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前回は、従業員満足を得ていないにも拘わらず顧客満足を推奨することの矛盾について説明しました。
今回は、「顧客満足」 と「顧客自己満足」 についてです。
私は、様々な企業にお邪魔する機会が多く、その中には、初めて訪問させていただく企業もたくさんあります。
その中で、私自身が対応されたこと、社長や担当者から伺ったことで「それって、顧客満足だと思っているのは、本人というか社長だけで、お客様からすると有難迷惑だなぁ」と思える案件がしばしばあります。
私は、これらの行動を「顧客自己満足」としています。
また、非常に問題なのは、この「顧客自己満足」の活動を人事評価制度(人事考課)の評価項目にしているのです。
正直、顧客にとって有難迷惑の行動をされてそれが、その組織では高評価の源となるのは人事評価制度の専門家として、複雑な思いです。
具体的にコレがありがた迷惑行為との事例を出すことは差し控えますが、皆さんも、同じようなことをされて心当たりありますよね?
では、なぜ、顧客自己満足のお客様にとってありがた迷惑な行動を組織として実施しているのでしょうか?
これも必ず、原因があります。
多くは外部の○○専門家からの社長への助言なのです。
社長も○○専門家から助言されても実行しなければよいのですが、妙に素直で人の良い社長さんに限って、○○専門家からの助言を鵜呑みにして実行してしまうのですよね。
さらに問題なのは、その「裸の王様」化 した社長をだれも止められないことです。
お客様にとっては、ありがた迷惑・・・というより非常に迷惑なことであっても、そこの社長が良いことだと思って実施していることを
・「迷惑なので止めた方が良いですよ」
・「笑われますよ」
なんて、注意が出来ず、逆に「よくやっておられますね」「素晴らしいですね」なんて、言ってしまうので、社長は褒められたと思い、どこまでも高ーく、高く昇りつめてしまうのです。
ヤレヤレですね。
人事評価制度(人事考課)コンサルとしては、これらの行動が評価対象とならないことを祈ります。
実際、企業に訪問した際、その企業や従業員から私に対して「顧客自己満足」的な振る舞いをされても正直、指摘できないのですが、人事評価制度(人事考課)構築指導の場で、当該企業の「顧客自己満足」的な振る舞いを高評価の対象としようとする場合は、「ちょっと、マッタぁ~」と指摘します。
これは、私にとっても非常に辛いのですが、間違った行動を推奨してしまう人事評価制度(人事考課)の構築はなんとしても阻止しなくてはなりませんので。
指摘した場合、案外、社長自身に素直に訊いていただけます。
また、「実は、少しやりすぎかなぁと、思っていたのですよ」と仰る場合もあります。
そうです。
社長自身も実は不安だったのです。
でも、誰からも注意も指摘もされずに・・・。
そこで、私が提案します。
「社長に具申しにくいことでも正しいことは社長に伝える人材が高評価を獲得できるような人事評価制度にしましょう!」と。
人事評価制度(人事考課)は、こうあるべきですよね。