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63回:「内的報酬」を明確にする方法

今日は三連休の中日、12日です。

今日は、人事評価制度(人事考課)とも密接に関係のある内的報酬について考えてみましょう。

いや、内的報酬が充実してこそ、人事制度・人事評価制度(人事考課)が機能するのです。

内的報酬とは、その人材特有に価値のある報酬のことです。

対して、外的報酬とは、一番わかりやすい例としては、お給料ですね。

中小企業が、この内的報酬を充実させることが出来れば、人材活用について大企業を凌駕することが出来るのです。

ルールや規定が厳しい大企業ではそれぞれの人材に対して個別対応することは難しいのですが小回りが利く中小企業においては人材ごとの内的報酬を充実させ人事制度に活かすことが可能なのです。

ところで、私は常々、「人材」と「顧客」は同じだと主張しています。

ですから、従業員をぞんざいに扱っている企業のトップが、「顧客満足」を唱えているのはちゃんちゃらおかしいと思っています。

「従業員満足」が無い企業が「顧客満足」を唱える資格はないのです。

これもいつも説明していますが、「顧客満足」について注釈を一つ。

日本で言う「顧客満足」とは、
・素晴らしい
・とても満足している
を想像しますが、正しい理解は
・不満が無いこと
です。

ですから、「従業員満足」についても
・とても会社に満足している
・この仕事最高!
ではなく(出来れば、それが望ましいのですが)、
・会社に不満が無い状態
・仕事に不満が無い状態
で良いのです。

いや、少々不満があっても大きな不満が無ければ、「従業員満足」を得ていると捉えて問題ないでしょう。

だからこそ、まともな会社は、「従業員満足」を得ることを目指していただきたい。

そして、「従業員満足」を得ているからこそ「顧客満足」の実現が可能なのです。

「人材」と「顧客」は同じであることは前述のとおりですが、「顧客要求」には、5種類あることをご存じですか?

これは、私が提唱して専門誌に発表した考え方です。

その5種類の顧客要求とは
・一般要求
・当然要求
・法的要求
・顧客特有要求
・潜在要求
です。

この5種類の顧客要求は、従業員要求としても同じなのです。

人事制度・人事評価制度(人事考課)構築するうえでこのことを肝に銘じていただきたい。

では、人材から企業(雇用主)に対する5種類の要求を考えてみましょう。
但し、以下の内容はあくまで例でありすべてではないです。

1:雇用主への一般要求: 仕事を教えてもらえること

2:雇用主への当然要求: 決められた給与が支払われること

3:雇用主への法的要求: 労基法等の法令が遵守されていること

4:雇用主への従業員特有要求
定時に上がりが出来ること(残業が出来ない)

5:雇用主への潜在要求
日常業務を通じて従業員自身の価値が上がること

などでしょうか。

これらは、お互い重複していますし、考え方によっては当てはめ先が変わります。

この5つの従業員要求を理解したうえで、丹念な面接により、人材ごとの要求内容を明確にしていくのです。

特に
4:雇用主への従業員特有要求
5:雇用主への潜在要求
が内的報酬を明確にするうえで
非常に重要です。

人事評価制度(人事考課)の評価項目とも密接に関連性が有るのです。

「4:雇用主への従業員特有要求」については、その人材の内的報酬の ビンゴ! となり得る可能性が非常に高いのです。

通常、その人材の内的報酬を明確にしていくプロセスは丹念に丹念にお互いの信頼関係を高めたうえで明確にしていくのですが、この「4:雇用主への従業員特有要求」については、かなり、明確にしやすく、かつ、人材としても内的報酬の中心となります。

たとえば、前述の事例で、ある人材の「4:雇用主への従業員特有要求」が午後6時30分までに保育園に子供を迎えに行くために「定時上りが出来ること(残業が出来ない)」という場合、雇用側として、当該人材に残業を一切させないことは、人材にとって非常にありがたいことであり、内的報酬となり得るのです。

さらにもう一つ踏み込むことが出来ると内的報酬の価値が上がり、当該人材の雇用主というか勤務先企業への帰属意識やモチベーションが向上するでしょう。

どのように踏み込むのかというと、週に1回は、昼上がりにして在宅勤務にするなどです。

「4:雇用主への従業員特有要求」以上に内的報酬として価値が高いのは「5:雇用主への潜在要求」です。

潜在要求は、働く人材自身が理解や認識をしていないのです。

ですから、その潜在要求を見つけることが出来れば「そうそう!このようなことがありがたいのです」となります。

この潜在要求は、一朝一夕には見つけることはできません。

その人材の立場に立ち、興味を持って丹念な面接を積み重ねることにより「○○さんは□□してほしいのでは?」と提案できるのです。

こう考えると、人事管理・労務管理、人事評価制度(人事考課)上、丹念な面接は非常に重要ですね。

人事評価制度において、ほったらかいしておいて、一年後に最低評価! は絶対にしてはいけないことは何回も説明済みです。
その際、最低でも3か月に1回(年4回)の面談が必要とお伝え済みですが、やはり、理想は月1回(年12回)ですね。

このような話をしますと、「ウチは小規模企業なので面談などしなくても 従業員の考えていることは把握しています」という社長がいらっしゃいますが、果たしてどうなのでしょうか?

多分、そのように感じているのは社長だけだと思います。

人事制度・人事評価制度(人事考課)を運用するうえでも面談・面接は非常に重要ですし、中小企業が人材活用について大企業を凌駕するための「内的報酬」を発見し、活用するためにも重要なのです。

【参考情報】人事評価制度とは?

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