数を評価していませんか?
「カンタンすぎる人事評価制度」では、残業時間数が多い場合は、評価を低くすることを指導しています。
ただ、残業には、必要な残業と、不要な残業がありますからあくまで「不要な残業」が対象です。
昭和体質の働き方として、以前、プレジデント社発行の「プレジデントウーマン」に時短の専門家として回答したことがありますが、そこに集まってきた、働く人の叫びは、本当に可哀そうなモノでした。
未だにこのような昭和体質の企業が存在しているのかと。
そして、そのような昭和体質に企業を運営しているのは昭和体質の社長です。
中小企業の社長で多く見られる「残業している=頑張っている」という考え方をぜひ、改めていただきたいのです。
働いた時間数(残業時間数)ではなく、
・出した成果
・成果を出すためのプロセス
を適正に評価してください。
ただ、「成果を出すためのプロセス」を評価できる人事評価制度(人事考課)は、少ないように思えます。
その点、「カンタンすぎる人事評価制度」は、プロセスも評価します。
働いた時間数(残業時間)が多い従業員ほど良い評価をもらえる人事評価制度(人事考課)では、優秀な人材ほど退職してしまうのは当然の流れでしょう。