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前々回から、人事評価制度(人事考課)に立ち返って、一般的な人事評価制度への問題点・不満と「カンタンすぎる人事評価制度」の相違点を考えてみました。
今回もその続きです。
一般的な人事評価制度の問題点 その6:評価する側に罪悪感がある。
一般的な人事評価制度(人事考課)の被害者はだれでしょうか?
ロクでもない評価を下される人材(被評価者)?
確かに根拠のあいまいな強化をされる人材は被害者かもしれません。
ただ、私が考える一番の被害者は評価する立場である評価者(一般的には上司)だと思うのです。
なぜなら、評価者は、ロクな評価基準がない中でいつも一緒に仕事をしている部下を評価しなくてはならないのです。
評価者の本音としては、「評価結果の根拠を尋ねられたらどうしよう」ではないですか?
すべてのことに根拠があり、すべての問題に原因があるということを常に説いている私としては評価根拠のない人事評価結果こそおかしなことはありません。
100歩譲って、上司の独断と偏見で評価することがヨシ だとしてもそれは、社長の特権なのかもしれません。
(社長が独断と偏見で評価しても良いということじゃないです)
だとしますと、評価基準というモノサシを提示されずに「あなたの部下を評価しなさい」と依頼される評価者の苦悩はいかほどのものなのでしょうか。
もちろん、そんなこと気にせず、独断でバカバカしい評価をしている評価者もいるかもしれませんが、そんな人は少数だと思いたい!
殆どの評価者は善人なのです。
根拠のない部下への評価はしたくありません。
評価基準があいまいな(もしくは無い)一般的な人事評価制度を運用することにより苦しんでいるのは評価者なのです。
もうやめませんか!
評価基準があいまいな人事評価制度の運用を。
その点「カンタンすぎる人事評価制度」は、評価基準が明確なので、小学生でも評価可能なのです。
ですから、評価者が悩まなくても良いのです。
もちろん、被評価者(部下)から、評価結果の根拠を質問されても堂々と回答できるのです。
この評価結果を基に部下と情報共有することは上司と部下のいや、社内の最高のコミュニケーションとなります。
では、次に行きましょう。
一般的な人事評価制度の問題点 その7:評価にバラつきがある。
これは、すでに説明した内容と重複すると思いますが、一般的な人事評価制度の一番の問題点かもしれません。
なぜバラつきがあるのか?
もう皆さんお判りですよね。
評価基準があいまいであったり、ないからです。
「カンタンすぎる人事評価制度」は、評価基準が非常に明確なので、評価のばらつきは最小限に抑えられるのです。
一般的な人事評価制度の問題点 その7:相対評価の問題点、絶対評価の問題点。
人事評価は、絶対評価であるべきです。
絶対評価とは、全員が最高評価を獲得することが可能ですし、逆、全員が最低評価になることも想定されます。
対して、相対評価とは、一定の割合で評価人数を限定します。
例えば、評価の高い順から
S-A-B-C-D の場合、
一般的には、
S:10%
A:20%
B:40%
C:20%
D:10%
という感じでしょうか。
仮に従業員数20名の会社で全員が素晴らしい成果やプロセスであったとしても10%にあたる2名に対しては最低評価の「D」がつけられるのです。
逆に全員がロクでもない成果やプロセスであっても10%の2名に対しては最高評価の「S」がつけられます。
従業員の順位付けや序列付けのための人事評価制度であればこのような相対評価でも構いませんが、従業員の育成目的の人事評価制度であれば、絶対評価にすべきでしょう。
私が過去25年間指導してきた人事評価制度も絶対評価ですし、「カンタンすぎる人事評価制度」も絶対評価です。
では、絶対評価に問題点はあるのでしょうか?
絶対評価自体に問題点はないのですが、次回説明する「賃金テーブル」(賃金表)を使用する給与制度(賃金制度)の場合、問題が出る可能性があるのです。
ですから、絶対評価について私自身、賛同はしますが、「賃金テーブル」との相性が抜群ということではありませんのでその辺のことを次回説明していきたいと思います。
ということで、次回は
一般的な人事評価制度の問題点 その8:賃金テーブル(賃金表)使用の問題点。
を説明します。
余談ですが、「給与規程」「賃金規程」は、「就業規則」の一部ですから策定については社会保険労務士の独占業務なので、社会保険労務士の視点からも説明してみたいと思います。
人事制度コンサルをしていると私自身、社会保険労務士であることで法令遵守を徹底しなくてはならないので少々窮屈なこともありますが、これも必要なことなのでしょう。ヤレヤレ。