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2021.3.10

人事評価制度

146回:事業承継と評価制度(人事考課)

今日のテーマは、人事制度・人事評価制度(人事考課)への直球の「事業承継と人事評価制度」です。

多くの中小企業で悩みの多い問題として「事業承継」があります。

その「事業承継」で一番の問題は、事業承継する人材が見当たらない ことではないでしょうか。
そう!次期社長が見当たらないのです。

ご存じのとおり、社長はだれでも良いのではありません。
確かに問題のある社長、適格性のない社長、経営者の器ではない社長にも数多く遭遇してきましたが、そのような社長には、優秀かつ人格者の番頭さんが後見人として控えていることが多いのです。

そのような番頭さんが存在しない場合、組織は衰退の一途を辿っていくことが多いのです。

事業承継をする次期社長に就任させるべく人材が見当たらない場合、「カンタンすぎる人事評価制度」で次期社長を育成することができるのです。

「カンタンすぎる人事評価制度」は、後継者育成のための人事評価制度といえます。

ただ、「カンタンすぎる人事評価制度」で後継者育成を成し遂げるためには、現社長が次期社長(育成する社長)の能力・人格のハードルを設定しなくてはなりません。

能力開発制度というか人材育成で、常に私が申し上げていることは、人材に対する能力・技量・力量のハードルを設定してくださいということですね。

「カンタンすぎる人事評価制度」で次期社長を育成するためには、これらのハードルに加えて、人格のハードルも設定しなくてはなりません。

私見として、労働者である従業員に対する人事評価制度を策定する場合、性格を評価項目にしないことが必要であると考えます。

この“性格”と“人格”は、類似点もあり、労働者である従業員に対しては性格同様、“人格”を評価項目にすることは疑問が残ります。

ただ、組織の経営を担う、次期社長については、この“人格”は需要な要件であり、“人格のハードル”を設定すべきなのです。

「カンタンすぎる人事評価制度セミナー」でいつもお伝えしていることですが、「カンタンすぎる人事評価制度」は、自社従業員を
・モノ扱いしている社長
・馬鹿にしている社長
・自分だけが偉いと思っている社長
などには、決して、導入して頂きたくないと思っています。

そのような社長が「カンタンすぎる人事評価制度」を策定した場合、エゴに満ちたトンデモナイ人事評価制度が完成してしまうリスクがあるからです。
そう!「モンスター人事評価制度」が完成してしまう可能性が有るのです。

ですから、そのような社長に対しては「カンタンすぎる人事評価制度」の策定方法を秘密にしておきたいのです。(なかなかそうはいきませんが)

前述のような問題があると思われる社長は“人格のハードル”を超えることが出来ないので事業承継を担う、後継社長には相応しくないのです。

幸運なことにここ最近では、前述のような問題のある社長には遭遇していないのですが、今後、遭遇した場合には、安易に「カンタンすぎる人事評価制度」を進めることは慎みたく思います。

さて「カンタンすぎる人事評価制度」で事業承継を担う次期社長を育成するためには、“能力・人格のハードル”を設定する必要があることは説明済みですが、能力はともかくとして、どのような人格をハードルとして設定すべきなのでしょうか?

正直、これは、組織により異なるので一概に言えませんが、前述のとおり、従業員をモノ扱いしたり、馬鹿にしたりしないことを求めるべきです。

ただ、これは非常に難しいことであり、№2の頃や一般社員のときはそのような人格は表に出てこなかった場合でも経営トップである社長になった途端に首を垂れるどころか、伸びきったタケノコのようにふるまうヒトも存在するので困ったものです。

少々話がそれるかもしれませんが、事業承継させた社長に伸びきったタケノコ社長にさせないためには、中小企業であっても、株式まで、事業承継させた社長に譲らないことです。

これは、永遠にではなく、5年ほどで構いません。

要するに取締役の解任権を留保したまま代表取締役に就任させるのです。

そこで、その社長(代表取締役)の振る舞いを5年ほどよくよく確認のうえ、問題が無ければ、株式の譲渡に踏み切るのです。

これくらいの保険をかけておかないと、その企業でまじめに働く従業員はたまったものではありません。

私は、常に中小企業の社長に寄り添うために「カンタンすぎる人事評価制度」を開発しましたが、私が寄り添いたい“中小企業の社長”とは、決して、“伸びきったタケノコ”のような社長ではありません。

【参考情報】人事評価制度とは?

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