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前回は、「能力開発制度は機能していますか?」説明しました。
今回は、「能力開発制度を機能させるためのあること」について説明しますね。
能力開発制度を機能させるための「あること」 とは、どのようなことでしょうか?
これは、以前もお話ししましたが、「ハードル設定理論」です。
会社から、各従業員に対して要求する力量・技量・能力のハードルを設定するのです。
要は、「あなたは、ここまでの技量を身につけてください」と明確な基準を要求するのです。
この「明確な基準」が重要です。
例えば、高跳びの男子選手に対しては、「2メートル35センチを跳んでください」と明確に伝えるのと同じです。
各従業員さんに対しても「○○の力量を○月までに身につけてください」と明確な基準を期限付きで求めるのです。
この
・要求力量
・期限
があいまいな場合、従業員さんはナニを求められているのか不明ですし、いつまでに身につければ良いのかもわかりません。
これでは、能力開発制度など機能させようがないと言えます。
セミナーでもいつもお伝えしていることですが、多くの中小企業の社長さんは、「ウチの社員は勉強しない・努力しない」と嘆いておられます。
しかし、そのような嘆きに対して、私は、「では社長、この力量を来年の3月までに身につけてください、 と、社員の方に要求されたことはありますか?」と逆に質問します。
この私からの逆質問に約半数の社長は、「ハっ」と、気づいてただけるのですが、残りの半数の社長は、「そんなもん、私が要求しなくても自ら前向きに努力すればいいのだ」と訳が分からんこと(失礼!)を仰います。
そのような社長の下で働いている従業員さんは気の毒ですね。
この社長が言うように自ら前向きに努力できる人材は、全体の10%なのです。
そして、この上位10%(優秀な10%)の従業員は、7回前に説明したように社長のことも評価しています。
そうです、あなたの会社の従業員が社長を評価しているのです。
この優秀な上位10%の従業員は、従業員は勝手に努力すればよい! というボンクラな考えを持っている社長の下では埋もれたくないので、余程、待遇が良い場合を除いて退職していくでしょう。
こう考えると、優秀な従業員が退職していく組織というのは社長や上司に原因がある場合が多いのですね。
今回、能力開発制度を機能させるためには、従業員に要求する能力・技量・力量を明確にしていつまでに身につけるべきかの期限を設定することを説明しました。
「カンタンすぎる人事評価制度」では、評価項目の中に身につけるべき力量等を含んでいますので能力開発制度が含まれているといえます。
また、人事制度における「職能資格等級制度」も具体的に各等級で身につける能力を明確にしているのであれば、要求力量のハードルが設定されていると理解できますね。
人事制度も人事評価制度(人事考課)も人材育成のためには、要求力量のハードル設定が非常に重要なことをご理解ください。
次回は、従業員に要求した能力・技量・力量をどのように身につけさせるのかを説明します。